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*116:ラブホプレイは終わらない*

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*今回も肌色展開つづいてます。
*閲覧時は、周囲の視線等にご注意ください。
*そういう描写が苦手な方は、各自で自衛してくださいませ。







「やっ、アァッ!ホントにもう……ムリぃっ!!」
 思わず口をついて泣きごとが出る。
 腰を両手でつかまれ、背後から何度も何度も熱くて硬いが抜き挿しされる。

 狙いすましたかのように、先っぽで弱いところばかりをこすっていくブレイン殿下に、さっきから発情した猫みたいに変な声が止まらない。
 それこそ熱に浮かされたように、どんどんあたまが真っ白になっていく。

 内壁はキュッと相手のモノを締めつけてしまい、そうすることで、よりいっそうそこから広がる快楽の波に呑まれるしかなかった。
 おかげでもう腕の力はすっかり抜けて、つかまれた腰だけを高く掲げるような状態になっている。
 これが、すげぇはずかしい。

「簡単にゆるしてしまっては、お仕置きにならないからね。まだまだゆるしてあげないよ?」
 なのにブレイン殿下ときたら、そんないじわるなことを言う。

 背後から俺を責めつづけるブレイン殿下は、もうすでに一度、白濁をなかへと吐き出している。
 決して荒々しく抱かれているわけではないのに、こうも感じるところばかりを責められつづけるのは、どうにも怖かった。

 つーか、そもそもがあんた絶倫だろ!
 いつも十分すぎるくらい、イカされまくってるっつーのに、まだそれ以上するつもりなのかよ!?

 そう言えたらよかったのに、残念ながら俺の口からもれるのは、意味をなさないあえぎ声だけだった。
 それどころか、閉じることを忘れてしまった口のはしからは、だらしなくよだれが垂れてしまっている。

 ちがう、こんなの俺のキャラじゃない!
 そう否定したくても、からだはもうすっかり相手のそれを受け入れてしまっているし、なにより気持ちいいんだってことを理解していた。

 キングサイズの豪華なベッドは正方形に近く、どの向きに寝たところで問題ないくらいの大きさがあった。
 そのせいで、鏡を正面にするという、あいかわらずのラブホプレイもどきがつづいていた。

 さっきから見ないように顔を伏せているものの、目の前には大きな姿見の鏡が置かれているわけで。
 たぶん背後にいるブレイン殿下の目には、そんな俺の姿が余すことなく見えているハズだ。

 広い室内には、ふたりしかいないからこそ静かで、よけいに音が響いて聞こえる。
 一定のペースを保つように肌と肌とが打ちつけられている音の合間には、たっぷりとなじませられたローションの泡立つ粘着質な水音が合わさって、とにかく卑猥な音にまみれている。
 それがまた、耳からも犯されているような気分にさせられ、おかしくなる要因となっていた。

 トントンと、なかから刺激されている前立腺に痛いほどに屹立した前は、突かれるたびにゆれ、ダラダラと先走りの汁を垂らしていた。
 ……ヤバイこれ、なんもかんがえられないくらい、キモチイイ。

「うぅっ、も……ダメだからぁ……っ!ホントに、ゆるして……ンンッ!!」
 下腹から全身に波のように広がっていく悦楽に、よがる声を必死にガマンして訴えたところで、止まることのない律動のせいで目の前がチカチカしはじめていた。

「別にガマンなんてしないで、イッてもいいんだよ?」
「やっ、ムリぃっ!」
 先走りにまみれた前をしごかれ、悲鳴のような声があがる。

 ───いつもなら、とっくの昔にイカされているハズだった。
 けれど今日はどれだけイキたいと思っても、まだ一度もイケてない。

 それもそのはず、硬く勃ちあがった俺のモノの根もとには、黒革のベルトのようなコックリングが巻かれているからだった。
 こんなもの、なんで乙女ゲームの世界にあるんだよ?!

 それのせいで、さっきから感じるところばかりを責められつづけ、すっかりパンパンにふくれあがったふたつの袋は、ゆさぶられるたびにぶつかり合い、なかにたまる白濁を早く出したいと訴えていた。
 なのに前をせき止められているせいで、出すことができずにいる。

「どうだい、少しは危機感が足りていないこと、反省したかい?キミのからだは、こんなにも快楽に弱いんだってこと、わかったでしょう?」
「ひぅっ!」
 腰をギリギリまで引いたブレイン殿下は、これまでとはちがった荒々しさで、一気に最奥を突いてくる。
 一瞬、あたまのなかが真っ白に染まる。

「っ、こんなこと……っ、あなたくらいしか…しないですってば……っ!」
 杞憂だと、荒い息の下から訴えたところで、それがどれほど意味があるのかはわからないけれど。

「ふぅん、まだ意地を張るのか……なら今のキミが、どれだけそそる姿をしているか、ちゃんと自分でも見るといい」
 事実、スゥッと温度の下がった声色はいつにも増して硬く、機嫌もともに低下したことを示していた。

「なにを……ヒッ!」
 うつぶせになっている俺の背後に、ブレイン殿下がおおいかぶさってきたと思った矢先に、ベロリと耳のフチをなめられる。
 そして次の瞬間、抱きしめられたからだが、無理やりに引き起こされる。

「なっ!?~~っ、うあぁぁっ!!」
 その動きに合わせて、なかを穿つモノが、あらたな箇所をえぐってきた。
 それと同時に、ビリビリとしびれるような強烈な快感が駆けのぼり、またもや視界は瞬間的に白に染まった。

 たぶんほんの一瞬だけど、意識が飛びかけたんだと思う。
 くたっと力の抜けたからだは、相手の胸板に寄りかかるように抱きかかえられ、さらにひざ裏にまわされた手により足を割りひらかれていた。

 ハッと意識がもどったとたん、鏡に映る己の姿が目に飛び込んでくる。
 赤く染まる顔はもちろんのこと、肌全体が上気し、やけに白く浮かんで見えた。
 しどけなく投げ出された肢体は、肩で息をするのに合わせて、やけに艶かしくゆれている。

 それになにより、ブレイン殿下のそれをずっぷりと深く飲み込んだままのところまでもが、はずかしげもなく目の前にさらされていた。
 この体勢のあり得なさに気づいた瞬間、羞恥心が一気に込み上げてきて、ジワリと視界がにじむ。

「やっ、なん……っ!?」
「ほらよく見てごらん、キミがどれだけそそる顔をしているかを」
 そうささやきかけられ、背後からまわされた手であごをつかまれれば、否応なしに正面の鏡に注目してしまう。

「気持ちよくてたまらないって、そんな顔をしているだろう?」
 困ったことに、ブレイン殿下の言うとおりだった。

 とろんととろける瞳に力はなく、浮かんだ涙が目尻のところからこぼれていく。
 それによだれにまみれ、ゆるんだ口もとからは真っ赤な舌がのぞいていた。
 ひとことで言うなれば、エロい顔だ。

 ウソだろ、こんな顔、してたのか───?!
 ヒュッと音を立てるのどに息がつまり、熱に浮かされたあたまからは血の気が引いていく。
 思った以上の己の痴態に、あたまは真っ白になり、なにもかんがえられなくなっていた。
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