関白の息子!

アイム

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秀頼と申します。

天下の景色(エロ度☆☆☆☆☆)

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(※すいません。おねは名古屋弁で通したかったのですが、良く分からないので標準語に戻します)

「どうです、拾丸。壮観でしょう?」

 何を言われるかとビクビクしていると、天守からの一望を見ながらおねはそう言った。

 眼下に広がる景色はかつて見たものと大差はない。
 街往く無数の人々で活気に満ち、良くは見えないがほとんどの人が笑っているように思える。

 店先に水を撒く女性、井戸端会議に勤しむおばさん達、無邪気に走り回る少女。
 ・・・・・・ま、男はどうでも良いけどね。

「あい」

「これより女の子の方が良いのですね?」

「・・・・・・あ、あい」

 もしかして、この間言ったの聞えてた?
 いや、これはこれでもちろん凄い景色なんだよ?

 結局見るのは女の子だけどねw

「拾丸、この大阪にどれだけの民がいるか分かりますか?」

「・・・・・・んにゃっ」

「全員合せると40万人もいるそうです。この目に見える範囲に40万人が暮らしているのです」

「あぅぅ」

「しかし、日の本ともなれば、どれだけ高い山の上からでも見えないほど遠くまで人々が住み、人の数など数え切れません。拾丸や、貴方はそれを継ぐのです。今は分からなくて良い。婆のたわ言と聞き流せばいい。でもね、覚えておいで貴方から見えない者達も、何時も貴方を見ている。それが天下人というものです」

 城下に指を指し示しながら、おねが優しく教えてくれる。

「フフ、それにね、あの人達にはああして怒って見せたけど、本当は何も怒ってないんです」

「あい?」

 城下を見ていたおねの目が、俺の方に向けられる。
 全てを包み込む聖母の様な微笑み。

「でも、あんな立場になれば、なかなか怒ってくれる者もいなくなるでしょう? 天下人とは言え人間なのですから、人間として扱われる時も必要なのです」

「あい」

「拾丸や、お前の母が嘆いておりましたよ? 父上とどこかに行きたそうにずっとそわそわしていると。忘れてはいけないよ? 産まれついての天下人のお前には、秀吉様にとっての私の様な存在はなかなか巡り合えない。母様を大事におし? そうしなければお前は天下人にはなれても、人間に戻れない」

 とても2歳児に話す内容ではない。
 でも、俺の今後を思って言ってくれたのであろうその慈愛に満ちた言葉は、深く心に刺さった。

「それとね、女で遊ぶのも、失敗するのも、若いうちに存分に経験しなさい。歳をとってからじゃ遅いこともある。でもね、幾らなんでも早すぎる。そう言ったことは元服してからにおし! 元服してからなら、茶々殿を説得するのを手伝いますよ?」

「あい!」

「フフ、良い子ですね。さて、来たようですね、私の子供達が」

 振り返ると、階段を昇ってくる父上と清正の姿が見える。

「お前様、年甲斐もないことをして! 腹上死でもなさるおつもりですか! せっかく念願の跡継ぎが出来たというのに、お前様がこの子が大人になるまで支えてやらんでどうするんです!」

「う、うむ。そうじゃな、反省しとる」

 父上がシュンとなってしまう。
 やっぱりおねは凄い!

「虎介? 身体ばかり大きくなって、やることは悪ガキの頃と変わりませんね? 一体どんなつもりなのです? 九州で大名になり、朝鮮で戦功を立てたと聞いた時には、私はそれは嬉しかったと言うのに、何も成長していなかったのですか?」

「い、いえ。そ、その、領民のために頑張ればこそ、たまには、息抜きも・・・・・・」

「言い訳しなさいますな!」

「はい! ごめんなさい!」

 こうなっては肥後の虎も片無しだ。
 たしか、母親が婆様(秀吉の母親)と遠縁で10代の頃に父上の小姓になったんだったか?

「カッカ、情けないのう。虎よ」

「お前様!」

「あ、はい、すいません」

 巨大な大阪城の天守で、天下人が誰よりも小さくなる。
 やはりおねは天下人の妻。

 言われたことを胸に元服までは俺も悪さをしないと誓う。
 なに、戦国の元服など早いものだ12・3歳、あと10年といったところだろう。

 それまでには自分の足でこの景色を見ているさ。










「とよとみのとうきちろうひでよりにごじゃいます」

 舌っ足らずに真新しい自分の名前を叫ぶ。
 髷も初めて結ったが、こんなに痛いものか?

「うむ! 豊臣藤吉郎秀頼。精進せい! ハッハッハ。今日は良き日じゃぁ!」

 父上のご満悦の声が禁裏に響きわたる。
 しかし、元服まではおいたはしないと誓ったのに・・・・・・

 まさか、たった1年後とは・・・・・・

 たったの3歳(満2歳)で元服するとは思わなかった。
 歌舞伎とかで子供を披露することがあるけれど、流石にこんなに早くはないはずだ。

 臨席しているおねも母上も随分微妙な顔をしている。
 嬉しくないわけじゃないんだけど、幾らなんでも早すぎると言う顔。

 でもまぁ、これで秀頼は遊んでも良いんだよNE☆


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新作「プニプニホッペの魔王様」を連載し始めました。ご一読いただけると幸いです。……ただ、あれは女性目線の小説に挑戦してみたというものなので、こっちの雰囲気は一切関係ないですけどw
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