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国王の憂鬱

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ここは国王の執務室。重鎮たちが勢揃いしている。

「はぁ~やってくれたな、あのバカ息子め!」

「ホントですよ。」

「僕、一応国王なんだけど?ちょっとは否定してくれない?」

「否定もクソもないですよ。あの全てにおいて完璧と称されているリリアーヌ嬢に婚約破棄を突きつけるとかバカじゃないですか?しかも冤罪。全くどんな教育をしたらあんなのが出来上がるんですか?まあ私もですけどね。」

「もうやめて!」

と、こんな会話をしているのはこの国の王と宰相である。もちろん他にも、騒動を起こした息子の父親である団長2人もいる。

「ほんとにリリアーヌ嬢には申し訳ないことをした。まあ、あの状況を楽しんでたような気がするがな…」

「そうでしょうね、あそこは親子揃って面白いことが好きですもんね。」

「ねえ、やっぱりそう思う!?しかも第二王子との婚約を提案したときのあの顔!僕にしか見えないようにすんごく嫌そうな顔してたの!」

「あの時の陛下、バカなんじゃないですか?王家に繋ぎ止めておきたいとはいえあの時の提案はちょっと…」

宰相が憂いた表情をしながらしっかりと目は国王を蔑んでいる。

「お前は器用なやつだな!あと、騒動を起こした奴らは?」

「侍従たちに頼んで屋敷に突っ込みました。」

「私もです。」

「自宅で謹慎させています。」

宰相、騎士団長、魔法師団長と答えていく。

「今のところはそれでいい。だが近頃公爵家と話をせねばな…」

「陛下…」

「お前か」

黒い人影がどこからか現れてくる。

「報告がございます。」

「なんだ?嫌な予感がするぞ?」

「当たってます。リリアーヌ嬢は会場を出たあと、騎士団の副団長にプロポーズされてそのまま彼の屋敷に連れてかれました。もちろん同意の上です。」

「なんだと!?」

「まだあります。その後、我々がいるのに2人とも気づいているのにも関わらず…まあ、何というか…」

「なんだ早く言え。」

「……床入りされました。既成事実ってやつですね。」

「「「「はあ?」」」」

流石にこの報告には宰相含め、団長2人も素っ頓狂な声を出した。

「床入り?間違いじゃないのか?」

「我々が間違えるとでも?なんなら血のついたシーツ持って帰ってきましょうか?」

「いや、いい。疑って悪かった。」

国王はなんとも言えない表情をしている。

「ははっ!まさか既成事実とは!思ったよりやりますね。これで王家に嫁ぐことは無理になりましたね。陛下があの場所であんなこと言わなければ床入りするなんてことはなかったでしょうに。しかも絶対面白がってますね、陛下の絶望する顔でも見たかったんでしょうか?」

「言わないで!もう泣きそう」

「陛下が泣こうとどうでもいいんですが…」

「どうでもいいとか言わないd「どうでもいいですよ、ちょっと黙っててください。」

宰相に一瞥されて国王は黙る。

「これはお二人の婚姻を認めざる得ないですね。でないと公爵家に何されるか分かったもんじゃない。最悪王家まるごと潰されますよ。俺宰相辞めよっかな…」

「辞めないで!本当に王家が潰される!」

「うるさいですよ。あの家の行動動悸は面白いかどうかですからね。面白半分で我々殺されるかもしれないですね」

宰相はそう言いながらケラケラ笑っている。

「もう全力で謝るしかないですね。あちらが出してきた条件はほぼ全部のまなければ…。明日使いを出しましょう。もちろん騒動を起こした本人たちの処罰はキツめにしなければ…。皆さん、いいですね?」

「「ああ」」

宰相の言葉に全員が肯定の意をとなえる。

「王とは?」

なんやら国王は嘆いているが、全員がそれどころではなく無視された。
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