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朝鮮征伐
帰国(エロ度☆☆☆☆☆)
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実は朝鮮王は随分と前から全面降伏を申し出ていたらしい。
すっかりユイナに夢中で一応交渉中なのを完全に忘れていたw しかし、これで朝鮮自体が俺の傘下に入ったのは確かだ。
「三成、しばらくこちらの後始末は任せる。重成を総督として朝鮮に置いて行くので、しばし面倒を見てやってくれ。俺は早く戻り息子の顔が見たい」
「ははっ! でしたら、釜山まで戻らずに江原道の港から舞鶴港まで行けるように調整しておきましょう」
「うん、頼む」
駒と俺の息子・白寿。祖父の(最上)義光も早く帰って逢いたいと数日前からそわそわしている。
俺が乗るのは行きと同じく日本丸。わざわざ俺のために釜山からこちらに移動しておいてもらった。
「しかし、まだやることが多いなぁ」
「殿、心配事でも?」
遠くすぎてまだ視認できない日本を見ながらの呟きに信繁が生真面目に返してくる。
「ん? いや、朝鮮をどうやって統べて行くか迷っていてな」
「と、言うと?」
「なぜ俺が朝鮮王を廃したと思う?」
「・・・・・・朝鮮を支配するため、かと」
「うん。服従でなく、支配だ。つまり、朝鮮を朝鮮ではなく、日本の一部にするということだ。これには何が必要だと思う?」
信繁が俺と同じように日本の方を見ながら悩む。
俺は朝鮮を植民地支配するつもりは毛頭ない。やはりそれは前世の記憶のおかげだが、植民地支配などしても内乱と前線の拡大にとても賄えない。あくまで、現地人が自らの国を守ろうとしてくれれば、日本人が各地に散らばる戦力分散の愚を犯さないで済む。いや、そもそも全員が日本人になってしまえばいいのだ。
「信繁、日本人とは何だ?」
「・・・・・・はっ! 恐らく、天皇陛下の下に統べられた人民であることかと」
「違うな。日本人とは日本の言葉を知り、同じ文化思想を持ち、日本を愛する者である。俺はそう定義付ける。そうでなくては朝鮮も、これからの明もどの国の国民も何時まで経っても日本人になれない。・・・・・・お前、天皇陛下に何かしてもらったか?」
「少なくとも官位を・・・・・・」
「それは仕事だろう? しかもそれで何かあるわけでもない。更に、お前に官位を授けたのは秀次叔父上だ。なぁ、天皇陛下は現人神だろう? 神は人の生活に関わらないのが一番だとは思わないか? 神話の時代に神が何をしてきたかを思い出してみろ」
「殿!?」
「別に害そうなどとは思っていない。ただ、立場を明確にしたいだけだ。だがな、これから増える日本の国民候補にとって奉じるにふさわしくないのなら・・・・・・」
「と、殿?」
フゥ、と一つ息をつく。
「信繁。もしもの時、お前はどちらを守る?」
「殿でございます」
「そうか。ありがとう」
しかし、大名達はどうだろう? 少なくとも今は大名と朝廷のつながりをどんどん薄くしていっている。別に俺がそういう態度を現しているわけではないので、誰も朝廷との不和を疑ってなどいないだろうが・・・・・・。
あ、この間(前田)茂勝と一悶着有ったのは見られていたか・・・・・・。まぁ、良いさ。
「早く、新しい息子に逢いたい。お梅や母上。駒にたら・・・・・・は少し休んでからで、五郎八は次は尻に挿れてやろうかな。でも菊はまだもうちょい先だなぁ。はぁ、お千とお珠に会いたいなぁ」
「殿、もう少しでございます。きっと可愛い和子でありましょう」
「うん。そういや信繁、お前に子供は?」
「おります。倅は6つになります。あれもこの出征中に大きくなったでしょう」
「そうか、お梅と同じ歳か! なぁ、信繁、一度引き合わせてみるか?」
「!? ははっ!」
「ま、お梅の目に敵うかどうかは知らんがな。望む家に嫁がせるしな」
ただお梅は天下人の娘だと言うのにくノ一修業を始めているらしい。それもその才は桜に並ぶほどで、危険だからやめさせようとした俺に、くノ一衆全員からやめさせないでと嘆願書が届くほどだった。あのお転婆娘の目に敵う者がいるかどうかはともかく、まぁ同じ年頃のどころか、男と会うのが俺か白寿丸くらいと言う環境は少し問題があると思っている。
「しかし、あれの嫁ぎ先自体は少し考えなければなぁ」
「まだよろしいのでは?」
「そうは言えど、お梅には政略結婚させる気はない。だと言うのに裏内に入れば男と目を合わせる事すらない。これでは手詰まりではないか。早めに色んな男を見せて目を養わせる必要がある」
「殿も父親、なのですな」
「ん?」
「いえ。先程の殿の天皇陛下に対する考え方。少し分かった気がします」
「ああ。人間を統べるのはやはり人間だ。神は戒めや救いであれば十分だ」
随分と天皇陛下に要求し過ぎだとは思う。だが、そうでないなら、必要ない。
大阪に帰ったら早々に朝廷に出向くとするか・・・・・・。
日本海は珍しい程に穏やかで、心地良い微風に潮が香る。前途多難なれど順風満帆。やるべきことは山ほどあれど、将来は非常に明るいように思えた。
すっかりユイナに夢中で一応交渉中なのを完全に忘れていたw しかし、これで朝鮮自体が俺の傘下に入ったのは確かだ。
「三成、しばらくこちらの後始末は任せる。重成を総督として朝鮮に置いて行くので、しばし面倒を見てやってくれ。俺は早く戻り息子の顔が見たい」
「ははっ! でしたら、釜山まで戻らずに江原道の港から舞鶴港まで行けるように調整しておきましょう」
「うん、頼む」
駒と俺の息子・白寿。祖父の(最上)義光も早く帰って逢いたいと数日前からそわそわしている。
俺が乗るのは行きと同じく日本丸。わざわざ俺のために釜山からこちらに移動しておいてもらった。
「しかし、まだやることが多いなぁ」
「殿、心配事でも?」
遠くすぎてまだ視認できない日本を見ながらの呟きに信繁が生真面目に返してくる。
「ん? いや、朝鮮をどうやって統べて行くか迷っていてな」
「と、言うと?」
「なぜ俺が朝鮮王を廃したと思う?」
「・・・・・・朝鮮を支配するため、かと」
「うん。服従でなく、支配だ。つまり、朝鮮を朝鮮ではなく、日本の一部にするということだ。これには何が必要だと思う?」
信繁が俺と同じように日本の方を見ながら悩む。
俺は朝鮮を植民地支配するつもりは毛頭ない。やはりそれは前世の記憶のおかげだが、植民地支配などしても内乱と前線の拡大にとても賄えない。あくまで、現地人が自らの国を守ろうとしてくれれば、日本人が各地に散らばる戦力分散の愚を犯さないで済む。いや、そもそも全員が日本人になってしまえばいいのだ。
「信繁、日本人とは何だ?」
「・・・・・・はっ! 恐らく、天皇陛下の下に統べられた人民であることかと」
「違うな。日本人とは日本の言葉を知り、同じ文化思想を持ち、日本を愛する者である。俺はそう定義付ける。そうでなくては朝鮮も、これからの明もどの国の国民も何時まで経っても日本人になれない。・・・・・・お前、天皇陛下に何かしてもらったか?」
「少なくとも官位を・・・・・・」
「それは仕事だろう? しかもそれで何かあるわけでもない。更に、お前に官位を授けたのは秀次叔父上だ。なぁ、天皇陛下は現人神だろう? 神は人の生活に関わらないのが一番だとは思わないか? 神話の時代に神が何をしてきたかを思い出してみろ」
「殿!?」
「別に害そうなどとは思っていない。ただ、立場を明確にしたいだけだ。だがな、これから増える日本の国民候補にとって奉じるにふさわしくないのなら・・・・・・」
「と、殿?」
フゥ、と一つ息をつく。
「信繁。もしもの時、お前はどちらを守る?」
「殿でございます」
「そうか。ありがとう」
しかし、大名達はどうだろう? 少なくとも今は大名と朝廷のつながりをどんどん薄くしていっている。別に俺がそういう態度を現しているわけではないので、誰も朝廷との不和を疑ってなどいないだろうが・・・・・・。
あ、この間(前田)茂勝と一悶着有ったのは見られていたか・・・・・・。まぁ、良いさ。
「早く、新しい息子に逢いたい。お梅や母上。駒にたら・・・・・・は少し休んでからで、五郎八は次は尻に挿れてやろうかな。でも菊はまだもうちょい先だなぁ。はぁ、お千とお珠に会いたいなぁ」
「殿、もう少しでございます。きっと可愛い和子でありましょう」
「うん。そういや信繁、お前に子供は?」
「おります。倅は6つになります。あれもこの出征中に大きくなったでしょう」
「そうか、お梅と同じ歳か! なぁ、信繁、一度引き合わせてみるか?」
「!? ははっ!」
「ま、お梅の目に敵うかどうかは知らんがな。望む家に嫁がせるしな」
ただお梅は天下人の娘だと言うのにくノ一修業を始めているらしい。それもその才は桜に並ぶほどで、危険だからやめさせようとした俺に、くノ一衆全員からやめさせないでと嘆願書が届くほどだった。あのお転婆娘の目に敵う者がいるかどうかはともかく、まぁ同じ年頃のどころか、男と会うのが俺か白寿丸くらいと言う環境は少し問題があると思っている。
「しかし、あれの嫁ぎ先自体は少し考えなければなぁ」
「まだよろしいのでは?」
「そうは言えど、お梅には政略結婚させる気はない。だと言うのに裏内に入れば男と目を合わせる事すらない。これでは手詰まりではないか。早めに色んな男を見せて目を養わせる必要がある」
「殿も父親、なのですな」
「ん?」
「いえ。先程の殿の天皇陛下に対する考え方。少し分かった気がします」
「ああ。人間を統べるのはやはり人間だ。神は戒めや救いであれば十分だ」
随分と天皇陛下に要求し過ぎだとは思う。だが、そうでないなら、必要ない。
大阪に帰ったら早々に朝廷に出向くとするか・・・・・・。
日本海は珍しい程に穏やかで、心地良い微風に潮が香る。前途多難なれど順風満帆。やるべきことは山ほどあれど、将来は非常に明るいように思えた。
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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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