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戦勝者の憂鬱
大阪仕置き(エロ度☆☆☆☆☆)
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「家康には流罪を言い渡す。八丈島にて余生を過ごすが良い」
「ははぁ」
東海一の弓取りもこの1カ月で大分丸くなったように思う。
今なら相談役として傍においても・・・・・・いや、勝者と敗者がいるのは戦国の習い
そうでなくても生かしておくことに対する非難が多いのだから、ここはやはり・・・・・・。
「秀忠には蝦夷の制圧と開拓を申し付ける! 必要な家臣を連れて行くが良い。物資も必要数はこちらで用意する。もっともそれに見合う成果を出さなければ、支援も打ち切る。良いな? しかし、成果をあげたのならお家再興の機会を与えよう」
「ははっ! ご温情痛み入ります」
果たしてこれが本当に温情なのだろうか?
ただ、家の繁栄と存続を考える戦国武将ならでは、か。
実際一族郎党皆首を切られるなんて、この時代では良くある話だし。
何となく秀次叔父上の方を見てしまう。
「と、殿、某に何か?」
秀次叔父上が突然の事に狼狽する。
なんとなく、生きていてよかったね、と心の中で呟き一呼吸吐く。
「さて、家康に味方したものは全員改易とする。しかし、皆かつては豊臣のために働いてくれたのだから、一年ほど暮らすに十分な財貨を与えた上で放逐する。また、どの家も彼等を雇い入れることを認め、その後の処遇も各家に任せるものとする。つまりはやり直しだ」
忠勝とか正信とか一番人気なんだろうな。
ドラフトでもするか?
って、秀忠が連れて行こうとするに決まっているか。
謁見の間から出て行く諸将を見ながら、何人かうちで引き取れないかなぁなんて考える。
取り敢えず初叔母上の手前、京極高次だけでも引き取ることにしよう。
それに飛び地も多くなるから、代官としてそれなりの人材を確保したいし・・・・・・
まぁ、五大老や五奉行に相談した時にいろいろと紹介された者達に手紙を出すことにしよう。
もしも断られても、豊臣家を恨むのなら仕方のないことだしね。
「殿、お見事でございました」
「うん。さて、そろそろ恩賞の発表としようか」
さて、こちらが割と問題かもしれない。
七将軍は全員加増ではあるものの正則・清正・嘉明・長政が転封となる。
特に長政は父親の如水が恩賞を断った分、上乗せとなり、所領が倍以上になる。
果たして大丈夫だろうか・・・・・・って、如水のことだし心配ないか。
「皆、良くやってくれた。三成、発表せよ」
「ははっ!」
戦功に対してそれぞれ加増、もしくは金銭による恩賞を申し付ける。
(加増幅などは章末の雑談にて!)
ただし、加増される者のうち、先程の4人は転封。
その中でも正則は少し苦々しい顔をする。
まぁ、そんな事は分かっていた。
だから前もって正則と話しておいたし、その意義も理解してくれている。
正則は「某、寒いのが苦手でして」と頭を掻いていたが、それは慣れてもらうしかない
それに、これは遅くなっていた三成襲撃事件の罰ということにしておいた。
傍目からして見れば罰でも何でもないが、そう言われれば正則も嫌とは言えない。
正則には出羽国(今の福島・米沢の辺り)にて40万石の主となり、東北の大名と言うかはっきり言えば伊達の見張りとなってもらう。
次に清正には武蔵(東京)を中心とした50万石の主として関東の復興に当たってもらう。
嘉明には相模(小田原)を中心とした20万石。
そして長政には正則のいた尾張(名古屋)を中心に40万石。
加増数は長政が一番になる。
これは二番功だった如水が褒美を辞退したからであり、急げば一週間で往復できる尾張に相談役である如水を置きたかったと言う俺の我儘も含まれている。
おまけに尾張は信長公や父上の出身地。
豊臣家にとっても非常に重要な意味がある。
因みに加増数二番は佐竹で18万石。
蒲生の領地をそのまま引き継ぐこととなるが、落城した水戸城などを考えると復興に手がかかるだろう。
そうそう、加増はしていないものの、堀家がいなくなったことと出羽に領地を確保するために上杉家を越後に移動したことで、景勝は謙信から引き継いだ春日山城に本拠を移した。
これには単純な加増以上に喜び、何度も礼を言われてしまった。
正史の関ケ原と違い、大大名の取潰しや厳封が家康のみだったこと。
かなりの短期決戦で終わったため、活躍した者が少なかったことで、加増幅は大したことのない結果となっている。
しかし、予定通り七将に力をつけ、各地の大名の監視役とする手配は出来た。
「そうだ。昌幸」
「っ!? ははっ!」
想定外に声をかけられて昌幸も戸惑ったようだ。
「信繁を正式に俺の旗本にしたい。家康への突撃は本当に見事だったからな。大幅な加増で大変とは思うが、何とか頼む」
「もったいなきお言葉。直ぐにでもこちらに向かわせまする」
「頼む。真田家とは別に3万石の知行で迎えると伝えてくれ」
「な、なんと! 有り難きお言葉!」
あの時、俺と如水が忠勝の攻めに死を覚悟した時。
如水に引き付けが不十分と言われていたにもかかわらず、遥かに予測を越えた速度で家康を追い詰めて見せた。
その力を見込んだというわけだ。
まぁ、俺としては真田幸村としての活躍を知っていたと言うのもあるけれど。
大幅に大きくなった豊臣家ならもっと大勢の家臣を新しく雇えるが、敢えてあまり増やさない方が今後の朝鮮の役の恩賞などにも使えるのでそのままにする。
その分、五奉行とかは大変だろうけどw
「では、解散!」
正直、子供の体力では大分疲れ切ってしまった。
マイエンジェルに癒してもらいたいところだけど・・・・・・。
しばしの親子の別れを邪魔するほど俺も鬼じゃない。
「はあぁぁ、なんか、勝ったのにそんなに嬉しくないなぁ」
「秀頼様」
天守で一人溜め息を吐いていると、後ろから桜に声をかけられる。
城に帰ってからも3日に一度くらいは抱いているが、最近は忙しかったうえに浅井三姉妹を抱いたせいで七日くらい抱いてない。
きっと疼いてきたのだろう。
「いえ、違います」
「桜、勝手に人の心を読むな。で?」
「はい。お暇をいただきに――」
「却下!」
もちろん即答だ。
「そう仰ると思っていました。では、共に来ていただけませんか?」
「・・・・・・どういうこと?」
「その、少し里に用があるのですが、一度養成所をお見せしようかと。可愛い女の子がいっぱいですよ?」
「おお! でも、どういう用事?」
桜がそういう誘いをしてくるのは初めてだ。
はぁ、と諦めた様な声を出し、桜が白状する。
「その、生理が・・・・・・来ません」
「ははぁ」
東海一の弓取りもこの1カ月で大分丸くなったように思う。
今なら相談役として傍においても・・・・・・いや、勝者と敗者がいるのは戦国の習い
そうでなくても生かしておくことに対する非難が多いのだから、ここはやはり・・・・・・。
「秀忠には蝦夷の制圧と開拓を申し付ける! 必要な家臣を連れて行くが良い。物資も必要数はこちらで用意する。もっともそれに見合う成果を出さなければ、支援も打ち切る。良いな? しかし、成果をあげたのならお家再興の機会を与えよう」
「ははっ! ご温情痛み入ります」
果たしてこれが本当に温情なのだろうか?
ただ、家の繁栄と存続を考える戦国武将ならでは、か。
実際一族郎党皆首を切られるなんて、この時代では良くある話だし。
何となく秀次叔父上の方を見てしまう。
「と、殿、某に何か?」
秀次叔父上が突然の事に狼狽する。
なんとなく、生きていてよかったね、と心の中で呟き一呼吸吐く。
「さて、家康に味方したものは全員改易とする。しかし、皆かつては豊臣のために働いてくれたのだから、一年ほど暮らすに十分な財貨を与えた上で放逐する。また、どの家も彼等を雇い入れることを認め、その後の処遇も各家に任せるものとする。つまりはやり直しだ」
忠勝とか正信とか一番人気なんだろうな。
ドラフトでもするか?
って、秀忠が連れて行こうとするに決まっているか。
謁見の間から出て行く諸将を見ながら、何人かうちで引き取れないかなぁなんて考える。
取り敢えず初叔母上の手前、京極高次だけでも引き取ることにしよう。
それに飛び地も多くなるから、代官としてそれなりの人材を確保したいし・・・・・・
まぁ、五大老や五奉行に相談した時にいろいろと紹介された者達に手紙を出すことにしよう。
もしも断られても、豊臣家を恨むのなら仕方のないことだしね。
「殿、お見事でございました」
「うん。さて、そろそろ恩賞の発表としようか」
さて、こちらが割と問題かもしれない。
七将軍は全員加増ではあるものの正則・清正・嘉明・長政が転封となる。
特に長政は父親の如水が恩賞を断った分、上乗せとなり、所領が倍以上になる。
果たして大丈夫だろうか・・・・・・って、如水のことだし心配ないか。
「皆、良くやってくれた。三成、発表せよ」
「ははっ!」
戦功に対してそれぞれ加増、もしくは金銭による恩賞を申し付ける。
(加増幅などは章末の雑談にて!)
ただし、加増される者のうち、先程の4人は転封。
その中でも正則は少し苦々しい顔をする。
まぁ、そんな事は分かっていた。
だから前もって正則と話しておいたし、その意義も理解してくれている。
正則は「某、寒いのが苦手でして」と頭を掻いていたが、それは慣れてもらうしかない
それに、これは遅くなっていた三成襲撃事件の罰ということにしておいた。
傍目からして見れば罰でも何でもないが、そう言われれば正則も嫌とは言えない。
正則には出羽国(今の福島・米沢の辺り)にて40万石の主となり、東北の大名と言うかはっきり言えば伊達の見張りとなってもらう。
次に清正には武蔵(東京)を中心とした50万石の主として関東の復興に当たってもらう。
嘉明には相模(小田原)を中心とした20万石。
そして長政には正則のいた尾張(名古屋)を中心に40万石。
加増数は長政が一番になる。
これは二番功だった如水が褒美を辞退したからであり、急げば一週間で往復できる尾張に相談役である如水を置きたかったと言う俺の我儘も含まれている。
おまけに尾張は信長公や父上の出身地。
豊臣家にとっても非常に重要な意味がある。
因みに加増数二番は佐竹で18万石。
蒲生の領地をそのまま引き継ぐこととなるが、落城した水戸城などを考えると復興に手がかかるだろう。
そうそう、加増はしていないものの、堀家がいなくなったことと出羽に領地を確保するために上杉家を越後に移動したことで、景勝は謙信から引き継いだ春日山城に本拠を移した。
これには単純な加増以上に喜び、何度も礼を言われてしまった。
正史の関ケ原と違い、大大名の取潰しや厳封が家康のみだったこと。
かなりの短期決戦で終わったため、活躍した者が少なかったことで、加増幅は大したことのない結果となっている。
しかし、予定通り七将に力をつけ、各地の大名の監視役とする手配は出来た。
「そうだ。昌幸」
「っ!? ははっ!」
想定外に声をかけられて昌幸も戸惑ったようだ。
「信繁を正式に俺の旗本にしたい。家康への突撃は本当に見事だったからな。大幅な加増で大変とは思うが、何とか頼む」
「もったいなきお言葉。直ぐにでもこちらに向かわせまする」
「頼む。真田家とは別に3万石の知行で迎えると伝えてくれ」
「な、なんと! 有り難きお言葉!」
あの時、俺と如水が忠勝の攻めに死を覚悟した時。
如水に引き付けが不十分と言われていたにもかかわらず、遥かに予測を越えた速度で家康を追い詰めて見せた。
その力を見込んだというわけだ。
まぁ、俺としては真田幸村としての活躍を知っていたと言うのもあるけれど。
大幅に大きくなった豊臣家ならもっと大勢の家臣を新しく雇えるが、敢えてあまり増やさない方が今後の朝鮮の役の恩賞などにも使えるのでそのままにする。
その分、五奉行とかは大変だろうけどw
「では、解散!」
正直、子供の体力では大分疲れ切ってしまった。
マイエンジェルに癒してもらいたいところだけど・・・・・・。
しばしの親子の別れを邪魔するほど俺も鬼じゃない。
「はあぁぁ、なんか、勝ったのにそんなに嬉しくないなぁ」
「秀頼様」
天守で一人溜め息を吐いていると、後ろから桜に声をかけられる。
城に帰ってからも3日に一度くらいは抱いているが、最近は忙しかったうえに浅井三姉妹を抱いたせいで七日くらい抱いてない。
きっと疼いてきたのだろう。
「いえ、違います」
「桜、勝手に人の心を読むな。で?」
「はい。お暇をいただきに――」
「却下!」
もちろん即答だ。
「そう仰ると思っていました。では、共に来ていただけませんか?」
「・・・・・・どういうこと?」
「その、少し里に用があるのですが、一度養成所をお見せしようかと。可愛い女の子がいっぱいですよ?」
「おお! でも、どういう用事?」
桜がそういう誘いをしてくるのは初めてだ。
はぁ、と諦めた様な声を出し、桜が白状する。
「その、生理が・・・・・・来ません」
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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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