ここは弊社のゲームです~ただしBLゲーではないはずなのに!~

マツヲ。

文字の大きさ
上 下
78 / 188

*78:たっぷりの愛撫に、とろけ出す理性*

しおりを挟む
*しょっぱなから閲覧時周囲の視線に注意なので、各自の自己責任でご覧ください。
*そういう描写が苦手な方は、読み飛ばし推奨。






 なんというか、やっぱりはずかしすぎる。
 シラフのままにその準備をされるというのは、とんでもない羞恥心を呼び起こすことだった。

 いや、だってそこは本来排泄のためにしか使わない場所なのに、そんなところをやんごとなき王子様に指でていねいにほぐされるとか、もう申し訳ないやらはずかしいやらで、いつでも死ねると思う。
 なんで、OKしてしまったんだろうかと、少し前の自分に文句を言いたかった。

 ……でも、そのはずかしさ以上に相手のことを優先したい、なんでもしてあげたいって思ってしまったんだから、しょうがないだろ!
 我ながら、本当にあり得ないことだとは思うんだけど……。

「も、いいですから……っ!」
「まだダメだよ?だってキミのからだは抱かれることに慣れていないのだから、ちゃんとほぐしてあげないと」
 されていることにも、そしてそのポーズにもはずかしさは増してきて、耐えきれなくなったところで声をあげれば、しかしそれはすぐに却下された。

「だ、『抱かれる』って……」
「もちろん、そのつもりだろう?大丈夫、いっぱいやさしくして、気持ちよくしてあげるよ」
 いや、たしかにそうなんだけど、いざ口に出して言われると、あいかわらず動揺してしまう。

 今も止まることなくほぐされているそこは、最初は1本しか入っていなかった指も、今やその倍に増やされ、さらには根元まで深々と飲み込んでいた。
 狭いところをじっくりとほぐすような、クチクチというつつましやかだった音も、グチュグチュという大胆でいやらしい水音へと変化していた。

「ひっ、あ……あぅ……」
 なんだよ、これ!?
 指先が内壁をこすりあげてくるたびに、腰から背中にかけて甘い刺激がかけあがり、勝手に腰がゆれてしまう。
 おかげで、さっきからガマンしようとしているのに、変な声が止まらない。

 男のあえぎ声なんて、聞いたところで、楽しくもなんともないだろうに……さっきからブレイン殿下はなにが楽しいのか、俺の口からこらえきれずに声があがるたびに、うれしそうにそこをかきまわしてくる。

 クプ、グチュリ……
 何度も足されたローションですっかりとぬかるんだそこからは、ゆっくりとかきまわされるたびに湿った音が響いた。

 はずかしい、なんてモンじゃない!
 いっそ耳もふさいでしまいたかったけれど、あいにくと両腕ともに、からだをささえるためにベッドへとついているせいで、どうしようもなかった。

「……うん、そうやって私のすることに、いちいち反応を示してくれるのもまた、とってもかわいいよ」
 チュと音を立てて背中に何度もキスをふり散らされながら、さらに褒められる。
 もちろんその間も、そこを責め立てる指は止まる気配もない。

 だから、そういうのが居たたまれないんだってば!
 そう言いたいのに、口を開けば、ただもう情けないあえぎ声がもれてしまいそうで、必死に歯を噛みしめるしかできなかった。

「うぅ……っ」
 ヤバい、褒められ慣れてないせいで、こんなときどう反応をしていいのか、わかんないんだよ……!
 おかげで、ほっぺたどころか耳まで真っ赤に染まっているだろうし、よくわからないくぐもった声だけが出る。

「やめ、も、ホントに……っ!」
 なんだかさっきから、からだがおかしい。
 腰の奥がジンジンとして、下腹部にこもった熱が、解放されるときをじっと待つように蓄積されていく一方だ。

「ダメだよ、私の手でさんざんに乱れるキミの姿が見たいんだから、やめてあげないよ?」
「な、なんで……アゥっ!?」
 いっそ、ただの性欲処理の相手としてあつかわれたほうが、まだマシだった。

 こんなの、耐えられるわけがない!
 だって相手は、俺のことを気持ちよくさせようとしているのがわかる。
 絶対に傷つけないようにという、気づかいの感じられるソフトタッチでの責め苦は、いっそもどかしさが募るほどだった。

 なのにブレイン殿下は、ほんの数日前、さんざん俺のからだをむさぼったばかりなだけに、どこをどう責められたら弱いのかまで、バッチリおぼえられていた。
 つまり、こっちが感じる場所だけは的確なのに、触りかたはやたらとやさしくて、なんならちょっと物足りない。

 そんなの───もっと欲しくなるに決まってるだろ、バカ!!
 作戦勝ちだよ、あんたのな!!
 そう、心のなかで白旗をあげる。

「はぁ……んっ!っく、アァッ!」
 もはや相手の指先がどんな動きをしても気持ちよくて、責められつづけている内側は、もっと奥まで来てほしいとばかりに、貪欲にさらなる刺激を期待してわなないている。

 クソ、俺のからだなのに、全然言うことを聞いてくれない……!!
 上半身をささえるためについていた腕からも、ともすれば力が抜けていきそうだった。
 そうなれば当然、尻だけを高々とあげているケモノのようなポーズになってしまう。

 そんなの、さすがにイカンヤツだろ?!
 かろうじてのこっている理性が拒否しようとするのに、ブレイン殿下からの責め苦はやさしいながらも、まったく容赦がなかった。

「ここ、トントンされるのは好きなんでしょう?フフ、さっきからヒクヒクしちゃって、そんなに気持ちいいのかい?」
「ひぅっ!アッ、アッ!?やっ、ダメぇ……!」
 2本の指が余裕で出し入れできるのをいいことに、リズミカルに前立腺のあたりを裏からタップするように刺激されて、からだは小刻みにふるえ、視界は明滅する。

「よしよし、イイコだね?後ろだけでも、だいぶ反応してるじゃないか?せっかくだから、もっといっぱい気持ちよくなろうね?」
 気がつけば、ずっと後ろばかりを弄られていて触られてもなかったハズなのに、前までもが、ゆるやかに反応して硬くなりはじめていた。

「な、なにを……っ!?」
 こちらを見下ろし、にっこりと笑いかけてくるブレイン殿下の瞳は、やっぱり捕食者のそれになっている。
 それを目にした瞬間、期待なのか恐怖なのかわからないままに、心拍数はあがっていったのだった。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

目覚めたそこはBLゲームの中だった。

BL
ーーパッパー!! キキーッ! …ドンッ!! 鳴り響くトラックのクラクションと闇夜を一点だけ照らすヘッドライト‥ 身体が曲線を描いて宙に浮く… 全ての景色がスローモーションで… 全身を襲う痛みと共に訪れた闇は変に心地よくて、目を開けたらそこは――‥ 『ぇ゙ッ・・・ ここ、どこ!?』 異世界だった。 否、 腐女子だった姉ちゃんが愛用していた『ファンタジア王国と精霊の愛し子』とかいう… なんとも最悪なことに乙女ゲームは乙女ゲームでも… BLゲームの世界だった。

主人公の兄になったなんて知らない

さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を レインは知らない自分が神に愛されている事を 表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される

田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた! なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。 婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?! 従者×悪役令息

攻略対象者やメインキャラクター達がモブの僕に構うせいでゲーム主人公(ユーザー)達から目の敵にされています。

BL
───…ログインしました。 無機質な音声と共に目を開けると、未知なる世界… 否、何度も見たことがある乙女ゲームの世界にいた。 そもそも何故こうなったのか…。経緯は人工頭脳とそのテクノロジー技術を使った仮想現実アトラクション体感型MMORPGのV Rゲームを開発し、ユーザーに提供していたのだけど、ある日バグが起きる───。それも、ウィルスに侵されバグが起きた人工頭脳により、ゲームのユーザーが現実世界に戻れなくなった。否、人質となってしまい、会社の命運と彼らの解放を掛けてゲームを作りストーリーと設定、筋書きを熟知している僕が中からバグを見つけ対応することになったけど… ゲームさながら主人公を楽しんでもらってるユーザーたちに変に見つかって騒がれるのも面倒だからと、ゲーム案内人を使って、モブの配役に着いたはずが・・・ 『これはなかなか… 面白い方ですね。正直、悪魔が勇者とか神子とか聖女とかを狙うだなんてベタすぎてつまらないと思っていましたが、案外、貴方のほうが楽しめそうですね』 「は…!?いや、待って待って!!僕、モブだからッッそれ、主人公とかヒロインの役目!!」 本来、主人公や聖女、ヒロインを襲撃するはずの上級悪魔が… なぜに、モブの僕に構う!?そこは絡まないでくださいっっ!! 『……また、お一人なんですか?』 なぜ、人間族を毛嫌いしているエルフ族の先代魔王様と会うんですかね…!? 『ハァ、子供が… 無茶をしないでください』 なぜ、隠しキャラのあなたが目の前にいるんですか!!!っていうか、こう見えて既に成人してるんですがッ! 「…ちょっと待って!!なんか、おかしい!主人公たちはあっっち!!!僕、モブなんで…!!」 ただでさえ、コミュ症で人と関わりたくないのに、バグを見つけてサクッと直す否、倒したら終わりだと思ってたのに… 自分でも気づかないうちにメインキャラクターたちに囲われ、ユーザー否、主人公たちからは睨まれ… 「僕、モブなんだけど」 ん゙ん゙ッ!?……あれ?もしかして、バレてる!?待って待って!!!ちょっ、と…待ってッ!?僕、モブ!!主人公あっち!!! ───だけど、これはまだ… ほんの序の口に過ぎなかった。

処理中です...