関白の息子!

アイム

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二頭政治

行幸(エロ度☆☆☆☆☆)

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「ほう? 陛下が大阪にいらっしゃると?」

「はっ! たった今連絡が入りましてございます」

 ふむ、公家共め、追い詰められて陛下を動かしたか。
 しかし、それはそれで良い。

「で、何時だ?」

「はっ! 一月後でございます」

「そうか。信繁、今から頼むものを用意しておいてくれ」

「何でございましょう?」

「天下を語るうえで必要な物だ」

 地球儀と火薬とスペインの軍艦の模型、それに羅針盤。
 禁裏からすら滅多に出てこない陛下に理解できるだろうか?
 理解できないなら、これからの日本に必要はない。

「それと、殿を関白にする動きが盛んになって参りました」

「・・・・・・いらん」

「しかし、亡きお父上と同じ官職ですぞ?」

「だが、あんなものは必要ない。そもそも朝廷に価値など無いとすら思っていると言ったろう?」

「・・・・・・では?」

「陛下にお会いしてから決める。良いか、信繁。今まで日の本だった地と俺の代で日の本になった地、面積だけならほとんど同じなんだぞ?」

 蝦夷地(83,450km^2)と朝鮮(220,800km^2(韓国ではなく、朝鮮半島の面積))を合わせれば、本州(230,500km^2)四国(18,800km^2)九州(35,640km^2)(島などは除く)とほとんど同じくらいの面積になる。
 つまり、今の日本にとって天皇陛下は国の半分の者にしか意味がないのである。
 今後の明のことも含め、朝廷をどうするのか決めなければならない。





 大阪城に陛下がお見えになるのに際し、街全体が歓迎ムードになっている。
 現在の天皇である後陽成天皇の女御は近衛前子、近衛前久の娘で父上の養女ということになっている。
 父上は朝廷の権威を用いることに固執していたところがあり、失墜した権威を回復させた張本人でもある。
 ちなみに正史では江戸幕府によりまたゾンザイに扱われるのだが・・・・・・。
 とにかく、形の上では俺の義理の兄弟とも言えるのだ。

「・・・・・・来たか」

「はっ! あの輿に乗られているようです。殿、よろしいので?」

 信繁の視線の先にある対談の間には向かい合わせで同じ座布団が敷いてある。
 上座ではなく、対等の者として。
 今回参加する家臣の五大老・四奉行・七将軍とは事前に協議済みではある。
 難色を示したのは景勝と忠興のみ。

「忠興、やはり嫌か?」

「・・・・・・正直に申しますれば」

「うん。我慢してくれ。上座に上げるかどうかは話をしてからだ。俺が日の本の主にふさわしいと思えばその時は直ぐに上座に上げる」

「・・・・・・ははっ!」

 豊臣恩顧の将達にとっては、まさに朝廷は自分達のおかげで今もあるという意識が強い。
 だから、清正や正則などは、今回の茂勝の乱を受け、その背後に朝廷の匂いを感じた瞬間にいっそさっさと取潰しましょうと発言するほどだった。
 何時もそう言った極端な発言をすると、大体三成が窘めて口喧嘩になるのだが、今回ばかりは同意見だったようで、コホンと咳払いするのみだった。
 三成等はいっそ朝廷など無い方が豊臣家の支出が減って良いとすら考えている。
 諸大名からの献上金がない今となっては、朝廷は豊臣家からの支援だけで存続している状態なのだ。
 もちろん、その状況に持ち込んだのは俺なのだが・・・・・・。

「戦国の世になった理由はそもそもが朝廷の政治力不足と派閥争いにある。それを収めたのは武家なのだから、公家には統治者としてはもう居場所など無い。まして、明に進出する今なら尚更だな」

「殿、朝廷を廃されますか?」

「・・・・・・さっき言っただろう? 会ってから決める」

 俺が直ぐに朝廷を廃すると言えないでいるのは前世の記憶のせいだろう。
 はっきり言ってしまえば、平成の時代のあの爺さんが俺は大好きなのだ。
 柔らかい笑顔で悲惨な目にあった人々にさえ暖かさを与えてくれるあの笑顔が。

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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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