上 下
1 / 2

1

しおりを挟む

カチッ

高校に入学したての安斎澪はまるでパズルが揃ったかのように全てのことを思い出した。
目の前にいる推し、黒峰獅郎によって…



えっ!?
待って待って待って!
なんで推しが目の前にいるんだ!?
ヤバいヤバいヤバい!!

一旦落ち着こう深呼吸して

スゥーはぁー

よし!落ち着いた!まず整理しよう!
ここは少年漫画の世界で、確かタイトルは~あれ?思い出せん、解せぬ。
まあいっか、今は目の前の推しに集中すべき!
私と先程ぶつかった推しこと黒峰獅郎様はよく騒ぎを起こす不良だ。それを聞いた主人公、設楽祐希はなぜ喧嘩をするのかと獅郎に問い詰める。でも答えてくれなくて、粘りにねばって過去を話してもらった。祐希は親身になって話を聞き、励まし、獅郎を更生させる。ちなみに主人公はそんなことを幾度となく繰り返している。それが漫画の本分だからだ。獅郎様は励まされた人物1だ。

ツーブロックの髪!
目つきが悪い目!

ああ
かっこいい!

「生きててくれてありがとう」

「はぁ?」

はぁ?えっ?声に出てた?
思わず顔をあげると獅郎様がこっちを見てた。

眼福…!

思わず手を合わせて拝んでしまった。

てか

こんなことしてる場合じゃない!
逃げよう!!

運動神経は良くも悪くもないが今までの人生の中で1番早く走っている気がする。

しおりを挟む

処理中です...