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完結編
私達の涙
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「……」
当然、すぐには答えられなかった。答えられるはずがないじゃん。
沈黙に包まれた空間。呆然としてる間に、また無数のフラッシュが焚かれる。
右からは期待に満ちた眼差し。おじさんとおばさんが今か今かと答えを待っている。
左からは心配と呆れの気配。
「せ、先輩……」
「あの馬鹿、よりにもよって、こんなやり方で……」
本当だよ。
どうしてこのタイミングなのさ?
何を考えて、こんな方法を選んだの?
私の瞳から涙が零れ落ちた。
「なんで……?」
呟いた瞬間、どこかに隠れていた運営スタッフが私の口許にマイクを持って来た。
『歩美?』
「そんなの、ずるいじゃん。これであんたが勝ったら、絶対に結婚しなきゃならなくなるでしょ! 卑怯だよ! こんな不意打ち喜べない!」
響き渡ったその声に表情を変えるあいつ。
『あ……』
よろめき、マイクを落とす。会場中に凄まじい音が反響して悲鳴が上がった。
「……すいません」
せめてご両親にだけでもと思い、謝って席を立つ。スタッフの人、邪魔──
「あ、歩美ちゃん待って! こっちが悪かったの! ごめんなさい!」
「あゆゆ!」
「待て歩美!」
「歩美っ!!」
みんなが呼び止めようとしたけど、私はすぐに走り出してしまう。そしてどこをどんな風に走ったのか覚えてないけど、気が付いたら会場の外にいた。
そこで──思いっ切り、声を上げて泣いた。
『た、大変なことが起こってしまいました』
『木村選手が決勝直前にまさかのサプライズ。高校時代から付き合っているという恋人の女性に対しプロポーズを行ったものの玉砕です』
『フラれちゃいましたねー』
『プロポーズ自体びっくりですが、あの状況で失敗することも予想できませんでした』
『お相手の女性に余計なプレッシャーがかかってしまったのかもしれませんね』
『肝心の試合に影響が出ないか心配です』
「そっちはいた!?」
「駄目です、見つかりません!」
「ああもう、どこへ行きましたのあの人!」
「歩美ちゃん! 歩美ちゃん出て来て! いっしょにホテル帰ろ!」
あたしらは外に出て必死にあゆゆを探し回った。でも、どこに行ったかさっぱりわからない。
だから木村との交際には反対だったんだ! 一世一代の大勝負で大ボケかましやがって、あの馬鹿!
そこへ時雨さんも戻って来た。
「沙織ちゃん、歩美は!?」
「見つかりません。携帯の位置情報を追跡できませんか?」
「今、カガミヤ本社に頼んでやってもらってるところ。少し時間がかかる」
「こんなことなら追跡アプリでも入れときゃよかった……」
「まったくだよ」
そんな会話の最中、勇花さんが気付く。
「ご両親は?」
「大塚さんは試合の結果を代わりに見届けるって」
「らしくないですね?」
首を傾げるあたし。いつものおじさんならこんな時、真っ先にあゆゆを捜しに出るはずなのに。
「今回は土地勘も無いから私に任せた方が確実だと思ったんじゃないかな。それに──」
「それに?」
「……ものすごく怒ってたから、冷静さを取り戻したいのかも」
突然の出来事で生じた混乱が収まりつつある試合会場。歩美が戻って来る可能性は無いけれど、私の夫はここに残ることを選びました。
理由は、あの子の代わりに無限君の試合結果を見届けるため。
それはまあ、いいんですけど──
「あなた、もう少し穏やかに」
「怒ってはおらぬ……」
嘘ですよ、凄い声になってます。地獄の底から響き渡るような。会場中があなたの怒気に圧倒されて今も静まり返ってるじゃないですか。
「オ、オーガ……」
「エンマダイオー……」
こころなしか建物が揺れてるような気もします。これ、あなたに怯えた皆さんの震えが伝わってるんじゃないですか?
「怒ってなど、おらぬ……!」
「……」
夫の視線の先には呆然としたままの無限君。まるで抜け殻みたい。
まあ、気持ちはわかります。あのサプライズに対する怒りじゃないんですよね。私からも言わせて無限君。
「何をしてるの?」
「か、かーちゃんも怖い……」
「ひいい……」
「大丈夫だよ正道、柔」
「にゃあ」
「うん、きっとそうだよね、こしあん」
美樹ちゃんと友也さんは歩美を捜しに行ってくれたけど、子供達はここに残った。よし、とりあえずは試合の結果を見届けましょう。
話はそれからよ。
かわいそうに。俺は対戦相手のジャパニーズに同情した。まさかあのシチュエーションでフラれるなんてな。大抵の女ならイエスと即答しそうなのに。
でも遠慮はしないぜ。大事な試合前だってのに彼女にプロポーズしたいって言い出したのはお前だ。つまり自業自得なんだよ。
俺はノア・スコット。二十七歳。これまでほとんど表舞台に立った経験は無い。目立つことが嫌いなんだ。理由はそれだけ。
でも弟が借金を作っちまって、どうにか残り一年以内に返済しなきゃならない。あんな馬鹿見捨てても良かったんだが、それでもやっぱり兄弟だしな仕方ないさ。
それで今まで隠していた実力を披露してみせたらあっさり代表入りだ。今回うちの国のジュードーチームはタレント不足だって聞いてたから、もしかしてのつもりだったんだよ。こんなにトントン拍子に事が運ぶとは思わなかった。
銀でも返済には十分な額が手に入る。でも、どうせならやっぱり金だ。金メダルの方が稼ぎがでかい。悪いが勝たせてもらうぜキムラ。
「両者、礼」
「オネガイシマス」
「……おねがいします」
キムラは完全に茫然自失。こりゃ楽勝だと思う俺。
審判が試合開始を告げる。
「はじめ!」
「オオッ!」
ジャパンの言葉で“センテヒッショー”てのがあるよな。俺の大好きな言葉だ。今回も先手を取って速攻で仕掛ける。
が──
「What's!?」
俺はその瞬間、東洋の神秘を目の当たりにした。
『な、なんだ!? どうしたことだスコット選手! 全く触れられない!』
『木村選手、これまでに見せたことの無い不思議な動きで相手を翻弄!』
『全く殺気が感じられません。まるで何も考えず無意識で動いているかのようだ』
こ、こんな、こんな──掴むどころか触れられもしない。目の前にたしかにいるのに俺の手がキムラの体をすり抜ける!
まるで木の葉だ! 風に舞う木の葉を追いかけてるようだ!!
「歩美……ごめん……オレ……間違って……」
「クッ!?」
こいつ、全く俺を見てないぞ!? 試合中だってのにブツブツブツブツ何か呟いてやがる。ふざけんな! こっちを見ろ!
『おっと、ここで木村選手の中学時代の友人からだという情報が。木村選手、中学の時はサッカー部にも所属していてゴールキーパーだったそうです。そして、心配事があったりして気もそぞろな時ほど何故か鉄壁の守備になったとのこと』
『考えて動くより本能に任せた方が強いタイプなんですかねー?』
『あっと、しかしここでついにスコット選手が木村選手の奥襟を捉えた!』
やっと掴んでやったぞ! こうなりゃ重心が低くてパワーにも勝る俺──が──
瞬間、十センチ以上背の低い俺の懐へ素早く潜り込んで来るキムラ。ゾッとする。人間というより獣の動きに思えた。
反射的に身を固くしてしまったのが悪かった。ここまで完全に潜り込まれたらそれは逆に悪手。投げに対する対応が遅れてしまう。
まあ、正直何が起こったのか半分も理解できちゃいない。キムラの襟を掴んだと思った次の瞬間には逆に俺の足が宙を舞ってたんだ。
視界がぐるりと反転して、なんとか受け身こそ取ったものの天井を見上げる羽目に。
「……イッポンゼオイ……?」
多分それで投げられたんだろうなと思った。投げられた方も気持ちよくなるほど完璧な技で。
「い……一本!」
少し遅れて主審が手を上げる。
『き、金メダル……金メダル……金メダルです! 金メダル!』
『やったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!』
『木村選手、金! 今大会日本柔道初の金メダルを、木村選手が獲得しました!』
「……」
おい、勝ったんだぞお前? 本当に失礼な奴だな。喜べよ。
そんな悔しそうな顔で泣くな。
当然、すぐには答えられなかった。答えられるはずがないじゃん。
沈黙に包まれた空間。呆然としてる間に、また無数のフラッシュが焚かれる。
右からは期待に満ちた眼差し。おじさんとおばさんが今か今かと答えを待っている。
左からは心配と呆れの気配。
「せ、先輩……」
「あの馬鹿、よりにもよって、こんなやり方で……」
本当だよ。
どうしてこのタイミングなのさ?
何を考えて、こんな方法を選んだの?
私の瞳から涙が零れ落ちた。
「なんで……?」
呟いた瞬間、どこかに隠れていた運営スタッフが私の口許にマイクを持って来た。
『歩美?』
「そんなの、ずるいじゃん。これであんたが勝ったら、絶対に結婚しなきゃならなくなるでしょ! 卑怯だよ! こんな不意打ち喜べない!」
響き渡ったその声に表情を変えるあいつ。
『あ……』
よろめき、マイクを落とす。会場中に凄まじい音が反響して悲鳴が上がった。
「……すいません」
せめてご両親にだけでもと思い、謝って席を立つ。スタッフの人、邪魔──
「あ、歩美ちゃん待って! こっちが悪かったの! ごめんなさい!」
「あゆゆ!」
「待て歩美!」
「歩美っ!!」
みんなが呼び止めようとしたけど、私はすぐに走り出してしまう。そしてどこをどんな風に走ったのか覚えてないけど、気が付いたら会場の外にいた。
そこで──思いっ切り、声を上げて泣いた。
『た、大変なことが起こってしまいました』
『木村選手が決勝直前にまさかのサプライズ。高校時代から付き合っているという恋人の女性に対しプロポーズを行ったものの玉砕です』
『フラれちゃいましたねー』
『プロポーズ自体びっくりですが、あの状況で失敗することも予想できませんでした』
『お相手の女性に余計なプレッシャーがかかってしまったのかもしれませんね』
『肝心の試合に影響が出ないか心配です』
「そっちはいた!?」
「駄目です、見つかりません!」
「ああもう、どこへ行きましたのあの人!」
「歩美ちゃん! 歩美ちゃん出て来て! いっしょにホテル帰ろ!」
あたしらは外に出て必死にあゆゆを探し回った。でも、どこに行ったかさっぱりわからない。
だから木村との交際には反対だったんだ! 一世一代の大勝負で大ボケかましやがって、あの馬鹿!
そこへ時雨さんも戻って来た。
「沙織ちゃん、歩美は!?」
「見つかりません。携帯の位置情報を追跡できませんか?」
「今、カガミヤ本社に頼んでやってもらってるところ。少し時間がかかる」
「こんなことなら追跡アプリでも入れときゃよかった……」
「まったくだよ」
そんな会話の最中、勇花さんが気付く。
「ご両親は?」
「大塚さんは試合の結果を代わりに見届けるって」
「らしくないですね?」
首を傾げるあたし。いつものおじさんならこんな時、真っ先にあゆゆを捜しに出るはずなのに。
「今回は土地勘も無いから私に任せた方が確実だと思ったんじゃないかな。それに──」
「それに?」
「……ものすごく怒ってたから、冷静さを取り戻したいのかも」
突然の出来事で生じた混乱が収まりつつある試合会場。歩美が戻って来る可能性は無いけれど、私の夫はここに残ることを選びました。
理由は、あの子の代わりに無限君の試合結果を見届けるため。
それはまあ、いいんですけど──
「あなた、もう少し穏やかに」
「怒ってはおらぬ……」
嘘ですよ、凄い声になってます。地獄の底から響き渡るような。会場中があなたの怒気に圧倒されて今も静まり返ってるじゃないですか。
「オ、オーガ……」
「エンマダイオー……」
こころなしか建物が揺れてるような気もします。これ、あなたに怯えた皆さんの震えが伝わってるんじゃないですか?
「怒ってなど、おらぬ……!」
「……」
夫の視線の先には呆然としたままの無限君。まるで抜け殻みたい。
まあ、気持ちはわかります。あのサプライズに対する怒りじゃないんですよね。私からも言わせて無限君。
「何をしてるの?」
「か、かーちゃんも怖い……」
「ひいい……」
「大丈夫だよ正道、柔」
「にゃあ」
「うん、きっとそうだよね、こしあん」
美樹ちゃんと友也さんは歩美を捜しに行ってくれたけど、子供達はここに残った。よし、とりあえずは試合の結果を見届けましょう。
話はそれからよ。
かわいそうに。俺は対戦相手のジャパニーズに同情した。まさかあのシチュエーションでフラれるなんてな。大抵の女ならイエスと即答しそうなのに。
でも遠慮はしないぜ。大事な試合前だってのに彼女にプロポーズしたいって言い出したのはお前だ。つまり自業自得なんだよ。
俺はノア・スコット。二十七歳。これまでほとんど表舞台に立った経験は無い。目立つことが嫌いなんだ。理由はそれだけ。
でも弟が借金を作っちまって、どうにか残り一年以内に返済しなきゃならない。あんな馬鹿見捨てても良かったんだが、それでもやっぱり兄弟だしな仕方ないさ。
それで今まで隠していた実力を披露してみせたらあっさり代表入りだ。今回うちの国のジュードーチームはタレント不足だって聞いてたから、もしかしてのつもりだったんだよ。こんなにトントン拍子に事が運ぶとは思わなかった。
銀でも返済には十分な額が手に入る。でも、どうせならやっぱり金だ。金メダルの方が稼ぎがでかい。悪いが勝たせてもらうぜキムラ。
「両者、礼」
「オネガイシマス」
「……おねがいします」
キムラは完全に茫然自失。こりゃ楽勝だと思う俺。
審判が試合開始を告げる。
「はじめ!」
「オオッ!」
ジャパンの言葉で“センテヒッショー”てのがあるよな。俺の大好きな言葉だ。今回も先手を取って速攻で仕掛ける。
が──
「What's!?」
俺はその瞬間、東洋の神秘を目の当たりにした。
『な、なんだ!? どうしたことだスコット選手! 全く触れられない!』
『木村選手、これまでに見せたことの無い不思議な動きで相手を翻弄!』
『全く殺気が感じられません。まるで何も考えず無意識で動いているかのようだ』
こ、こんな、こんな──掴むどころか触れられもしない。目の前にたしかにいるのに俺の手がキムラの体をすり抜ける!
まるで木の葉だ! 風に舞う木の葉を追いかけてるようだ!!
「歩美……ごめん……オレ……間違って……」
「クッ!?」
こいつ、全く俺を見てないぞ!? 試合中だってのにブツブツブツブツ何か呟いてやがる。ふざけんな! こっちを見ろ!
『おっと、ここで木村選手の中学時代の友人からだという情報が。木村選手、中学の時はサッカー部にも所属していてゴールキーパーだったそうです。そして、心配事があったりして気もそぞろな時ほど何故か鉄壁の守備になったとのこと』
『考えて動くより本能に任せた方が強いタイプなんですかねー?』
『あっと、しかしここでついにスコット選手が木村選手の奥襟を捉えた!』
やっと掴んでやったぞ! こうなりゃ重心が低くてパワーにも勝る俺──が──
瞬間、十センチ以上背の低い俺の懐へ素早く潜り込んで来るキムラ。ゾッとする。人間というより獣の動きに思えた。
反射的に身を固くしてしまったのが悪かった。ここまで完全に潜り込まれたらそれは逆に悪手。投げに対する対応が遅れてしまう。
まあ、正直何が起こったのか半分も理解できちゃいない。キムラの襟を掴んだと思った次の瞬間には逆に俺の足が宙を舞ってたんだ。
視界がぐるりと反転して、なんとか受け身こそ取ったものの天井を見上げる羽目に。
「……イッポンゼオイ……?」
多分それで投げられたんだろうなと思った。投げられた方も気持ちよくなるほど完璧な技で。
「い……一本!」
少し遅れて主審が手を上げる。
『き、金メダル……金メダル……金メダルです! 金メダル!』
『やったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!』
『木村選手、金! 今大会日本柔道初の金メダルを、木村選手が獲得しました!』
「……」
おい、勝ったんだぞお前? 本当に失礼な奴だな。喜べよ。
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