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26:翌朝につづく羞恥プレイ
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もしこれがゲームのなかならば、『じゃあこれからは、私が毎朝起こしてあげますね』なんてヒロインがかえして、『それは……とてもしあわせな朝のむかえかたかもしれないね……』なんていう甘ったるいやりとりがある。
けれど、あいにくと俺には、そんなかわいらしいセリフを口にするつもりはなかった。
「……そりゃ、あんだけガッつけば、体力も尽きるでしょうしね。おかげで『魅了香』の効果が切れてるはずなのに、今朝も結局起き上がれそうにないんですけれど」
「プッ、それはすまなかったね」
痛みを訴えてくる胸を無視して、苦情を口にすれば、相手は吹き出して破顔する。
どうせ俺にはかわいいことなんて言えないし、そういうキャラじゃないのはわかってるから。
それに今さらつくろったところで、モブなら攻略キャラクターからの好感度がどうなろうと知ったこっちゃないし、意味ないだろ。
「それで、一応おうかがいしますけど───ここはどこなんでしょうか?」
「うん?私の部屋だね」
なかば予想をしていたこととはいえ、あらためて突きつけられた事実にめまいがしそうだった。
「そのまま保健室に放置してくれて、よろしかったんですけども……」
「───そうしたら、朝イチ出勤してくるセラーノにキミのしどけない姿が見られてしまうだろう?」
どうしてこんなところまで連れ帰ってきたのかと言外に問えば、ブレイン殿下はその顔をくもらせる。
「俺の姿……?」
そんなもの見たところで、なんとも思わないだろうに。
それどころか、見苦しいものを見せられたと、苦情を申し立てられてもおかしくはないと思う。
───あぁ、でもそういえば昨夜はイヤだと言ったのに、殿下からはたくさん痕をつけられたっけ───って、そうだ、それだ!!
とたんに色々と酔っていたときのあいまいな記憶にすぎなかったハズのそれが、鮮明な記憶となってよみがえってきた。
ヤバい、はずかしくて死にそうだ。
───いや、そうじゃない、今すぐはずか死ねる。
顔が熱いとかじゃ済まなくて、そこら中を転げまわりたいレベルで身もだえしそうだった。
なにしろ昨夜、セラーノに飲まされた特製の解毒剤は、自白剤の成分を多分にふくんだものだったから。
そのせいで、昨日の俺はとても口が軽くなってしまっていた。
それこそ、どんなにはずかしいことを問われようと、すなおにこたえてしまうくらいには。
『フフ、気持ちイイですか?キミはここが好きみたいですからね、ほら、言って?気持ちイイのかどうかを』
耳打ちされた昨晩のこの悪魔のささやきが、突如としてよみがえってきて、居たたまれないなんてモンじゃない!
そんな羞恥心をあおるような質問にすら、自白剤の成分は作用してくるから……結局俺はすなおにこたえてしまったんだ。
あぁクソ、今すぐ俺を死なせてくれ!!
───いや、いいわけをするならあれは不可抗力というか、断じて俺は悪くない!
あんなエロボイスを耳もとでささやかれてみろ、だれだってきっと、すなおにこたえちゃうと思うから!
そりゃ『星華の刻』はフルボイスアニメーションが売りの恋愛シミュレーションゲームだから、攻略キャラたちのCVも人気の声優さんがあててるわけだし、いい声なのも納得だけど!
昨夜のアレなんて、まさに『それなんて羞恥プレイ』ってヤツじゃねーか!!
「うぅ……、消えてしまいたい……」
「ダメだよ、キミを逃がしてなんてあげないから」
「そんなに俺みたいなモブからかって、なにが楽しいんですか、ブレイン殿下!?」
思わず口をついて出た泣きごとを拾われ、ますます胃が痛くなりそうだ。
それにしたって、とふと冷静になる自分がいる。
ブレイン殿下に担がれたままお持ち帰りされて───はじめてのハズなのにしっかりトロかされて、気がついたらベッドのなかで朝をむかえちゃってたとか、恐ろしすぎるだろ!!
なんという早業。
なんというお色気。
さすがは『耳から孕まされる』とファンが認めた『エロ・テロリスト』だけはある!
「朝からキミはおもしろい子だね、本当に見飽きないというか……」
目の前でフワリとほほえみを浮かべる顔は、キラキラとまるで発光しているかのように美しい。
やはり神がかり的なまでのビジュアルの良さは、攻略がむずかしいと言われる隠しキャラだけある。
その圧倒的ビジュアルに加えて、腰にクる美声。
耳もとでささやかれるだけで、こちらの理性なんて簡単に溶かしてしまうそれの威力は、昨晩イヤというほど味わわされたから知っている。
「と、とりあえず自室にもどりますね……!今回かけたご迷惑は、いずれ正式にお詫びいたしますので!」
まずは冷静になるためにも、この場を辞そうとしたのに、直後にとんでもないひとことがかえされた。
「全裸で、かい?」
「ハイッ?!」
どういうことなんです??
「昨晩キミが着ていた服なら汚れてしまったから、ここへもどるついでに洗濯に出したよ?だから乾くまで、当分かかると思うけど……」
「えぇっ!?」
そっか、そりゃそうですよね?
保健室から俺を運ぶにしたって、相当ヤバい姿してましたもんね、あのときの俺ら。
おたがいの精液だとかローションだとかにまみれて、ほかにも汗とかよだれとか、なんかいろいろ見苦しくなってたはずなのに、今はそんなことはないということは。
───あの状態の俺を、だれかがお世話をしてくれたってことじゃん!?
それ、だれなんだよ?!
ブレイン殿下本人なら申し訳なさすぎて五体投地であやまらなければだし、それ以外の人がいたとしてもそんな姿の俺を見られたかと思ったら、今すぐ穴掘りダイブをカマしたい気分だった。
けれど、あいにくと俺には、そんなかわいらしいセリフを口にするつもりはなかった。
「……そりゃ、あんだけガッつけば、体力も尽きるでしょうしね。おかげで『魅了香』の効果が切れてるはずなのに、今朝も結局起き上がれそうにないんですけれど」
「プッ、それはすまなかったね」
痛みを訴えてくる胸を無視して、苦情を口にすれば、相手は吹き出して破顔する。
どうせ俺にはかわいいことなんて言えないし、そういうキャラじゃないのはわかってるから。
それに今さらつくろったところで、モブなら攻略キャラクターからの好感度がどうなろうと知ったこっちゃないし、意味ないだろ。
「それで、一応おうかがいしますけど───ここはどこなんでしょうか?」
「うん?私の部屋だね」
なかば予想をしていたこととはいえ、あらためて突きつけられた事実にめまいがしそうだった。
「そのまま保健室に放置してくれて、よろしかったんですけども……」
「───そうしたら、朝イチ出勤してくるセラーノにキミのしどけない姿が見られてしまうだろう?」
どうしてこんなところまで連れ帰ってきたのかと言外に問えば、ブレイン殿下はその顔をくもらせる。
「俺の姿……?」
そんなもの見たところで、なんとも思わないだろうに。
それどころか、見苦しいものを見せられたと、苦情を申し立てられてもおかしくはないと思う。
───あぁ、でもそういえば昨夜はイヤだと言ったのに、殿下からはたくさん痕をつけられたっけ───って、そうだ、それだ!!
とたんに色々と酔っていたときのあいまいな記憶にすぎなかったハズのそれが、鮮明な記憶となってよみがえってきた。
ヤバい、はずかしくて死にそうだ。
───いや、そうじゃない、今すぐはずか死ねる。
顔が熱いとかじゃ済まなくて、そこら中を転げまわりたいレベルで身もだえしそうだった。
なにしろ昨夜、セラーノに飲まされた特製の解毒剤は、自白剤の成分を多分にふくんだものだったから。
そのせいで、昨日の俺はとても口が軽くなってしまっていた。
それこそ、どんなにはずかしいことを問われようと、すなおにこたえてしまうくらいには。
『フフ、気持ちイイですか?キミはここが好きみたいですからね、ほら、言って?気持ちイイのかどうかを』
耳打ちされた昨晩のこの悪魔のささやきが、突如としてよみがえってきて、居たたまれないなんてモンじゃない!
そんな羞恥心をあおるような質問にすら、自白剤の成分は作用してくるから……結局俺はすなおにこたえてしまったんだ。
あぁクソ、今すぐ俺を死なせてくれ!!
───いや、いいわけをするならあれは不可抗力というか、断じて俺は悪くない!
あんなエロボイスを耳もとでささやかれてみろ、だれだってきっと、すなおにこたえちゃうと思うから!
そりゃ『星華の刻』はフルボイスアニメーションが売りの恋愛シミュレーションゲームだから、攻略キャラたちのCVも人気の声優さんがあててるわけだし、いい声なのも納得だけど!
昨夜のアレなんて、まさに『それなんて羞恥プレイ』ってヤツじゃねーか!!
「うぅ……、消えてしまいたい……」
「ダメだよ、キミを逃がしてなんてあげないから」
「そんなに俺みたいなモブからかって、なにが楽しいんですか、ブレイン殿下!?」
思わず口をついて出た泣きごとを拾われ、ますます胃が痛くなりそうだ。
それにしたって、とふと冷静になる自分がいる。
ブレイン殿下に担がれたままお持ち帰りされて───はじめてのハズなのにしっかりトロかされて、気がついたらベッドのなかで朝をむかえちゃってたとか、恐ろしすぎるだろ!!
なんという早業。
なんというお色気。
さすがは『耳から孕まされる』とファンが認めた『エロ・テロリスト』だけはある!
「朝からキミはおもしろい子だね、本当に見飽きないというか……」
目の前でフワリとほほえみを浮かべる顔は、キラキラとまるで発光しているかのように美しい。
やはり神がかり的なまでのビジュアルの良さは、攻略がむずかしいと言われる隠しキャラだけある。
その圧倒的ビジュアルに加えて、腰にクる美声。
耳もとでささやかれるだけで、こちらの理性なんて簡単に溶かしてしまうそれの威力は、昨晩イヤというほど味わわされたから知っている。
「と、とりあえず自室にもどりますね……!今回かけたご迷惑は、いずれ正式にお詫びいたしますので!」
まずは冷静になるためにも、この場を辞そうとしたのに、直後にとんでもないひとことがかえされた。
「全裸で、かい?」
「ハイッ?!」
どういうことなんです??
「昨晩キミが着ていた服なら汚れてしまったから、ここへもどるついでに洗濯に出したよ?だから乾くまで、当分かかると思うけど……」
「えぇっ!?」
そっか、そりゃそうですよね?
保健室から俺を運ぶにしたって、相当ヤバい姿してましたもんね、あのときの俺ら。
おたがいの精液だとかローションだとかにまみれて、ほかにも汗とかよだれとか、なんかいろいろ見苦しくなってたはずなのに、今はそんなことはないということは。
───あの状態の俺を、だれかがお世話をしてくれたってことじゃん!?
それ、だれなんだよ?!
ブレイン殿下本人なら申し訳なさすぎて五体投地であやまらなければだし、それ以外の人がいたとしてもそんな姿の俺を見られたかと思ったら、今すぐ穴掘りダイブをカマしたい気分だった。
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