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関東征伐
秀頼、号令を発す(エロ度☆☆☆☆☆)
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「では、徳川家康に二心ありと判断する。諸大名にはこれを討伐するための派兵を命じる」
謁見の間にいる諸将が平伏する中で、七将軍の任命と今回の騒動の仕置き、文治派の朝鮮の仕置きを終わらせ、最後に徳川家康の征伐を決めた。
おねは七将軍の任命までは喜んでいたが、流石に徳川家康の征伐には微妙な表情をしていた。
「如水、陣容の説明を」
事前に聞いている如水のプランを聞く。
北条征伐の様に、今回の戦は日の本中に豊臣の威光を示す目的もある。
単純に勝てばいいのではない。
圧倒的な勝利が求められる。
それがあって初めて朝鮮攻めに繋がるのだ。
「先ず、東から伊達・最上・佐竹・南部・津軽・蒲生。
北より上杉・前田・真田・堀・丹羽。
南より海路にて島津・長曾我部を始めとした九州・四国勢。
最後に陸路にて西から毛利・宇喜多・増田・長束・石田・浅野といった諸将。
後詰めとして総大将である殿と秀次様。なお、殿の軍は某と七将軍が担わせていただきます」
そう、俺は後詰めの役。
如水が言うには総勢四〇万近くの大軍勢になるとのことだ。
これでも良いと思うのだが、如水によるとまず間違いなく異議が上がる。
もはや決まりごとの様なものだということだけど。
次に芝居を打たなければいけないと思うと気が重い。
「秀頼様! 某に先駆けの栄光をいただきたく!」
「「「「是非某にも!」」」」
次々と手が上がる。
さて、ここで七将軍全員が手を上げると思いきや・・・・・・。
忠興、だけが手を上げない、か。
先程の話でもそうだったが、いろいろと含むところがありそうだ。
ともすると、細川家の所領は丹後国、京にも大阪にも近い。
背かれれば非常にまずい。
それに既に隠居している細川幽斎も怖い存在だ。
「それでは七将には別々の進路の先駆けとなってもらおうか。まず東には清正、北には長政、南に秀秋と嘉明、西に正則と輝政、後詰め部隊には忠興に参加してもらおう。それぞれ俺の直轄領から如水の指示に従い、兵を集めよ」
「「「「「「「ははぁっ!」」」」」」」
これで、後は誰が徳川の味方をするか、だ。
そのままなら間違いなく勝てるだろう。
でも、難所も二つある。
小田原城と江戸城の二つ。
特に小田原攻めは西側の初手になることもあり、時間をかければ全体の士気に関わるかもしれない。
「一つよろしいですか? 徳川殿は婚姻外交により諸将と関係を深めています。これを無視しては足元をすくわれかねないかと」
前田玄以が余計なことを言いだす。
それはもちろん分かっているけど、それは此処にいる清正や長政ですら同じことだ。
あと有力なところでは(伊達)正宗などだが、とりあえず此処にいる者を批判している様に見えてしまう。
「それは某のことを言っているのか!?」
清正が怒髪天で立ち上がる。
やはり文治派と仲が良くはならない、か。
「玄以、何処までも疑っていては仕方がない。婚姻自体は決して悪くはないのだ。それを勝手に行ったから問題だと言っている。今後気を付けてくれればいい。しかし、家康は皆の規範となるべき六大老筆頭。他と同じと言うわけにはいかない」
「・・・・・・はっ!」
「他に意見が無ければ各々国元に帰り支度をはじめてくれ。如水は此処にいない各地の将に檄を。準備が出来るまでの一月ほどを家康に最後通告までの猶予とする。では、皆よろしく頼むぞ!」
一同が平伏す中を突っ切る。
自分の部屋に向かう間、密かに手が震えていた。
天下への大号令。
自分の声一つで40万の兵が人を殺しに動く。
豊臣の直轄領からだけでも約10万が動員され、江戸に向かう。
フフ、凄まじいものだ。
本来なら俺が号令を発した時点で同行する必要すらないのだけれど、むしろ見たい気持ちの方が大きいのかもしれない。
40万の大軍勢で江戸城を囲み、攻撃する。
クク、なんと言うドS。
部屋の前に着くと、侍女が戸を開けてくれる。
・・・・・・あ。
「戻りましたね、秀頼」
今、この日本で俺のことを面と向かって呼び捨てにする人間など二人しかいない。
一人は謁見の間においてきたおね。
まぁ、もう一人がこの泣き腫らした真っ赤な目で俺を睨みつける母上。
あ~、そう言えば連絡もなく出て来てしまったんだった。
・・・・・・ご心配、おかけしました。
「は、母上、今日もお綺麗で!」
「そこに直りなさい!!」
所詮、天下人も只の人の子。
母親に勝てるはずなど無い。
謁見の間にいる諸将が平伏する中で、七将軍の任命と今回の騒動の仕置き、文治派の朝鮮の仕置きを終わらせ、最後に徳川家康の征伐を決めた。
おねは七将軍の任命までは喜んでいたが、流石に徳川家康の征伐には微妙な表情をしていた。
「如水、陣容の説明を」
事前に聞いている如水のプランを聞く。
北条征伐の様に、今回の戦は日の本中に豊臣の威光を示す目的もある。
単純に勝てばいいのではない。
圧倒的な勝利が求められる。
それがあって初めて朝鮮攻めに繋がるのだ。
「先ず、東から伊達・最上・佐竹・南部・津軽・蒲生。
北より上杉・前田・真田・堀・丹羽。
南より海路にて島津・長曾我部を始めとした九州・四国勢。
最後に陸路にて西から毛利・宇喜多・増田・長束・石田・浅野といった諸将。
後詰めとして総大将である殿と秀次様。なお、殿の軍は某と七将軍が担わせていただきます」
そう、俺は後詰めの役。
如水が言うには総勢四〇万近くの大軍勢になるとのことだ。
これでも良いと思うのだが、如水によるとまず間違いなく異議が上がる。
もはや決まりごとの様なものだということだけど。
次に芝居を打たなければいけないと思うと気が重い。
「秀頼様! 某に先駆けの栄光をいただきたく!」
「「「「是非某にも!」」」」
次々と手が上がる。
さて、ここで七将軍全員が手を上げると思いきや・・・・・・。
忠興、だけが手を上げない、か。
先程の話でもそうだったが、いろいろと含むところがありそうだ。
ともすると、細川家の所領は丹後国、京にも大阪にも近い。
背かれれば非常にまずい。
それに既に隠居している細川幽斎も怖い存在だ。
「それでは七将には別々の進路の先駆けとなってもらおうか。まず東には清正、北には長政、南に秀秋と嘉明、西に正則と輝政、後詰め部隊には忠興に参加してもらおう。それぞれ俺の直轄領から如水の指示に従い、兵を集めよ」
「「「「「「「ははぁっ!」」」」」」」
これで、後は誰が徳川の味方をするか、だ。
そのままなら間違いなく勝てるだろう。
でも、難所も二つある。
小田原城と江戸城の二つ。
特に小田原攻めは西側の初手になることもあり、時間をかければ全体の士気に関わるかもしれない。
「一つよろしいですか? 徳川殿は婚姻外交により諸将と関係を深めています。これを無視しては足元をすくわれかねないかと」
前田玄以が余計なことを言いだす。
それはもちろん分かっているけど、それは此処にいる清正や長政ですら同じことだ。
あと有力なところでは(伊達)正宗などだが、とりあえず此処にいる者を批判している様に見えてしまう。
「それは某のことを言っているのか!?」
清正が怒髪天で立ち上がる。
やはり文治派と仲が良くはならない、か。
「玄以、何処までも疑っていては仕方がない。婚姻自体は決して悪くはないのだ。それを勝手に行ったから問題だと言っている。今後気を付けてくれればいい。しかし、家康は皆の規範となるべき六大老筆頭。他と同じと言うわけにはいかない」
「・・・・・・はっ!」
「他に意見が無ければ各々国元に帰り支度をはじめてくれ。如水は此処にいない各地の将に檄を。準備が出来るまでの一月ほどを家康に最後通告までの猶予とする。では、皆よろしく頼むぞ!」
一同が平伏す中を突っ切る。
自分の部屋に向かう間、密かに手が震えていた。
天下への大号令。
自分の声一つで40万の兵が人を殺しに動く。
豊臣の直轄領からだけでも約10万が動員され、江戸に向かう。
フフ、凄まじいものだ。
本来なら俺が号令を発した時点で同行する必要すらないのだけれど、むしろ見たい気持ちの方が大きいのかもしれない。
40万の大軍勢で江戸城を囲み、攻撃する。
クク、なんと言うドS。
部屋の前に着くと、侍女が戸を開けてくれる。
・・・・・・あ。
「戻りましたね、秀頼」
今、この日本で俺のことを面と向かって呼び捨てにする人間など二人しかいない。
一人は謁見の間においてきたおね。
まぁ、もう一人がこの泣き腫らした真っ赤な目で俺を睨みつける母上。
あ~、そう言えば連絡もなく出て来てしまったんだった。
・・・・・・ご心配、おかけしました。
「は、母上、今日もお綺麗で!」
「そこに直りなさい!!」
所詮、天下人も只の人の子。
母親に勝てるはずなど無い。
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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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