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地獄の柔軟
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騎士に認めてもらい、サラは正式に稽古をつけることとなった。そうなれば話は早い。怪我をしにくくするためにはまずは体を柔らかくする必要がある。早速チェックだ。
「じゃあまず柔軟チェックをします。2人1組になって1人は前屈、もう1人は後ろから体重をかけて押して。」
騎士たちは2人1組になり前屈をし始めた。すると悲鳴が聞こえる。
「ぎゃ~」
「痛い痛い」
「もっ、これ以上は死ぬ」
などなど様々だ。予想以上に皆が硬すぎる。騎士は体力を一番としているので柔軟性などかけらもない。死にそうな声を出している騎士もいて、押している騎士は一旦やめようとする。それに対しサラはにっこりと微笑む。
「体が硬いのはあなたたちの責任よ?押している方も死なない程度に押してください。あっ、もしかして肉離れするとか思ってます?大丈夫ですよ~。すぐに魔法で直してあげますから。手加減必要なし!」
強者の微笑みに逆らうものなど誰もいない。皆、容赦なく押しつぶす。訓練場に悲鳴が響き渡る。あまりにうるさすぎてサラは顔を顰める。そして自分の周りに防音結界を張る。少しはマシになるが余分な魔力は使いたくないので精度は低めのものにする。隣には副団長もいるので入れてあげる。
「セイン様、ありがとうございます。」
「セインでいいわ。反論は許さないから!」
副団長がふふ、と笑って承知しましたと言う。サラはにっこり微笑む。
すると先程までの温かい雰囲気と変わって副団長がニヤリとする。
「まるで断末魔ですね。普段言うことを聞かない騎士が悲鳴を上げているのを見るのは少し心地がいいです。」
「言うことを聞かない方がいらっしゃるのですか?」
「ええ、団長の言うことは皆聞くのですが私の話は聞かないって人が何人かいるんですよ。なめられたもんですねぇ。」
「そうなの?なら、いいストレス発散になっているんじゃないかしら?なんなら副団長様も団員たちを押してきてはどう?悲鳴が聞こえるような防音結界を耳だけにつけてあげるから。」
副団長の顔がぱあっと明るくなってその直後バキバキと指を鳴らす。そして清々しい笑顔でスタスタと1人の団員の元に向かっていく。すると今までにないくらいの悲鳴が聞こえる。
「ぎゃ~、痛い痛い痛い!部下を殺す気ですかっ」
「ほぉ~部下ね、副団長である私の言うことを聞かないあなたが部下ですか?なんて迷惑な部下なんでしょう、これはお仕置きが必要ですね。」
「わ~、すいませんすいませんすいません!これからは言うことを聞きますし敬意を持って接しますから許してくださいぃ~。」
ある意味懺悔に近い言葉を吐く団員に対して副団長はチッ、と舌打ちをして押すのをやめる。そしてくるりと振り返りあたりを見回すそして何か見つけたのか1人の団員に向かって歩いて行く。するとその団員含めた2人が副団長の前で土下座する。
「「我々も今まで申し訳ありませんでした!」」
「これからは言うことをちゃんと聞きます。」
「ですのでご勘弁くださいっ」
次々に叫ぶ。それに対して副団長は至極不機嫌そうな顔で言葉を発する。
「これじゃ俺のストレスが発散できないじゃないか。」
それに対して団員全員が「「「「(ストレス発散だったんかい)」」」」と心の中でつっこむ。するとこのやりとりを見ていたサラは笑顔で近づきながら語りかける。
「大丈夫ですよ~、まだここにいないものに稽古の内容を伝えて謝る前に押しつぶせばいいんですから。」
「流石です、セイン。では団員たちの柔軟は私自ら指南しましょう。」
「それはいい考えですね!一月後に皆がミミズみたいに柔らかくなるようにしておいてください。」
「仰せつかりました。このカイル、精一杯努めさせていただきます。」
副団長が悪魔の笑顔で応える。
皆の背中に冷や汗が流れたのは言うまでもない…
「じゃあまず柔軟チェックをします。2人1組になって1人は前屈、もう1人は後ろから体重をかけて押して。」
騎士たちは2人1組になり前屈をし始めた。すると悲鳴が聞こえる。
「ぎゃ~」
「痛い痛い」
「もっ、これ以上は死ぬ」
などなど様々だ。予想以上に皆が硬すぎる。騎士は体力を一番としているので柔軟性などかけらもない。死にそうな声を出している騎士もいて、押している騎士は一旦やめようとする。それに対しサラはにっこりと微笑む。
「体が硬いのはあなたたちの責任よ?押している方も死なない程度に押してください。あっ、もしかして肉離れするとか思ってます?大丈夫ですよ~。すぐに魔法で直してあげますから。手加減必要なし!」
強者の微笑みに逆らうものなど誰もいない。皆、容赦なく押しつぶす。訓練場に悲鳴が響き渡る。あまりにうるさすぎてサラは顔を顰める。そして自分の周りに防音結界を張る。少しはマシになるが余分な魔力は使いたくないので精度は低めのものにする。隣には副団長もいるので入れてあげる。
「セイン様、ありがとうございます。」
「セインでいいわ。反論は許さないから!」
副団長がふふ、と笑って承知しましたと言う。サラはにっこり微笑む。
すると先程までの温かい雰囲気と変わって副団長がニヤリとする。
「まるで断末魔ですね。普段言うことを聞かない騎士が悲鳴を上げているのを見るのは少し心地がいいです。」
「言うことを聞かない方がいらっしゃるのですか?」
「ええ、団長の言うことは皆聞くのですが私の話は聞かないって人が何人かいるんですよ。なめられたもんですねぇ。」
「そうなの?なら、いいストレス発散になっているんじゃないかしら?なんなら副団長様も団員たちを押してきてはどう?悲鳴が聞こえるような防音結界を耳だけにつけてあげるから。」
副団長の顔がぱあっと明るくなってその直後バキバキと指を鳴らす。そして清々しい笑顔でスタスタと1人の団員の元に向かっていく。すると今までにないくらいの悲鳴が聞こえる。
「ぎゃ~、痛い痛い痛い!部下を殺す気ですかっ」
「ほぉ~部下ね、副団長である私の言うことを聞かないあなたが部下ですか?なんて迷惑な部下なんでしょう、これはお仕置きが必要ですね。」
「わ~、すいませんすいませんすいません!これからは言うことを聞きますし敬意を持って接しますから許してくださいぃ~。」
ある意味懺悔に近い言葉を吐く団員に対して副団長はチッ、と舌打ちをして押すのをやめる。そしてくるりと振り返りあたりを見回すそして何か見つけたのか1人の団員に向かって歩いて行く。するとその団員含めた2人が副団長の前で土下座する。
「「我々も今まで申し訳ありませんでした!」」
「これからは言うことをちゃんと聞きます。」
「ですのでご勘弁くださいっ」
次々に叫ぶ。それに対して副団長は至極不機嫌そうな顔で言葉を発する。
「これじゃ俺のストレスが発散できないじゃないか。」
それに対して団員全員が「「「「(ストレス発散だったんかい)」」」」と心の中でつっこむ。するとこのやりとりを見ていたサラは笑顔で近づきながら語りかける。
「大丈夫ですよ~、まだここにいないものに稽古の内容を伝えて謝る前に押しつぶせばいいんですから。」
「流石です、セイン。では団員たちの柔軟は私自ら指南しましょう。」
「それはいい考えですね!一月後に皆がミミズみたいに柔らかくなるようにしておいてください。」
「仰せつかりました。このカイル、精一杯努めさせていただきます。」
副団長が悪魔の笑顔で応える。
皆の背中に冷や汗が流れたのは言うまでもない…
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