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朝鮮出兵
朝鮮への陣容(エロ度☆☆☆☆☆)
しおりを挟む「軍は7つに分けて侵攻する。それぞれ七将軍が率い、五大老は国内の安堵を心がけよ。五奉行は補給と目付を務めよ」
七つの軍は、
第一軍・加藤清正の関東軍(佐竹・豊臣直轄領)舞鶴港より北部に侵攻
第二軍・小早川秀秋の九州軍(小西・島津など)名護屋より南部に侵攻
第三軍・黒田長政の信州軍(前田・上杉など) 名護屋より南部に侵攻
第四軍・細川忠興の近畿軍(二つの豊臣家など)名護屋より南部に侵攻
第五軍・福島正則の東北軍(伊達など) 舞鶴港より北部に侵攻
第六軍・池田輝政の四国・中国合同軍(毛利・宇喜多など)予備役とし、明軍が来てからの投入。
第七軍・加藤嘉明による各地の水軍衆を招集した部隊
先の文禄の役では名護屋から南部に侵攻する軍だけだった。
これは、羅針盤が無く、陸地を見ながらでないと航海が出来ない航海法の未熟さが原因であったが、ヌルハチとの交流により、明から羅針盤を手に入れたことで、波が穏やかであれば十分に日本海を通り北部に侵攻することが可能であると判断した。
それは、恐らく朝鮮にとっても予想外のことだろう。
この作戦に招集した五大老・五奉行・七将軍が、特に七将軍がざわつく。
もっとも騒いだ理由は侵攻経路の事ではなく、軍目付についてだったが・・・・・・。
「と、殿。異存はないのですが、その、目付については・・・・・・」
前回は目付に一方的な報告をされ、七将軍と五奉行に諍いが起きている。
誰にしてみてもその事が頭にあるのだろう。
「心配するな。俺も朝鮮に行くからな」
「「「「「・・・・・・はっ!?」」」」」
集まった全員が素っ頓狂な声をあげる。
何を不思議がっているのか、その方が不思議だ。
「なんだ? 父上だって行こうとしていただろう?」
「恐れながら申し上げます。敵地に乗り込むなど危険にございます!」
「俺は忠興の率いる四軍と一緒に行く。秀秋、(黒田)長政の二・三軍で陸の安全を確保し、嘉明の率いる水軍衆で制海権を確保し続けろ。正則、輝政は後詰めと予備になる。よいな? 一気に攻め、明軍の介入前に押し切るぞ?」
俺を心配するなら完璧に安全にしておけということだ。
それに今回の戦闘は速度重視だ。
そのために長い時間をかけて戦支度をしてきた。
俺が前線に出ることで兵の士気が上がると言うなら、その手を使わない理由がない。
また、ヌルハチが統一しつつある女真族との交渉も上手くいっている。
さらに、明は国内の経済不安でなかなか援軍どころではないだろうし、出そうにも陸路は女真族が塞いでいる。
明からすれば属国だろうが、ヌルハチには既に独立の意志が強い。
独立するなら日本と連携できる今しかないとはわかっているはずだ。
うかつに陸路を採れば、日本軍と女真で挟み撃ちに出来る。
まぁ、明が安全面を取り、海路を取るなら金のない明は軍がかなり圧縮される。
それならそれでむしろ楽になるともいえる。
次を見据え、とにかく明を弱体化させる必要もあるのだ。
「三成、朝鮮人たちの教育の方は進んでいるな?」
「はっ! 千人の教育は既に終了し、次の子供達の教育を始めております」
「清正、ヌルハチにこちらの出陣時期をしっかり伝え、逐一明の動きを報告してほしいと言っておけ」
「ははっ!」
「嘉明、(九鬼)喜隆と水軍の調整は出来ているな?」
「はっ! 舞鶴と名護屋の二拠点からの出兵準備は万事整っております」
「(浅野)長政、兵站に問題はないか?」
「お任せください!」
スゥーッと一息つく。
「いいか? 清正が北から一気に侵攻し、平壌を制圧する。南部からは清正の動向に合わせ、漢城(現在のソウル)近くまで侵攻して待機、清正と連携しこれを一気に制圧する。今回は朝鮮王を絶対に逃がすな。王族の悉くを捕虜にし、向こうの大義を無くしてやれ」
もともと民は大分苦しんでいるようだし、王族を人質に善政を敷けば、民の心は直ぐに変わるだろう。
「殺してしまった方がよろしいのでは?」
「服従するならそれでいい。朝鮮王が明ではなく、日本にのみ従うと約束できるのなら、な。それも明の援軍を完膚なきまでに倒すか、援軍が要請しても来ないと分からなければ難しいだろう。それまでは生かしておけ。戦後についてはまだまだ先の事ではあるが、皆心しておいてくれ。女真族と共に明を攻めるのはさらに5年後。十分に明を弱らせてからだ」
「「「「「ははっ!」」」」」
父上の唐入りの最大の失敗は準備期間が短かったことだろう。
惣無事令の発令から九州平定まで2年、後北条氏の滅亡までそこから6年、さらに唐入りまではたったの2年しかない。
5年単位で目標を定め、準備をしていけば十分に戦える。
もちろん、父上には時間が残っていなかったのが一番の問題なのだろうけど・・・・・・。
「殿、某から申し上げたき事が」
「ん? 何だ(前田)茂勝」
玄以の跡を継いだ茂勝が珍しく声をあげる。
父の跡を継いでと言う形にはなるが、正直朝廷とのパイプを引き継いでいるとはいえ、才覚に乏しく感じられる。
俺が朝廷に何も求めていないというのもあるだろうが・・・・・・。
「ははっ! 帝より殿に左大臣の位を授けるとの確約をいただきました」
周囲がおおっと歓声を上げる。
だが、正直いらない。
どうせ、いつもの金を恵んでもらうための話だ。
ついこの間も右大臣がどうとか言って来たので、参内もせずに受けておいたが・・・・・・。
まぁ、九条家には完子も嫁いでいるし、少しは支援してやるけど。
「戦前だ。参内はしないから勝手にあげといてくれ」
「なっ!? と、殿。左大臣ですぞ!? 正二位の官位なのですぞ!?」
「くどい。官位にあまり興味がないと前に言っただろう。俺が上がらないと他の者が官位を受け取り難いと思うから上がるだけだ。戦の邪魔になるならいらん」
「・・・・・・か、かしこまりました。では、朝廷には参内はかなわないが申し出を受けると伝えまする」
自信満々だった分、失望も大きいようだ。
しかし、官位か。
左大臣の上は太政大臣(従一位)、その上は関白(正一位)だったな。
父上は好きだったようだけど・・・・・・。
まぁ、くれるというならもらっておくか。
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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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