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江戸城陥落
大奥は出来ませんでした(エロ度★☆☆☆☆)
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諸大名への褒賞や罰はしばらく先になる。
と、言うのも東北の勢力が未だ平定されていないのだ。
ただし、清正の1万5千と、伊達の3万で十分に平定可能。
したがって諸大名は2か月後に大阪城に集合ということでさっさと地元に帰した。
長く遠征すればそれだけで疲弊するのは分かりきっているので、皆大人しく帰って行った。
「それにしても家康の助命嘆願は多かったな」
「まぁ、某の倅も含めて婚姻外交が多かったですからな」
「あ、確かに長政からも言われてた」
そもそも殺す気が無い俺にとってはいくら殺さないでくれと言われても、最初からそのつもりだけどって感じだ。
とはいえ、三成を始めとした五奉行や六大老の中には絶対に殺すべき、と息巻いている者も多い。
いや殺すつもりは無いんだけどね。
「如水、いまさら家康の命って重要なのか?」
酷い聞き方ではあるが、正直な気持ちでもある。
もっとも配下としてあの辣腕を振るってくれるなら、もちろん俺もうれしいけれど・・・・・・
「ふむ。徳川殿をどうするか。まさに殿が今後、日の本をどうしていくのかを見られているとお考えください」
「ど、どういうこと?」
「つまり、裏切りは許さずと処断するなら、今までと同様の政治。流罪なら罰則があまくなったと感じられ、もしも許されるのなら順法精神の崩壊を意味します」
「そこまで大ごとなのか!? 因みに取り込むと言うのは?」
「お止めになった方がよろしいでしょう。一度裏切った者は結局信を置けぬものです。それがどんなに優秀な者でも、いえ、下手に優秀だからこそ、最後に信を置けないから何も任せられない。そう言ったものです」
「いや、最初から流刑にしようと思っていたんだけど」
「ふむ、徳川家への処置も含め、少々甘いかと存じますが、まぁ、そのあたりは五奉行の方々と相談していただければと思います」
まぁ、そうだな。
相談役とは言え、如水と2人だけですべて決めてはいけない。
仕置きや褒章について考え、上の空で歩いていると、ちょうど廊下を歩いていた時に声をかけられる。
「秀頼様、お久しゅうございます」
小さな女の子を連れた女性は江。
母上に似ていることもあり、しばらくぶりではあってもすぐに分かった。
と、言うことは女の子の方は千姫か?
確か、今年で四歳。
・・・・・・か、可愛い!
いや、性的な意味合いは全くなくね。
本当に天使のような女の子だ。
「少し、お話しさせていただけませんか?」
「もちろんです。江伯母上。私でよろしければいくらでも時間を取りましょう」
うーん、叔母とはいえまだ30前。
全然いけるというか、超ウェルカム。
ていうか母上と姉妹丼にしたいなぁ。
まぁ、その深刻そうな表情を見ればそんなことを言える雰囲気ではない。
・・・・・・そう言えば初伯母上も相当な美人。
美熟女3姉妹丼! 新しいな!
「叔母、と思ってくれるなら頼みたいことがあります。夫の命を助けてはいただけませんか?」
「え? 良いですよ? というか、江戸城の開城条件で助けることになってますけど?」
こっちの妄想などに気付くこともなく夫の助命嘆願。
本当に殺す気はなかったので、即答してあげる。
松姫の時と対応が違うのは、さっきから俺の天使が無垢な瞳で見てくるからだ。
ちょっと、何と言うかエロイこと考えるのが恥ずかしい。
「し、しかし、その条件を受け入れた後に義父上と戦闘が――」
「あの条件を飲んだ瞬間、家康と秀忠のつながりは無くなったのです。俺はそう考えています」
スッと千姫と目線を合わせてニコリと微笑む。
「千姫、お菓子食べる?」
「・・・・・・うん!」
蕩ける様な笑顔を返してくる。
それは秀忠を殺さないという言質を取り、母の気が和らいだからかもしれない。
掌に載せた金平糖を見せれば、何色にしようかとあれこれ迷っている。
正直全部あげるのだが、ちょいちょいと選んでいる姿も愛らしいのでそのまま眺めている。
「秀頼様、もう一つお願いが」
「ん? 何です?」
「開城条件に私と夫の離縁が入っていたとか」
「そうですね。蝦夷は厳しい土地ですから、伯母上や千姫が辛い目に会わない様にと思いまして」
「・・・・・・出来れば私だけでも共に行かせてほしいのです」
金平糖を選んでいた千姫の手が止まる。
「言ったでしょう? 厳しい土地なんです」
「構いません。いえ、厳しい土地だからこそ支えたいのです。私達の母上も二人目には最後まで付き添いたいと言って逝かれました。ですが、千と珠はまだ幼い。秀頼様、どうか千と珠を預かってはいただけませんか? 完子も預けたままだと言うのに厚かましいとは思いますが」
千姫は弱みを見せぬようにキュッと金平糖を握りしめる。
たったの4歳で親元から離されると言うのに、それに耐えようとしているのだろう。
もちろん、乳母はついてくるのだろうけど・・・・・・
「しかし・・・・・・千姫は一緒に行きたがっているのでは?」
「厳しい土地であるなら、このような幼子は生きて行けるか分かりませぬ」
確かにそうだ。
この時代、ろくすっぽ暖房設備が無く、-30度の世界になることがあるのが蝦夷の大地。
こんな小さな子では途中で死ぬ可能性は低くはないだろう。
「母上の養女にしてもらえるように掛け合っておきます。伯母上、本当に行かれるので?」
「はい。これは浅井の女の意地です」
ならば、仕方ない。
たったの4歳だと言うのに、言っていることをすべて理解しているかのような千姫は、俯いたままで顔を上げようとしない。
「千姫。これは全部あげる。それに大阪にはいっぱい美味しいものがあるから一緒にいろんなものを食べようね?」
「・・・・・・あの!」
4歳とは思えない何かを決心したような声で俺の手を掴んだままで千姫が叫ぶ。
「わたしなんでもする。ははぅえをたすけて」
真っすぐな瞳にドキリとする。
たったの4歳。
生後2年と少し。
「・・・・・・千姫。いいよ。千姫の母上を助けてあげる。これから俺は千姫の兄上だからね」
お兄ちゃんも捨てがたいけれど・・・・・・。
時代的に兄上でしょう!
「あにうぇ?」
「そう。困ったことは何でも俺に言いなさい」
「あい!」
エンジェリックスマイルに心を蕩けさせる。
まだ母上の許可はとっていないが、なに、完子の例もある。
「叔母上、どちらにしても一度大阪で母上に会ってから行かれませんか? どちらにせよ、皆一度評定のために大阪に集めますので」
「そうですね。そうさせていただきます」
千姫にすっかり毒気を抜かれてしまったが、野望は尽きない。
どうやって初叔母上を巻き込むかが問題だが・・・・・・
と、言うのも東北の勢力が未だ平定されていないのだ。
ただし、清正の1万5千と、伊達の3万で十分に平定可能。
したがって諸大名は2か月後に大阪城に集合ということでさっさと地元に帰した。
長く遠征すればそれだけで疲弊するのは分かりきっているので、皆大人しく帰って行った。
「それにしても家康の助命嘆願は多かったな」
「まぁ、某の倅も含めて婚姻外交が多かったですからな」
「あ、確かに長政からも言われてた」
そもそも殺す気が無い俺にとってはいくら殺さないでくれと言われても、最初からそのつもりだけどって感じだ。
とはいえ、三成を始めとした五奉行や六大老の中には絶対に殺すべき、と息巻いている者も多い。
いや殺すつもりは無いんだけどね。
「如水、いまさら家康の命って重要なのか?」
酷い聞き方ではあるが、正直な気持ちでもある。
もっとも配下としてあの辣腕を振るってくれるなら、もちろん俺もうれしいけれど・・・・・・
「ふむ。徳川殿をどうするか。まさに殿が今後、日の本をどうしていくのかを見られているとお考えください」
「ど、どういうこと?」
「つまり、裏切りは許さずと処断するなら、今までと同様の政治。流罪なら罰則があまくなったと感じられ、もしも許されるのなら順法精神の崩壊を意味します」
「そこまで大ごとなのか!? 因みに取り込むと言うのは?」
「お止めになった方がよろしいでしょう。一度裏切った者は結局信を置けぬものです。それがどんなに優秀な者でも、いえ、下手に優秀だからこそ、最後に信を置けないから何も任せられない。そう言ったものです」
「いや、最初から流刑にしようと思っていたんだけど」
「ふむ、徳川家への処置も含め、少々甘いかと存じますが、まぁ、そのあたりは五奉行の方々と相談していただければと思います」
まぁ、そうだな。
相談役とは言え、如水と2人だけですべて決めてはいけない。
仕置きや褒章について考え、上の空で歩いていると、ちょうど廊下を歩いていた時に声をかけられる。
「秀頼様、お久しゅうございます」
小さな女の子を連れた女性は江。
母上に似ていることもあり、しばらくぶりではあってもすぐに分かった。
と、言うことは女の子の方は千姫か?
確か、今年で四歳。
・・・・・・か、可愛い!
いや、性的な意味合いは全くなくね。
本当に天使のような女の子だ。
「少し、お話しさせていただけませんか?」
「もちろんです。江伯母上。私でよろしければいくらでも時間を取りましょう」
うーん、叔母とはいえまだ30前。
全然いけるというか、超ウェルカム。
ていうか母上と姉妹丼にしたいなぁ。
まぁ、その深刻そうな表情を見ればそんなことを言える雰囲気ではない。
・・・・・・そう言えば初伯母上も相当な美人。
美熟女3姉妹丼! 新しいな!
「叔母、と思ってくれるなら頼みたいことがあります。夫の命を助けてはいただけませんか?」
「え? 良いですよ? というか、江戸城の開城条件で助けることになってますけど?」
こっちの妄想などに気付くこともなく夫の助命嘆願。
本当に殺す気はなかったので、即答してあげる。
松姫の時と対応が違うのは、さっきから俺の天使が無垢な瞳で見てくるからだ。
ちょっと、何と言うかエロイこと考えるのが恥ずかしい。
「し、しかし、その条件を受け入れた後に義父上と戦闘が――」
「あの条件を飲んだ瞬間、家康と秀忠のつながりは無くなったのです。俺はそう考えています」
スッと千姫と目線を合わせてニコリと微笑む。
「千姫、お菓子食べる?」
「・・・・・・うん!」
蕩ける様な笑顔を返してくる。
それは秀忠を殺さないという言質を取り、母の気が和らいだからかもしれない。
掌に載せた金平糖を見せれば、何色にしようかとあれこれ迷っている。
正直全部あげるのだが、ちょいちょいと選んでいる姿も愛らしいのでそのまま眺めている。
「秀頼様、もう一つお願いが」
「ん? 何です?」
「開城条件に私と夫の離縁が入っていたとか」
「そうですね。蝦夷は厳しい土地ですから、伯母上や千姫が辛い目に会わない様にと思いまして」
「・・・・・・出来れば私だけでも共に行かせてほしいのです」
金平糖を選んでいた千姫の手が止まる。
「言ったでしょう? 厳しい土地なんです」
「構いません。いえ、厳しい土地だからこそ支えたいのです。私達の母上も二人目には最後まで付き添いたいと言って逝かれました。ですが、千と珠はまだ幼い。秀頼様、どうか千と珠を預かってはいただけませんか? 完子も預けたままだと言うのに厚かましいとは思いますが」
千姫は弱みを見せぬようにキュッと金平糖を握りしめる。
たったの4歳で親元から離されると言うのに、それに耐えようとしているのだろう。
もちろん、乳母はついてくるのだろうけど・・・・・・
「しかし・・・・・・千姫は一緒に行きたがっているのでは?」
「厳しい土地であるなら、このような幼子は生きて行けるか分かりませぬ」
確かにそうだ。
この時代、ろくすっぽ暖房設備が無く、-30度の世界になることがあるのが蝦夷の大地。
こんな小さな子では途中で死ぬ可能性は低くはないだろう。
「母上の養女にしてもらえるように掛け合っておきます。伯母上、本当に行かれるので?」
「はい。これは浅井の女の意地です」
ならば、仕方ない。
たったの4歳だと言うのに、言っていることをすべて理解しているかのような千姫は、俯いたままで顔を上げようとしない。
「千姫。これは全部あげる。それに大阪にはいっぱい美味しいものがあるから一緒にいろんなものを食べようね?」
「・・・・・・あの!」
4歳とは思えない何かを決心したような声で俺の手を掴んだままで千姫が叫ぶ。
「わたしなんでもする。ははぅえをたすけて」
真っすぐな瞳にドキリとする。
たったの4歳。
生後2年と少し。
「・・・・・・千姫。いいよ。千姫の母上を助けてあげる。これから俺は千姫の兄上だからね」
お兄ちゃんも捨てがたいけれど・・・・・・。
時代的に兄上でしょう!
「あにうぇ?」
「そう。困ったことは何でも俺に言いなさい」
「あい!」
エンジェリックスマイルに心を蕩けさせる。
まだ母上の許可はとっていないが、なに、完子の例もある。
「叔母上、どちらにしても一度大阪で母上に会ってから行かれませんか? どちらにせよ、皆一度評定のために大阪に集めますので」
「そうですね。そうさせていただきます」
千姫にすっかり毒気を抜かれてしまったが、野望は尽きない。
どうやって初叔母上を巻き込むかが問題だが・・・・・・
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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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