関白の息子!

アイム

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二頭政治

対談1/3(エロ度☆☆☆☆☆)

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 恐らく、出迎えもせずにそのまま謁見の間に通されたのは異例中の異例であろう。
 無礼と怒りつつ辿り着いた先ではさらに上座ではなく同列に座布団が敷かれている。
 間違いなく陛下が就任してから初めての出来事だろう。

「陛下、よくぞお越しくださいました」

「き、貴様! 陛下に対し何たる不遜――

「黙れい!」

 お付きの者が不満の声を上げようとすると、清正が一喝で返す。
 俺と陛下以外に話す者が在ってはならぬ、ここは戦場である。
 清正達にはそう伝えてある。

「どうぞ、そちらにおかけください」

「・・・・・・あの小さかった子がおおきうなったものじゃ」

 後陽成天皇には元服の際に一度会っている。
 父上が禁裏で執り行ったからだが、その時俺はたかが4歳。
 もう10年も前のことである。

「覚えておいででしたか」

「うむ。太閤の息子じゃからのう。それに曲がりなりにも兄弟ではないか」

 どかと正面に腰かけた陛下を見て、お付きの公家達も渋々とそれに続く。
 陛下の瞳は、こちらの底を覗き込むように深く静かだ。
 怯えも恐れも無く、まるで本当に親戚に会いに来たような。

「日頃からの朝廷への支援、誠に感謝しているぞ」

「・・・・・・支援と申されましたか?」

「うむ。既に実際に日の本を動かしているのは武家じゃ」

 ざわざわと騒ぎだしたのは公家達だけでなく、俺の臣下達もだ。
 今まではあくまで武家は大名が置いた管領の座を争っていたに過ぎない。
 つまり、何処まで行こうと天皇の臣であり、天皇が所持する土地を代わりに納めているに過ぎないと言うのが建前だった。

 しかし、力で全てを奪い去るこの時代。
 はっきり言ってこの土地は俺のものだなんて主張はあまり意味がないのだ。

「それをお認めになる、と?」

「うむ」

「では、朝廷はどうされます?」

「・・・・・・もはや官位を金で売ることしか朝廷に価値はない」

「そうですね。いくら取り繕おうと今はそう言った状態です」

「しかし、朝廷こそ日の本の文化の根源である!」

 そう言いきった陛下に場に集まった全ての人間が固まってしまう。
 文化、目に見えるようで見えない曖昧な表現ではある。
 だがそんな事ではなく、実質的な朝廷の価値を陛下自身が認めなかったと言うのが問題なのだ。

「フフ、クハハ。確かに。朝廷の内部ほど日本独自の文化が保たれたところはないでしょう。・・・・・・では朝鮮人にもそうお言いになりますか?」

「朝鮮独自の文化もあろう」

「はい。我々と近いところもあれば全く異なるものもあります。ですが、あそこも今は日本です」

「ならば、朝鮮の文化も朝廷が保存しよう。明も同様だ。戦で破壊される歴史や文化、それに芸を朝廷が保存し、後世に伝えよう」

 さて、これに価値を認めるかどうかだ。
 保存と言ってもその中だけの代物に果たして意味があるのか・・・・・・。

「それに、良い文化をより多くの者に広めるために印刷技術を用いようと思う」

「・・・・・・なんですと?」

「印刷だ。秀吉公が文禄の戦の折に朝鮮より持ち帰ってきてくださった。あれを用いれば写本を必要とせずに多くの者に文字を伝えることが出来る」

 印刷だと?
 朝鮮にはこの時代にすでにあったのか。
 しかも、朝廷では使っているとか・・・・・・。

「良いところに目を付けられましたね」

「どうじゃ? それでは足りぬか?」

 皆の視線が俺に集まる。
 さて、どうするか。

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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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