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*7.BLゲームの世界が本領を発揮してきた件。*
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*今回のお話も、訳あってキツめの描写があります。
*苦手な方はお気をつけください。
*大丈夫な方だけ、スクロールしてお読みください。
容赦のない陵辱、逃げ場のないその暴力にさらされ、心は徐々にすり減っていく。
そんな卑劣な行為に屈したりはしない、そう思っていたのに……。
だけどいちばん俺の心を打ちのめしてきたのは、こちらのからだの変化だった。
クソ、なんなんだよ!?
さっきから、好き勝手されてるだけだってのに、着実に痛いとか苦しいとかだけではないなにかが蓄積されていく。
こんなところでBLゲームの世界ゆえの補正なんて、かかる必要ないってのに……!
なのにさっきから、ときおりそこをかすめるたびに、ビクビクと勝手にからだがハネる。
気づかないふりをしてやりすごそうとして、ギュッと目をつぶったところで、あまり意味はなかった。
それどころか目をつぶったことで、逆にからだの感覚は鋭敏になり、己を無理やりに暴く相手のモノをありありと実感してしまう。
くちびるもギュッと噛みしめていなければ、泣きごとが口からもれてしまいそうだった。
なのに。
「……なぁ、冬也くん、好きでもない男に犯される気持ちはどうだ?くやしいか?なぁ、くやしいだろ!?」
「っ、こんなことで……、それであなたは満たされるんですかっ!」
鷲見社長に話しかけられ、くやしいからこそ、精一杯の虚勢を張る。
肌と肌を打ちつけ合う音と、ぬかるむそこを穿つ際の粘着質な水音と。
その両方が耳からも俺を責め立て、プライドをへし折ろうとしてきていた。
「あぁ、もちろんたまらないよ。なんたって今、私の下であえいでいるのは君だからね。ずっとお高く止まった君のことを、こっちまで引きずりおろしてやりたかった」
こたえる鷲見社長の顔は、たしかにその言葉どおりに楽しげに見えた。
「あえいでなんていない!」
「ほう?ならばさっきから、ここをえぐるたびになかをヒクつかせていたのは、どういう意味なんだ?」
「ひっ!あっ、や、ヤメ……っ!」
とっさにはずかしさのあまりに言いかえしてしまってから、やぶへびだったかと顔を青ざめさせる。
鷲見社長はそんな俺の様子に、にんまりと笑うと狙ってそこばかりをえぐってくる。
そのたびに俺の口からは、こらえきれない嬌声がもれた。
「ハハッ、多少は効いてきたのかな、媚薬入りローションが」
「なにを……っ!?」
「言っただろう、私はこれまでも『気にくわないマダムや変態オヤジどもの相手をさせられた』と。意に染まぬ相手とするために、ここには無理やりにからだを昂らせるヤツを置いてあるのさ」
なんだよそれ、違法なヤツとかじゃないよな!?
媚薬入りのローションとか、現実にあったところで、あんまり効果なんてないもんじゃないのか?
いわゆるプラセボ効果で、『媚薬を飲ませた』と使用者に告げることにより気分を盛りあげるためだけのものだと思っていたけれど……。
「効果のほどは、この私で実証済みだよ?だからほら、君だって気持ちよくなってきただろう?」
「や、あぁっ!」
ドクン、とその一点をかすめたとたんに大きく心臓が脈打った。
気がつけば口からは相手の言うとおり、あえぎ声があがっていた。
「あぁ、いい声だ……たまんねぇな、ふだんから聖人君子のようなツラしてるヤツを堕としてやる瞬間ってのは……」
「うっ、ひ、あぁ……っ!」
そこばかりを狙って責め立てられれば、さっきまではクッタリとしていたそれは芯をもちはじめ、こちらの声にも艶が混ざりはじめる。
「~~~くぅっ!!」
やがてガツガツと腰を打ちつけていた鷲見社長が背中を丸め、その熱をなかへと吐き出した。
とたんに広がるそのあたたかな感触は、俺にとっては絶望的なまでの屈辱感をあたえてきた。
それにこちらは、いくら媚薬の効果があろうと、さすがに後ろを使うのははじめだから、前への刺激なしにはイけそうにない。
中途半端に張りつめた前が、少し切なかった。
……でもそんなことよりも、相手がこれで満足したのなら解放してくれるはず……そう思ったのもつかの間だった。
「まさか、これで終わるなんて思っちゃいないよな?」
「え……?」
吐精し、一度は萎えたはずの相手のそれは、引き抜かれることもなく、ふたたび硬度を取りもどしていく。
「なん、で……っ!?」
「あたりまえだろ、こんな程度じゃ、私の恨みは晴れやしない!」
「や、やめ……っ!」
そして必死に身をよじって逃げ出そうとする俺の腰をつかむと、ふたたび律動が開始された。
「いいか、私は!君に負けたくなくて、ずっと努力をしてきたんだ!それこそ権力者にすり寄るために、この身だって、金だって、使えるものはすべて道具にしてきた!」
ガツガツと腰を打ちつけて犯しながら、俺を楽しげに見下ろしていたはずの鷲見社長は、しかし次の瞬間には見開いた目を血走らせ、激昂した様子で正気を失いかける。
「鷲見、社長……」
さっきから、ちっとも安定しない相手の感情は、両極端に振りきれている。
俺にたいする憎しみであふれているだけかとも思ったけれど、それだけではないようにも見えた。
「私がやむなく枕営業を重ねている隙に、君はそんな風に身を汚すこともなく会社を成長させ、押しも押されもせぬ地位を築いてしまった……世間ではさんざん『稀代のイケメン社長』だなんだともてはやされて、なのにそれをよろこぶでもなく淡々と受け流している……」
たぶんそれは単純に、このポーカーフェイスのせいで、周囲の人から内面が読み取られにくいだけの話だ。
「くやしかったよ!君が私とおなじ大学の出身だったことも、余計に私をみじめにさせた。学閥の諸先輩方の対応が、私と君とで全然ちがうのを知っていたかい?」
「いや、それは……」
さすがにそれは俺も初耳だった。
たしかに政財界にはおなじ大学の出身というだけで、やけに親身になってくれて、話のとおりが早い相手は多数いたけれど、それは自分が彼らにとっては活躍めざましく、見ていておもしろいからという、娯楽の延長線上にいる存在だからにすぎない。
「もちろん私も、ただ後輩だからというだけで便宜を図ってもらえるなんて思っちゃいないさ。だけどいくら利を示したところで、条件がおなじなら、きっと彼らは君のほうを優遇するんだろう……」
うつむく鷲見社長の顔には影が差し、とてもツラそうに見えた。
「そんなこと……」
「あるんだよ!いつも、そうだった!!」
そんなはずがないだろうと言おうとする俺の言葉にかぶせるように、強い否定がかえされる。
「えらばれるのは、いつも君だ!私じゃない!!出身の大学だっておなじだし、年齢だって近い。メディアへの露出だって、私は積極的に応じて協力してきた!だが、世間からもてはやされるのは君ばかりだ!」
なまじ立場が近いからこそ感じる、彼我の差は残酷だ。
「……私よりもあとから出てきたくせに、どうして君は私を追い抜かして行ってしまったんだ!私だって幼いころからずっと優秀だと言われてきたのに、気がつけば、君は常に私の先を行っている!!」
それはいつもおだやかな笑みを絶やさない鷲見社長の、魂からの叫びだった。
「鷲…見、さん……」
鷲見勇征にとっての鷹矢凪冬也という人物は、これまで年齢が近いからと勝手に周囲からライバルあつかいをされてきた相手だ。
でもきっと彼にとっての俺は、それだけの存在ではなかった。
それこそ、なにをするにも姿がチラつくような、目の上のたんこぶのような存在だったんだろう。
ふしぎと彼の心の痛みが、まるで自分自身のことのように伝わってくる。
鷲見社長だって、着実に実績を積み重ねてきて、若手起業家として成功者であるのはまちがいないのに。
───クソ、なんでアイツに敵わない!?
自分とたいして変わらないくせに!
アイツと俺は、いったいなにがちがうって言うんだ───
それはきっと、はらわたが煮えくりかえるような思いをかかえていたことだろう。
たとえば会社の同期、学生時代の同級生だっていい。
自分と似たような立場にいるはずなのに、なぜか相手だけが高い評価を受けていたとしたら、当然のようにねたましい気持ちにだってなる。
それでもまだ、相手が自分と競い合う気持ちを持っていたなら救われる。
そう、ライバルとして認識されているのなら、まだ救いがあったんだ───。
*苦手な方はお気をつけください。
*大丈夫な方だけ、スクロールしてお読みください。
容赦のない陵辱、逃げ場のないその暴力にさらされ、心は徐々にすり減っていく。
そんな卑劣な行為に屈したりはしない、そう思っていたのに……。
だけどいちばん俺の心を打ちのめしてきたのは、こちらのからだの変化だった。
クソ、なんなんだよ!?
さっきから、好き勝手されてるだけだってのに、着実に痛いとか苦しいとかだけではないなにかが蓄積されていく。
こんなところでBLゲームの世界ゆえの補正なんて、かかる必要ないってのに……!
なのにさっきから、ときおりそこをかすめるたびに、ビクビクと勝手にからだがハネる。
気づかないふりをしてやりすごそうとして、ギュッと目をつぶったところで、あまり意味はなかった。
それどころか目をつぶったことで、逆にからだの感覚は鋭敏になり、己を無理やりに暴く相手のモノをありありと実感してしまう。
くちびるもギュッと噛みしめていなければ、泣きごとが口からもれてしまいそうだった。
なのに。
「……なぁ、冬也くん、好きでもない男に犯される気持ちはどうだ?くやしいか?なぁ、くやしいだろ!?」
「っ、こんなことで……、それであなたは満たされるんですかっ!」
鷲見社長に話しかけられ、くやしいからこそ、精一杯の虚勢を張る。
肌と肌を打ちつけ合う音と、ぬかるむそこを穿つ際の粘着質な水音と。
その両方が耳からも俺を責め立て、プライドをへし折ろうとしてきていた。
「あぁ、もちろんたまらないよ。なんたって今、私の下であえいでいるのは君だからね。ずっとお高く止まった君のことを、こっちまで引きずりおろしてやりたかった」
こたえる鷲見社長の顔は、たしかにその言葉どおりに楽しげに見えた。
「あえいでなんていない!」
「ほう?ならばさっきから、ここをえぐるたびになかをヒクつかせていたのは、どういう意味なんだ?」
「ひっ!あっ、や、ヤメ……っ!」
とっさにはずかしさのあまりに言いかえしてしまってから、やぶへびだったかと顔を青ざめさせる。
鷲見社長はそんな俺の様子に、にんまりと笑うと狙ってそこばかりをえぐってくる。
そのたびに俺の口からは、こらえきれない嬌声がもれた。
「ハハッ、多少は効いてきたのかな、媚薬入りローションが」
「なにを……っ!?」
「言っただろう、私はこれまでも『気にくわないマダムや変態オヤジどもの相手をさせられた』と。意に染まぬ相手とするために、ここには無理やりにからだを昂らせるヤツを置いてあるのさ」
なんだよそれ、違法なヤツとかじゃないよな!?
媚薬入りのローションとか、現実にあったところで、あんまり効果なんてないもんじゃないのか?
いわゆるプラセボ効果で、『媚薬を飲ませた』と使用者に告げることにより気分を盛りあげるためだけのものだと思っていたけれど……。
「効果のほどは、この私で実証済みだよ?だからほら、君だって気持ちよくなってきただろう?」
「や、あぁっ!」
ドクン、とその一点をかすめたとたんに大きく心臓が脈打った。
気がつけば口からは相手の言うとおり、あえぎ声があがっていた。
「あぁ、いい声だ……たまんねぇな、ふだんから聖人君子のようなツラしてるヤツを堕としてやる瞬間ってのは……」
「うっ、ひ、あぁ……っ!」
そこばかりを狙って責め立てられれば、さっきまではクッタリとしていたそれは芯をもちはじめ、こちらの声にも艶が混ざりはじめる。
「~~~くぅっ!!」
やがてガツガツと腰を打ちつけていた鷲見社長が背中を丸め、その熱をなかへと吐き出した。
とたんに広がるそのあたたかな感触は、俺にとっては絶望的なまでの屈辱感をあたえてきた。
それにこちらは、いくら媚薬の効果があろうと、さすがに後ろを使うのははじめだから、前への刺激なしにはイけそうにない。
中途半端に張りつめた前が、少し切なかった。
……でもそんなことよりも、相手がこれで満足したのなら解放してくれるはず……そう思ったのもつかの間だった。
「まさか、これで終わるなんて思っちゃいないよな?」
「え……?」
吐精し、一度は萎えたはずの相手のそれは、引き抜かれることもなく、ふたたび硬度を取りもどしていく。
「なん、で……っ!?」
「あたりまえだろ、こんな程度じゃ、私の恨みは晴れやしない!」
「や、やめ……っ!」
そして必死に身をよじって逃げ出そうとする俺の腰をつかむと、ふたたび律動が開始された。
「いいか、私は!君に負けたくなくて、ずっと努力をしてきたんだ!それこそ権力者にすり寄るために、この身だって、金だって、使えるものはすべて道具にしてきた!」
ガツガツと腰を打ちつけて犯しながら、俺を楽しげに見下ろしていたはずの鷲見社長は、しかし次の瞬間には見開いた目を血走らせ、激昂した様子で正気を失いかける。
「鷲見、社長……」
さっきから、ちっとも安定しない相手の感情は、両極端に振りきれている。
俺にたいする憎しみであふれているだけかとも思ったけれど、それだけではないようにも見えた。
「私がやむなく枕営業を重ねている隙に、君はそんな風に身を汚すこともなく会社を成長させ、押しも押されもせぬ地位を築いてしまった……世間ではさんざん『稀代のイケメン社長』だなんだともてはやされて、なのにそれをよろこぶでもなく淡々と受け流している……」
たぶんそれは単純に、このポーカーフェイスのせいで、周囲の人から内面が読み取られにくいだけの話だ。
「くやしかったよ!君が私とおなじ大学の出身だったことも、余計に私をみじめにさせた。学閥の諸先輩方の対応が、私と君とで全然ちがうのを知っていたかい?」
「いや、それは……」
さすがにそれは俺も初耳だった。
たしかに政財界にはおなじ大学の出身というだけで、やけに親身になってくれて、話のとおりが早い相手は多数いたけれど、それは自分が彼らにとっては活躍めざましく、見ていておもしろいからという、娯楽の延長線上にいる存在だからにすぎない。
「もちろん私も、ただ後輩だからというだけで便宜を図ってもらえるなんて思っちゃいないさ。だけどいくら利を示したところで、条件がおなじなら、きっと彼らは君のほうを優遇するんだろう……」
うつむく鷲見社長の顔には影が差し、とてもツラそうに見えた。
「そんなこと……」
「あるんだよ!いつも、そうだった!!」
そんなはずがないだろうと言おうとする俺の言葉にかぶせるように、強い否定がかえされる。
「えらばれるのは、いつも君だ!私じゃない!!出身の大学だっておなじだし、年齢だって近い。メディアへの露出だって、私は積極的に応じて協力してきた!だが、世間からもてはやされるのは君ばかりだ!」
なまじ立場が近いからこそ感じる、彼我の差は残酷だ。
「……私よりもあとから出てきたくせに、どうして君は私を追い抜かして行ってしまったんだ!私だって幼いころからずっと優秀だと言われてきたのに、気がつけば、君は常に私の先を行っている!!」
それはいつもおだやかな笑みを絶やさない鷲見社長の、魂からの叫びだった。
「鷲…見、さん……」
鷲見勇征にとっての鷹矢凪冬也という人物は、これまで年齢が近いからと勝手に周囲からライバルあつかいをされてきた相手だ。
でもきっと彼にとっての俺は、それだけの存在ではなかった。
それこそ、なにをするにも姿がチラつくような、目の上のたんこぶのような存在だったんだろう。
ふしぎと彼の心の痛みが、まるで自分自身のことのように伝わってくる。
鷲見社長だって、着実に実績を積み重ねてきて、若手起業家として成功者であるのはまちがいないのに。
───クソ、なんでアイツに敵わない!?
自分とたいして変わらないくせに!
アイツと俺は、いったいなにがちがうって言うんだ───
それはきっと、はらわたが煮えくりかえるような思いをかかえていたことだろう。
たとえば会社の同期、学生時代の同級生だっていい。
自分と似たような立場にいるはずなのに、なぜか相手だけが高い評価を受けていたとしたら、当然のようにねたましい気持ちにだってなる。
それでもまだ、相手が自分と競い合う気持ちを持っていたなら救われる。
そう、ライバルとして認識されているのなら、まだ救いがあったんだ───。
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