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*118:はじめてのメスイキは未知の領域*

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*今回も元気よく肌色展開のため、周囲からの視線にご注意のうえ、閲覧してください。
*そういう過激な描写が苦手な方は、読み飛ばし推奨です。






 あらがいようもない圧倒的な波に押し流されていくような、そんな感覚。
 ずっとずっと、気持ちよくてたまらない。
 上下左右さえもわからない、真っ白な空間に放り出されたみたいにフワフワとしていた。

 こんなの、知らない……っ!
 その未知の感覚は、いつもなら吐精後すぐにおとずれるハズの賢者タイムすら、遠ざけてしまう。

 ───いや、そもそも黒革のベルトに戒められているせいで、その欲すら吐き出させてもらえていないのだけど。
 むしろそこは、いまだにガチガチに張り詰めたまま、出せない苦しみを訴えていた。

 でも身内を駆けまわるビリビリとした刺激は、まちがいなくイッたときのものだ。
 脊髄反射のようにつま先までピシッとからだが強ばって、ブレイン殿下のモノを飲みこんだままのそこは、なかがうねって、まるで全部を搾り取ろうとしているみたいに締めつけようとして止まらない。

「な、なんれ……ぇっ?!」
 舌足らずな声になるのもはずかしいことなのに、それすら些末なことに思えてしまうほどにこの身を満たし、駆けめぐる快楽が強すぎる。

 いつもなら、この波みたいな快感は、欲を吐き出してしまえばスゥッと引いてくれるハズなのに。
 それが今回にかぎっては、全然引く気配も見えなかった。

 何度もくりかえし押し寄せてきては、脱力するどころか、まるでイクその瞬間にからだが強ばるみたいな緊張状態を強いられている。
 息を吸うのも満足にできなくて、ハクハクと空気をもとめて、くちびるがわななく。

 それどころか、その空気を吸う程度の動きでさえも、まるで全身を愛撫されているかのように、さらなる悦楽の波が広がっていく原因になっていた。
 視界は涙でにじみ、目の前の鏡に映る己の姿さえ、ろくに認識できなくなってしまう。

「あ、アァ……」
 おかげで快楽に支配されたこのからだは、意味のないあえぎ声が口からもれ出て、陸に打ち上げられた魚みたいに、全身がビクビクとハネてしまっていた。

 なんで、なんで、なんでこんなにキモチイイんだよ────??!
 わけがわからなくて、怖い。
 俺が俺でなくなってしまいそうな、そんな気さえしてくる。

 おさまれよ、おさまれったら!
 そう命じているのに、全然言うことを聞いてくれなくて。
 圧倒的なまでの強烈なる快楽の波は、何度も何度も押し寄せてきては、俺の理性を押し流していく。

 こんなのに襲われたら、あたまがイカれるしかないだろ!
 だって、ずっとずっと気持ちいいなんて、ありえないのに……。
 わけがわからなすぎて、目尻からはその未知の感覚にたいする恐怖に、ぽろぽろと涙がこぼれていく。

「っく、ン~~っ!!」
 そんな快楽の海に無理やり沈められていた俺は、耳もとで聞こえるうめくような声にハッとした。
 とたんに、なかへと吐き出されたあたたかな液体を感じ、それだけでまたもやからだがふるえてしまった。

 ヤダ……なんなんだよ、このからだ、ホントにおかしい……っ!
 いつまでもイッた瞬間の、あのあたまが真っ白になるような気持ちのよさが引かなくて、勝手に反応してキュウキュウと締めつけてしまうそこは、そのせいでよけいになかをみっちりと埋め尽くすブレイン殿下の存在を感じてしまう。

「ちょっと待って、そんなに締めつけられたら……っ!」
 うわずったような声とともに、吐精して一度は硬さを失ったハズのそれがドクリと脈打ち、ふたたび硬くなっていく。

「や、やらっ……もうムリぃっ!」
 ゆるんだ口はしからは、だらだらとヨダレが垂れているんだろう。
 舌足らずな口調の自分なんて、てんで解釈ちがいなのに、もはや止めようもなかった。

「ハハッ、ずいぶんと気持ちよさそうにとろけた顔をしているね……そんな風に、私のあたえるモノにすなおなキミが大好きだよ」
「ンンッ!」
 あごに手を添えられて向きを変えられたところで、チュ、と音を立ててほっぺたにキスされた。
 そんなわずかな身じろぎでさえも、腰から脳天に向かって甘くとろけるような稲妻がほとばしる。

「もぉ、やだっ……くるし……っ」
 前から出せないのが苦しくてたまらないのに、腰が抜けるほどに気持ちがいい。
 こんなに正反対の気持ちが両立してしまうなんて、意味がわからないだろ?!

「ンッ、や、あぁっ!」
 はぁはぁと荒い息をおさえたくても、全然ガマンができなくて、それどころかバカみたいに甲高い甘い声がもれ出るだけだ。
 あたまんなかまで、バカになってしまう。

 早く楽になりたくて、この苦しさの原因は言うまでもなく、前から出させてもらえないことにあるわけで。
 ちらりと視界に入るそこは、根もとを黒い革のベルトに締められたまま、赤黒くグロテスクな色をして屹立している。

「やっぱりキミは優秀だよ、ちゃんとナカだけでイケたね。さすがにこれだけやれば、キミも私のモノのかたちをおぼえただろう?」
 そんなの、もう何度も抱かれたこのからだは、すっかりおぼえてしまっているのに。

「ヒッ!アァッ!」
 お腹んなかに相手のモノを飲み込んだまま、ゆっくりと手のひらで上からなでられ、そのいやらしい手つきに、あられもない声がのどから飛び出していった。

 本当に全身が性感帯になってしまったみたいに、これ以上されたら、たぶん俺はおかしくなってしまう。
 そんな予感に突き動かされて、涙は止まらなくなっていたし、あえぎ声だってとまらなくなっていた。

「ホントにもう、ゆるして……ぇっ」
 もう無理なんだって、そんな気持ちを込めて後ろにふりかえって訴える。
 そりゃあもう、めちゃくちゃはずかしかったし、なんならそのはずかしさに死にそうな気持ちになっていたけれど、それでも主導権は背後にいる彼にあるのだからしょうがない。

「うんうん、出せなくて苦しかったね?そんな風に甘えられちゃ、ゆるさないわけにいかないよね」
「ひぅっ!」
 ずっと俺を苦しめていた黒革のベルトに、ブレイン殿下の手がかかる。
 その瞬間、雷に打たれたように全身にビリビリとした刺激が走り抜けた。

「うああっ!」
 ようやくはずされた戒めに、とてつもない解放感が押し寄せてくる。
 出したいという、そんな気持ちにしたがって、先からはコプリと白濁があふれてくる。
 でもそれは、気持ちよく射精するみたいな勢いもなく、ただひたすらにあとからトロトロと出つづける。

「なん、れ……」
 出す前から、こんな風にイッたままになるなんて、さすがにこれがなんなのか知識としてだけは知っているからこそ、そんな風になってしまった自分が信じられなくて。

「はじめて、後ろの刺激だけでイケたね?はじめてのメスイキ、気持ちよかったでしょう?」
 耳もとでささやかれる甘くとろける美声に、力なくうなずくことしかできなかったのである。
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