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*Ep.6 押し寄せる地獄のような展開*

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*若干のグロ表現あり。
*モンス姦も若干あります。各自お気をつけください。




 軽くマントを羽織っただけの彼らはほぼ全裸に近く、防具はおろか、服すらロクに身につけていない。
 ついでにお酒の入った脳では判断力も鈍り、おかげでふだんの力なんてまったく発揮できないに等しかった。

 ボクだって、できることなら逃げたかった。
 だけど腰をつかんで下から突き上げてくるレゴッドは、それをやめる気配もないまま、サイラスたちに対応をまかせっきりにしている。

「いや、たかがグラシュティンだろ?」
 少しは冷静さを取り戻したのか、足を止めたサイラスはそう口にした。
「そ、そうですね、私たちなら何度も倒してきた相手じゃないですか!」
 それに便乗するように、ジャーナムも口にする。

 そうしているうちにグラシュティンは部屋のなかをひとしきりながめ、必死に下着やら服を身につけているサイラスたちやその奥でまぐわうボクたちではなく、足もとで倒れ込んでいる男を見下ろして、いなないた。

 ボクを抱くのに夢中だったレゴッドが吐精したところで満足したように、ようやく重い腰をあげたころ、グラシュティンは片腕を失った男をおもむろにつかむと、残った腕を引きちぎり、そして食べはじめたところだった。
 その引きちぎられる痛みに失いかけていた意識がもどった男は絶叫し………そして、二度と口を開くことはなくなる。

 ぼりぼりという骨を噛み砕く音と、クチャクチャという肉を咀嚼する音がその場に響き、もうボクは恐怖で気を失いそうだった。
 ただでさえ3人の相手を終えたばかりのボクは、さらにその恐怖で足腰が立たなくなっていて、逃げ出そうにも全然自分のからだが言うことを聞いてくれなかった。

 でも彼らなら、このダンジョンにもぐる冒険者のなかでは上位クラスであるわけだし、きっとボスだろうと倒せるはず!
 そう思ったのも、つかの間だった。

「ウオォ!」
 裂帛の気合いとともにバトルアックスをふりかぶったレゴッドが、重戦士としての必殺の一撃をグラシュティンにお見舞いしようと襲いかかる。
 サイラスたちとちがって、直前までボクを抱いていたせいで、防具はおろか、服すら着られていなかったけど。

 だけどそんな彼の渾身の一撃は、グラシュティンによって難なく受け止められた。
「なっ!?」
 そして無造作にふるわれた腕ではじき飛ばされ、壁にぶつかってくずれ落ちる。

「ヒッ!」
 悲鳴を上げたのは、サイラスだったか、それともジャーナムだったか。
 いずれにしても、臆病風に吹かれたものであったのは言うまでもない。

 グラシュティンは今度は壁に向かって歩くと、意識のないレゴッドのあたまをつかんで持ち上げ、そのまま力を込めてにぎりつぶした。
 グシャ、という音ともに周囲に音を立てて真っ赤ななにかが飛び散る。

「ヒィッ!」
 もうボクは恐怖のあまりに、気が触れてしまいそうだった。
 これまでなら、このパーティーではタンクとして活躍していたレゴッドは、どんなモンスターの攻撃も軽々と受け止めていたはずなのに……!?

 そしてそのままヤツは腹を減らしていたのか、壁に向いたまま、その手にぶら下がるレゴッドだったモノをちぎって食べはじめた。
 さっきまで生きていたはずの人が、目の前で殺され、食われていく。
 その地獄のような景色は、二度と忘れられないトラウマをボクの心へと植えつけてきた。

「お、オレは逃げる!テメェらが囮となって時間を稼げ!」
 そして腰を抜かしたボクの右足をつかんで腱を切ったサイラスは、かえす剣で隣に立つジャーナムのからだにも切りつけ、ロクに防具も身につけられないまま、必死に脱ぎ散らかしたそれを抱えて逃げ出していった。

「あ、あぁ……」
 サイラスの蛮行を、ただ見送ることしかできなかった。
 だってもう、切られた右足首が痛くて、灼けるように熱い。

 それになにより、いつもとちがう動きを見せるグラシュティンが怖くて、歯の根が合わなくなっていた。
 カチカチとなる歯の音に、どうか気づかれませんように!
 そう祈ったところで、むだな話だった。

 サイラスに切られたからだから血を流したまま、必死に攻撃魔法や睡眠魔法、麻痺魔法を唱えるジャーナムの奮闘もむなしく、グラシュティンには一向にダメージがとおったようにも見えなくて。
 ふだんなら、ジャーナムの魔法で足止めをして、向こうからの攻撃はレゴッドが受け切り、そしてバフをかけられたサイラスがトドメを刺すという戦法で勝てていたのに……。

 いったい、このグラシュティンにはなにが起きているんだろうか?!
 ただでさえ、フロアボスが別の部屋まで移動してくるなんて、ふつうのダンジョンならあり得ないことが起きているというのに……。
 ただ、イヤな予感だけはひしひしと伝わってきていた。

 レゴッドを食べちらかしたグラシュティンはボクたちのほうへと向き直る。
 それでも怯えるボクをかばうように、位置どるジャーナムは、ふたたび魔法を発動させようと呪文の詠唱に入る。
 けれどそんな彼を、まるでうっとうしい虫でも払うかのような動きで、軽々とグラシュティンははじき飛ばした。

「あぁっ!!」
 声もなく、たったその一撃でジャーナムは壁にぶつかり、首がおかしな向きに曲がったままその場でくずれ落ちていく。
 即死なのは明らかだった。

 血を流しながら倒れているジャーナムには、みじんも興味を示さなかったグラシュティンは、ふたたびゆらゆらと上体をゆらしながらこちらに向かって歩いてくると、ボクの前で立ち止まる。
 もう、生きた心地はしなかった。

 さっきまで3人がかりで何度も抱かれ、その欲望を吐き出されていたボクは、全裸のまま白濁にまみれていた。
 つまり、この恐ろしいモンスターを前にして武器や防具はおろか、服さえもなく、ただ無防備に裸体をさらしているだけだ。

 きっとボクも、レゴッドとおなじように引きちぎられ、食べられてしまうんだ!
 その馬に似た頭部がズイッと目の前に近づいてきたとき、その口もとからただよう血なまぐさい臭いに、悲惨な己の死を覚悟した。

 けれど、フゴフゴとこちらの匂いを嗅いできたグラシュティンは、ベロリとその大きな舌でボクをなめると、興奮したように何度もなめてきた。
 そして、みるみるうちに、股間のモノが屹立していく。

「ヒッ……!」
 さっきまでボクを責め立てていたレゴッドのそれもたいがい立派で苦しかったけれど、それとは比べものにならないくらいに立派な、イキリ立ったモノが顔に押しつけられる。
 すえた臭いに、よりいっそう吐き気が込みあげてきた。

「や、やだ、来ないで……っ!!」
 だけどそんなボクの拒絶の声は、なんの役にも立たなくて。
 鼻息を荒くしたグラシュティンがのしかかってくると、身動きなんてとれやしない。

 ───そして、そのままボクはグラシュティンに犯された。

 もとから右足の腱を切られ、逃げ出しようもなくて。
 それに加えて、からだの大きなグラシュティンにのしかかられては、ボクでは身動きひとつできなくて当然だ。
 おかげで相手に隙があったところで、その場から逃げ出すすべはなかった。

 ズチュッ、バチュン!
「いやあぁぁ!!」
 内臓ごと引きずり出されそうなほどに強烈にくりかえされる抽挿に、息をすることも忘れそうになる。

 痛い、苦しい……!
 叫び声をあげたところで、もうだれも助けてくれる人はいない。
 それどころか、周囲には生きている人の姿すら見当たらなかった。

 そのときのボクにとって、まちがいなくそこは地獄だった。
 永遠にくりかえされる激しい陵辱の嵐に、涙が止まることはない。
 口からもれる悲鳴は、次第にかすれていく。

 直前に男たちに抱かれていたボクが、グラシュティンにとってのメスと認定されたからこそ、その場で殺されて食料となることはなかったのかもしれない。
 でも結果的に、それがボクにとって幸いだったのかどうかはわからない。
 ただ、そのせいで今、死ぬよりも苦しい思いを味わわされることになっているのだけは、まちがいなかった。
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