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*6.相手の地雷を踏み抜いたら、ヒドイ目に遭わされた件。*
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*今回のお話から数話は、訳あってわりとひどい描写が続きます。
*苦手な方は薄目で見ていただくか、回れ右をして自衛をしていただきますよう、お願いいたします。
*でぇじょうぶだ!って方だけ、下へスクロールしてどうぞ~。
「まさか、あの鷹矢凪冬也を抱ける日が来るとは……」
上ずったような声でつぶやきながら、音を立てて生つばを飲み込む鷲見社長に、あらためてこれは現実のことなのだと突きつけられる。
おい、わざわざ『あの』ってつけるのは、いったいどういう意味なんだよ?!
でもあきらかに相手が興奮しているのは、荒くなった鼻息だとか上ずった声だけでなく、ギンギンに勃ちあがったそこを見ればわかる。
「せっかくだ、いい声で啼いてくれよ?」
「だれがそんなことするか……っ!」
せめてもの意地で、相手をにらみつける。
ニヤニヤと笑いを口もとに張りつけたままの鷲見社長にとっては、なんの意味はなかったらしいけれど。
「威勢のいいことを言うわりに、ふるえてるじゃないか───まるで処女だ」
「っ、…………………」
そりゃそうだ、俺だって男に抱かれるなんてはじめてなんだから。
でもそれを口に出したくはなくて、代わりに顔を背けるように横を向く。
臨海部にあるこのビルの周囲には、民家もなく、近くには街灯か近くのオフィスビルの広告看板用の明かりのみしかない。
大丈夫、この様子なら外からだれかに見られたりはしない。
そう自分に言い聞かせると、必死に歯を食いしばり、ちがうことをかんがえようとした。
「その沈黙……まさか本当、なのか……?てっきり君は、これまでもその顔とからだとで相手をたぶらかし、仕事を取ってきているんだと思っていたよ」
こちらを見下ろす相手の口もとに浮かぶのは、俺を侮蔑するような酷薄な笑みだ。
瞬間的に、カッと頬が熱くなる。
「そんなわけ、あるか……っ!」
あまりの侮辱的な発言に、気がつけば恐ろしさよりも怒りが勝っていた。
たしかに冬也の設定は盛られすぎていて、ウソくささすら感じるものではあったけど、その積みあげてきた実績は、きちんとした仕事の成果によるものだ。
それこそ、これだけの成果を出すために、俺がどれだけのものを犠牲にしてきたのか、知りもしないくせに!
子どものころから大企業の社長となることを前提として育てられ、親から受けたのは厳しいしつけと教育だけ。
そこには、一片の愛情のかけらだってなかった。
それが子どもにとっては、どれだけ淋しかったことか!
自分のために心を砕いてくれる大人がいたところで、『自分よりも下の立場のものに弱い面を見せてはならぬ』と厳格な父に教えられ、甘えることすらゆるされず、なんなら最近まで悲しいときや苦しいときの、泣きかたさえも忘れてしまっていた。
今はいない父親のその教えは、いまだに俺の心に深く刺さり、縛りつけてくる。
そのせいで、大事に思っていたはずの双子の弟も、長年俺を支えつづけてきてくれた秘書さえも、この手もとから去り、失ってしまった。
その傷口はまだ生々しく、今でも彼らを思うだけで泣きそうになるくらいだった。
それほどの犠牲を払いつづけることを強いられ、ようやく定着させたこの立ち位置を、そんな風に軽く見られたくない!
俺が築きあげてきたものは、枕営業のような人の気持ち次第で簡単に吹き飛ばせるものなんかじゃないんだ。
もちろん見た目に関しても、それがビジネスの役に立つ以上、相手からの好感度をあげられる程度にと気をつかってきたのは事実だ。
でもそれは、決して冬也の社長としての資質を語る上での本質ではなかった。
「だってそうだろう?君ほどの美貌をもってすれば、男女を問わず、いくらだってささやきひとつで落としていけるだろうに……」
なのにまだ、相手はこちらを誤解したままだ。
「バカにするのも……いいかげんにしろっ!」
鷲見社長の厚い胸板を押しかえしたところで、逆にその手首をつかまれた。
「く……っ!」
このところの激務で前よりも少し痩せてしまっていたせいか、相手につかまれた手首はどうやっても振りほどけそうもない。
それどころか、その手にグッと力を込められるだけでも激痛が走る。
「ならテメェは、気に食わねぇマダムの相手も、変態オヤジどもの相手もしたことねぇってのか!?」
「あたりまえだ!」
あくまでも俺はまっとうな手段で、きちんと目に見える成果を残すことで周囲に認めさせてきただけだ。
「………そんなところでも、私が泥にまみれているあいだも、君は変わらずおキレイなままだったというわけか……どこまでこの私を突き放していくんだ………」
地獄の底から響いてくるような、うなり声にも似たそれに、口をつぐむ。
本能的に、なにか相手の地雷を踏んでしまったらしいことだけはわかった。
「ふざけるんじゃねぇ!君はどこまで私をみじめな気持ちにさせるんだ!!」
「ぐぅ……っ?!」
鷲見社長の大きな手が、俺の首にかかると、そのまま体重をかけるように絞められる。
「ハハッ、細っせぇ首……いっそこのまま折っちまうか?」
「っ……や、め……っ!」
首を絞める手の力は、一向にゆるむ気配もない。
重い、苦しい……っ!
息が……できない……。
ダメだ、この手をはずしたいのに、全然力が入らない。
視界は赤く染まり、つづいてその端から砂嵐におおわれていく。
ザーザーという音が耳鳴りなのか、それとも耳の奥で流れる血液の音なのか、よくわからなくなってきた。
「───────っ!」
全身の力が抜け、フッと意識が途切れかけた瞬間、首もとへの圧迫感もなくなった。
「そのまま、おとなしくしてろよ?」
むせてせき込み、ろくに身動きもできないうちに放り出されていたネクタイで、手首を頭上でまとめてひとつに縛られる。
そしてあらためて相手の顔が近づけられ、鎖骨のあたりに歯を立てられ、キツく吸われた。
「んんっ!?」
クソ、バカヤロー、変な痕をつけんじゃねぇ!
そう言いたいのに、あたまはクラクラとしていて、思ったとおりに口が開かない。
それどころか、今度は口のなかへと指を突っ込まれた。
「ほら、ちゃんとしゃぶれよ?じゃないとあとで苦しむのは、テメェのほうだぜ?」
「んうっ、ふぅ……んんっ!」
すっかり口調までもが荒くなった鷲見社長は、遠慮のない感じに指を押し込んでくるせいで、あまりの苦しさに生理的な涙がじわりとにじんだ。
「なにしろ私と君の仲だから、最初はやさしくしてやろうかと思ってたけど気が変わった。無垢でおキレイなままのテメェを、こっちの場所まで引きずりおろしてやんよ!」
そう宣言する鷲見社長の目は湧きあがる憎しみで血走り、俺を見ているようでその実、焦点があっていない。
元から、いかんともしがたい体格差があって、ましてこちらは心理的な枷と物理的なそれとで、雁字がらめに縛られている。
その状態の俺にできる抵抗なんて、微々たるものだった。
「んっ、ふっ……っく!」
肌と肌とを打ちつけあうような音と、なんだかんだと足されたローションのぬめりを借りて狭い穴を穿たれるいやらしい水音とが、静かな室内に響いている。
手は縛られたまま、執務デスク上のライトスタンドへと固定されてしまったせいで、口もとを押さえることもできなかった。
そのせいで、さっきから必死に声をあげないようにとくちびるを噛みしめているのに、苦しさのあまりにこらえきれない声がはしからもれる。
宣言どおり、鷲見社長からは急に荒々しくなった手つきでこちらの下着をはぎ取られ、ろくにならしもしないうちに突っ込まれた。
そして今もこうして、好き勝手に腰を打ちつけられ、ゆさぶられている。
そのたびにゆらゆらとゆれる、日に焼けていない己の白い脚が、視界のはしに映り込んでくる。
それがなによりも今、無理やり男に犯されているという事実を突きつけてきて、羞恥と屈辱とで神経が灼ききれそうだった。
「あぁ、その泣きそうな顔、たまんねぇな。もっと君の苦しむ顔を見せてくれ……!」
深々と穿ったまま、いったん腰の動きを止めた鷲見社長が、熱を帯びたような上ずった声で言う。
「なっ……?!」
ともすれば俺にたいする征服欲が満たされているんだろう、その発言と同時に、なかを押し拡げるそれはよりいっそう大きく硬くなる。
バカヤロー、なにをそんなに興奮してやがる!?
そして俺の目尻にたまる涙を指先でぬぐうと、べろりと舌を出して、わざとらしく見せつけるようになめとる。
その顔は隠そうともしない昂揚感で上気し、ふだんのやさしげで陽気な姿からは想像できないほどに、雄の色気をまとっていた。
「さぁて、いい声をあげてくれよ?」
「ひっ、あっ……やぁ……」
律動を再開してくる相手に、ビクリとからだがハネた。
*苦手な方は薄目で見ていただくか、回れ右をして自衛をしていただきますよう、お願いいたします。
*でぇじょうぶだ!って方だけ、下へスクロールしてどうぞ~。
「まさか、あの鷹矢凪冬也を抱ける日が来るとは……」
上ずったような声でつぶやきながら、音を立てて生つばを飲み込む鷲見社長に、あらためてこれは現実のことなのだと突きつけられる。
おい、わざわざ『あの』ってつけるのは、いったいどういう意味なんだよ?!
でもあきらかに相手が興奮しているのは、荒くなった鼻息だとか上ずった声だけでなく、ギンギンに勃ちあがったそこを見ればわかる。
「せっかくだ、いい声で啼いてくれよ?」
「だれがそんなことするか……っ!」
せめてもの意地で、相手をにらみつける。
ニヤニヤと笑いを口もとに張りつけたままの鷲見社長にとっては、なんの意味はなかったらしいけれど。
「威勢のいいことを言うわりに、ふるえてるじゃないか───まるで処女だ」
「っ、…………………」
そりゃそうだ、俺だって男に抱かれるなんてはじめてなんだから。
でもそれを口に出したくはなくて、代わりに顔を背けるように横を向く。
臨海部にあるこのビルの周囲には、民家もなく、近くには街灯か近くのオフィスビルの広告看板用の明かりのみしかない。
大丈夫、この様子なら外からだれかに見られたりはしない。
そう自分に言い聞かせると、必死に歯を食いしばり、ちがうことをかんがえようとした。
「その沈黙……まさか本当、なのか……?てっきり君は、これまでもその顔とからだとで相手をたぶらかし、仕事を取ってきているんだと思っていたよ」
こちらを見下ろす相手の口もとに浮かぶのは、俺を侮蔑するような酷薄な笑みだ。
瞬間的に、カッと頬が熱くなる。
「そんなわけ、あるか……っ!」
あまりの侮辱的な発言に、気がつけば恐ろしさよりも怒りが勝っていた。
たしかに冬也の設定は盛られすぎていて、ウソくささすら感じるものではあったけど、その積みあげてきた実績は、きちんとした仕事の成果によるものだ。
それこそ、これだけの成果を出すために、俺がどれだけのものを犠牲にしてきたのか、知りもしないくせに!
子どものころから大企業の社長となることを前提として育てられ、親から受けたのは厳しいしつけと教育だけ。
そこには、一片の愛情のかけらだってなかった。
それが子どもにとっては、どれだけ淋しかったことか!
自分のために心を砕いてくれる大人がいたところで、『自分よりも下の立場のものに弱い面を見せてはならぬ』と厳格な父に教えられ、甘えることすらゆるされず、なんなら最近まで悲しいときや苦しいときの、泣きかたさえも忘れてしまっていた。
今はいない父親のその教えは、いまだに俺の心に深く刺さり、縛りつけてくる。
そのせいで、大事に思っていたはずの双子の弟も、長年俺を支えつづけてきてくれた秘書さえも、この手もとから去り、失ってしまった。
その傷口はまだ生々しく、今でも彼らを思うだけで泣きそうになるくらいだった。
それほどの犠牲を払いつづけることを強いられ、ようやく定着させたこの立ち位置を、そんな風に軽く見られたくない!
俺が築きあげてきたものは、枕営業のような人の気持ち次第で簡単に吹き飛ばせるものなんかじゃないんだ。
もちろん見た目に関しても、それがビジネスの役に立つ以上、相手からの好感度をあげられる程度にと気をつかってきたのは事実だ。
でもそれは、決して冬也の社長としての資質を語る上での本質ではなかった。
「だってそうだろう?君ほどの美貌をもってすれば、男女を問わず、いくらだってささやきひとつで落としていけるだろうに……」
なのにまだ、相手はこちらを誤解したままだ。
「バカにするのも……いいかげんにしろっ!」
鷲見社長の厚い胸板を押しかえしたところで、逆にその手首をつかまれた。
「く……っ!」
このところの激務で前よりも少し痩せてしまっていたせいか、相手につかまれた手首はどうやっても振りほどけそうもない。
それどころか、その手にグッと力を込められるだけでも激痛が走る。
「ならテメェは、気に食わねぇマダムの相手も、変態オヤジどもの相手もしたことねぇってのか!?」
「あたりまえだ!」
あくまでも俺はまっとうな手段で、きちんと目に見える成果を残すことで周囲に認めさせてきただけだ。
「………そんなところでも、私が泥にまみれているあいだも、君は変わらずおキレイなままだったというわけか……どこまでこの私を突き放していくんだ………」
地獄の底から響いてくるような、うなり声にも似たそれに、口をつぐむ。
本能的に、なにか相手の地雷を踏んでしまったらしいことだけはわかった。
「ふざけるんじゃねぇ!君はどこまで私をみじめな気持ちにさせるんだ!!」
「ぐぅ……っ?!」
鷲見社長の大きな手が、俺の首にかかると、そのまま体重をかけるように絞められる。
「ハハッ、細っせぇ首……いっそこのまま折っちまうか?」
「っ……や、め……っ!」
首を絞める手の力は、一向にゆるむ気配もない。
重い、苦しい……っ!
息が……できない……。
ダメだ、この手をはずしたいのに、全然力が入らない。
視界は赤く染まり、つづいてその端から砂嵐におおわれていく。
ザーザーという音が耳鳴りなのか、それとも耳の奥で流れる血液の音なのか、よくわからなくなってきた。
「───────っ!」
全身の力が抜け、フッと意識が途切れかけた瞬間、首もとへの圧迫感もなくなった。
「そのまま、おとなしくしてろよ?」
むせてせき込み、ろくに身動きもできないうちに放り出されていたネクタイで、手首を頭上でまとめてひとつに縛られる。
そしてあらためて相手の顔が近づけられ、鎖骨のあたりに歯を立てられ、キツく吸われた。
「んんっ!?」
クソ、バカヤロー、変な痕をつけんじゃねぇ!
そう言いたいのに、あたまはクラクラとしていて、思ったとおりに口が開かない。
それどころか、今度は口のなかへと指を突っ込まれた。
「ほら、ちゃんとしゃぶれよ?じゃないとあとで苦しむのは、テメェのほうだぜ?」
「んうっ、ふぅ……んんっ!」
すっかり口調までもが荒くなった鷲見社長は、遠慮のない感じに指を押し込んでくるせいで、あまりの苦しさに生理的な涙がじわりとにじんだ。
「なにしろ私と君の仲だから、最初はやさしくしてやろうかと思ってたけど気が変わった。無垢でおキレイなままのテメェを、こっちの場所まで引きずりおろしてやんよ!」
そう宣言する鷲見社長の目は湧きあがる憎しみで血走り、俺を見ているようでその実、焦点があっていない。
元から、いかんともしがたい体格差があって、ましてこちらは心理的な枷と物理的なそれとで、雁字がらめに縛られている。
その状態の俺にできる抵抗なんて、微々たるものだった。
「んっ、ふっ……っく!」
肌と肌とを打ちつけあうような音と、なんだかんだと足されたローションのぬめりを借りて狭い穴を穿たれるいやらしい水音とが、静かな室内に響いている。
手は縛られたまま、執務デスク上のライトスタンドへと固定されてしまったせいで、口もとを押さえることもできなかった。
そのせいで、さっきから必死に声をあげないようにとくちびるを噛みしめているのに、苦しさのあまりにこらえきれない声がはしからもれる。
宣言どおり、鷲見社長からは急に荒々しくなった手つきでこちらの下着をはぎ取られ、ろくにならしもしないうちに突っ込まれた。
そして今もこうして、好き勝手に腰を打ちつけられ、ゆさぶられている。
そのたびにゆらゆらとゆれる、日に焼けていない己の白い脚が、視界のはしに映り込んでくる。
それがなによりも今、無理やり男に犯されているという事実を突きつけてきて、羞恥と屈辱とで神経が灼ききれそうだった。
「あぁ、その泣きそうな顔、たまんねぇな。もっと君の苦しむ顔を見せてくれ……!」
深々と穿ったまま、いったん腰の動きを止めた鷲見社長が、熱を帯びたような上ずった声で言う。
「なっ……?!」
ともすれば俺にたいする征服欲が満たされているんだろう、その発言と同時に、なかを押し拡げるそれはよりいっそう大きく硬くなる。
バカヤロー、なにをそんなに興奮してやがる!?
そして俺の目尻にたまる涙を指先でぬぐうと、べろりと舌を出して、わざとらしく見せつけるようになめとる。
その顔は隠そうともしない昂揚感で上気し、ふだんのやさしげで陽気な姿からは想像できないほどに、雄の色気をまとっていた。
「さぁて、いい声をあげてくれよ?」
「ひっ、あっ……やぁ……」
律動を再開してくる相手に、ビクリとからだがハネた。
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