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100:いよいよはじまる査問会
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査問会───それはこの貴族学校に古くから伝わる風習で、訴えられたものが正当かどうかを判断する、いわゆる裁判のようなものだ。
今はあまり行われることもなくなったせいか、その存在は『知る人ぞ知る』みたいな幻のモノとなっていた。
「ダグラス、この期におよんでブレイン様のお力にすがろうというのか!?」
そんな俺からの提案にたいして、担任の教師が不快感をあらわにする。
規定上では、簡易的なそれをひらくときには風紀委員が教師の代理で査問委員となることもあり得ることになっていた。
だから俺が、その簡易的なほうのそれで、風紀委員長であるブレイン殿下から手心を加えてもらうのを期待しているとでも思ったんだろう。
もちろん俺は、そんなチャチな策を弄するつもりはない。
どうせやるからには、徹底的に!だろ。
「……いいえ、どうせなら最上級の、すべての先生方の出席と、校長と理事長も立ち会いされるものでお願いしたいと思います」
「なっ!?そんなこと言っていいのか、ダグラス!?」
「えぇ、もちろん。こちらに非はないですから」
毅然とした態度でうなずけば、担任教師は目線をさまよわせてくる。
この最上級の査問会というのは、校内の教師すべてと校長、そして理事長が出席し、さらには風紀委員にも召集がかかる。
そこで決められたことは絶対で、教師といえど、その決定いかんによっては処分はまぬがれないものだった。
たぶん転入したてかつ、成りあがり系男爵家のベルでは、決して知り得ないものだったハズだ。
そして、このテイラーがつるし上げを食らうシナリオに改変した侵食者にしても、きっと査問会の存在は知らなかったと思う。
なぜなら査問会自体、ゲームの世界観を深めるための設定として決められたものの、めったに開催されることがないという設定のせいで、特に本編には関係がなかったために一般には情報として公開されなかったから。
もちろん『俺』は『星華の刻』のスタッフのひとりだったからこそ、その非公開情報も知っていたし、こちらの世界でもテイラーはダグラス家の一員として知り得ていた。
だから査問会の開催を要求するのは、あまりおかしななことではないと思う。
……まぁ、ふだんは『悪名高きダグラス家』なんて揶揄されることが多いけれど、これでも我が家は名門とされる歴の長い伯爵家のひとつではあるからな。
こういうとき、そんな家柄がモノを言う。
「なるほど、ダグラスの意思は固そうだな……ならばこの俺が、責任をもって開催を今すぐ呼びかけよう」
そして担任教師が余計なことを言い出さないうちに、リオン殿下がアシストしてくれた。
「静粛に!それでは定刻になりましたので、これより査問会をはじめます!開会に先立ちまして、委員の出欠を確認します。本日の欠席は3名で、査問会設置要綱における開催要件の『定数の3分の2以上の出席』の規定を満たしていることを確認します」
声をはりあげる教頭に、その場は静まりかえる。
自分から言い出したこととはいえ、やっぱりこういう場は堅苦しくてあまり好きじゃない。
でも、俺にかけられた冤罪は晴らしておきたかったから、仕方なかった。
チラリと見れば部屋の最奥には、壁を背にした教師たちが横一列にならんで腰かけている。
その前には、細かな意匠の彫りこまれた飴色に光る木のカウンターが設置されていた。
天井からぶら下がる、やけに豪華なシャンデリアをのぞけば、うん、いかにも裁判所っぽいな!
よく見れば、はしのほうではあるけれど、セラーノ先生もそこにいた。
糸目だから判別しにくくはあるけれど、目が合えば、そっと口もとをゆるめて笑いかけてくれる。
ほんの小さなことだったけれど、それでも少しだけ心があたたかくなった。
そんなセラーノ先生たち査問委員の前に直角になるようにもうけられたベンチには、おたがいに向かい合うようにして俺が上手と、ベルたちは下手にわかれ、背もたれのある木のベンチに腰かけていた。
これが被告側の席と、原告側の席だ。
もちろん今回は、俺が上手の被告人席のほうだった。
そしておまけのように俺たちのうしろには、それぞれ風紀委員がやはり壁を背にして、ずらりとカウンター付きの座席にスタンバっていた。
彼らには俺がブレイン殿下の協力者だということはバレているから、複雑な思いで見守られているんだろう。
なんか背後から、プレッシャーのようなものを感じるな?!
俺から見て左手側には傍聴席がある。
そのいちばん前のベンチだけは、ほかの席とは離れていて、うしろには一般の傍聴席とそれとをわける腰壁が、背もたれをかねてついている。
その手前のベンチには、それぞれ証人や弁護のための人が座っていた。
ベルと担任教師の側には、あたりまえだけどパレルモ様がいる。
もちろん、その取りまきであるジミーは横にひかえているし、それ以外の信者もいるせいでベンチはぎゅうぎゅうだ。
そして俺のほうには、当事者であるリオン殿下と、俺の唯一の友人であるセブンともうひとり座っていた。
そう、ふたりはさておき、おどろいたことにカイエンまでもがこちらに座ってくれていたんだ。
うわ、豪華だな?!
よく見ないでもこの査問会、『星華の刻』のメインメンバーそろい踏みじゃん!!
ていうか、てっきりカイエンはパレルモ様についていてあげるのかと思ってたわ……。
「この査問会においては、この場で出される査問結果がすべてであり、ひとたび決定されたものにたいしての反論は認められません。そのため、問われるものだけでなく問うものもまた、その発言にはウソなく誠実でなくてはなりません。また、すべての発言は記録されます」
じっとりとした熱気につつまれた室内に、定例的な文章を読みあげる教頭の声だけが響く。
その被告人側の席にまっすぐに背すじをのばし、凛として前を見つめたまま、俺はひとりで腰かけていた。
反対の原告側の席には、担任教師とベルのふたりが腰かけていて、ふたりともになんだか顔色が悪い。
これだけ見ていると、被告と原告が逆みたいだよな……。
まぁ、そりゃ俺だって本当は手がふるえそうなくらいには、緊張しているんだけど。
でもそんな弱いところを見せたら、この場では負けだと思っていた。
今はあまり行われることもなくなったせいか、その存在は『知る人ぞ知る』みたいな幻のモノとなっていた。
「ダグラス、この期におよんでブレイン様のお力にすがろうというのか!?」
そんな俺からの提案にたいして、担任の教師が不快感をあらわにする。
規定上では、簡易的なそれをひらくときには風紀委員が教師の代理で査問委員となることもあり得ることになっていた。
だから俺が、その簡易的なほうのそれで、風紀委員長であるブレイン殿下から手心を加えてもらうのを期待しているとでも思ったんだろう。
もちろん俺は、そんなチャチな策を弄するつもりはない。
どうせやるからには、徹底的に!だろ。
「……いいえ、どうせなら最上級の、すべての先生方の出席と、校長と理事長も立ち会いされるものでお願いしたいと思います」
「なっ!?そんなこと言っていいのか、ダグラス!?」
「えぇ、もちろん。こちらに非はないですから」
毅然とした態度でうなずけば、担任教師は目線をさまよわせてくる。
この最上級の査問会というのは、校内の教師すべてと校長、そして理事長が出席し、さらには風紀委員にも召集がかかる。
そこで決められたことは絶対で、教師といえど、その決定いかんによっては処分はまぬがれないものだった。
たぶん転入したてかつ、成りあがり系男爵家のベルでは、決して知り得ないものだったハズだ。
そして、このテイラーがつるし上げを食らうシナリオに改変した侵食者にしても、きっと査問会の存在は知らなかったと思う。
なぜなら査問会自体、ゲームの世界観を深めるための設定として決められたものの、めったに開催されることがないという設定のせいで、特に本編には関係がなかったために一般には情報として公開されなかったから。
もちろん『俺』は『星華の刻』のスタッフのひとりだったからこそ、その非公開情報も知っていたし、こちらの世界でもテイラーはダグラス家の一員として知り得ていた。
だから査問会の開催を要求するのは、あまりおかしななことではないと思う。
……まぁ、ふだんは『悪名高きダグラス家』なんて揶揄されることが多いけれど、これでも我が家は名門とされる歴の長い伯爵家のひとつではあるからな。
こういうとき、そんな家柄がモノを言う。
「なるほど、ダグラスの意思は固そうだな……ならばこの俺が、責任をもって開催を今すぐ呼びかけよう」
そして担任教師が余計なことを言い出さないうちに、リオン殿下がアシストしてくれた。
「静粛に!それでは定刻になりましたので、これより査問会をはじめます!開会に先立ちまして、委員の出欠を確認します。本日の欠席は3名で、査問会設置要綱における開催要件の『定数の3分の2以上の出席』の規定を満たしていることを確認します」
声をはりあげる教頭に、その場は静まりかえる。
自分から言い出したこととはいえ、やっぱりこういう場は堅苦しくてあまり好きじゃない。
でも、俺にかけられた冤罪は晴らしておきたかったから、仕方なかった。
チラリと見れば部屋の最奥には、壁を背にした教師たちが横一列にならんで腰かけている。
その前には、細かな意匠の彫りこまれた飴色に光る木のカウンターが設置されていた。
天井からぶら下がる、やけに豪華なシャンデリアをのぞけば、うん、いかにも裁判所っぽいな!
よく見れば、はしのほうではあるけれど、セラーノ先生もそこにいた。
糸目だから判別しにくくはあるけれど、目が合えば、そっと口もとをゆるめて笑いかけてくれる。
ほんの小さなことだったけれど、それでも少しだけ心があたたかくなった。
そんなセラーノ先生たち査問委員の前に直角になるようにもうけられたベンチには、おたがいに向かい合うようにして俺が上手と、ベルたちは下手にわかれ、背もたれのある木のベンチに腰かけていた。
これが被告側の席と、原告側の席だ。
もちろん今回は、俺が上手の被告人席のほうだった。
そしておまけのように俺たちのうしろには、それぞれ風紀委員がやはり壁を背にして、ずらりとカウンター付きの座席にスタンバっていた。
彼らには俺がブレイン殿下の協力者だということはバレているから、複雑な思いで見守られているんだろう。
なんか背後から、プレッシャーのようなものを感じるな?!
俺から見て左手側には傍聴席がある。
そのいちばん前のベンチだけは、ほかの席とは離れていて、うしろには一般の傍聴席とそれとをわける腰壁が、背もたれをかねてついている。
その手前のベンチには、それぞれ証人や弁護のための人が座っていた。
ベルと担任教師の側には、あたりまえだけどパレルモ様がいる。
もちろん、その取りまきであるジミーは横にひかえているし、それ以外の信者もいるせいでベンチはぎゅうぎゅうだ。
そして俺のほうには、当事者であるリオン殿下と、俺の唯一の友人であるセブンともうひとり座っていた。
そう、ふたりはさておき、おどろいたことにカイエンまでもがこちらに座ってくれていたんだ。
うわ、豪華だな?!
よく見ないでもこの査問会、『星華の刻』のメインメンバーそろい踏みじゃん!!
ていうか、てっきりカイエンはパレルモ様についていてあげるのかと思ってたわ……。
「この査問会においては、この場で出される査問結果がすべてであり、ひとたび決定されたものにたいしての反論は認められません。そのため、問われるものだけでなく問うものもまた、その発言にはウソなく誠実でなくてはなりません。また、すべての発言は記録されます」
じっとりとした熱気につつまれた室内に、定例的な文章を読みあげる教頭の声だけが響く。
その被告人側の席にまっすぐに背すじをのばし、凛として前を見つめたまま、俺はひとりで腰かけていた。
反対の原告側の席には、担任教師とベルのふたりが腰かけていて、ふたりともになんだか顔色が悪い。
これだけ見ていると、被告と原告が逆みたいだよな……。
まぁ、そりゃ俺だって本当は手がふるえそうなくらいには、緊張しているんだけど。
でもそんな弱いところを見せたら、この場では負けだと思っていた。
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