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中学生編
娘vs運命(6)
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何が起きてるの? まったく理解できない。混乱する私の前で時雨さんが今までに見たことないほどの怒りを発した。
「ふざけるな!」
赤い光が全身から放射され、縛り付けていた白い光を打ち砕く。
前に鏡矢家は退魔師をしてるって言ってた。半分くらい冗談だと思ってたけど、まさか本当に?
「ええ、少しばかりおいたが過ぎます」
ぞくっ。背筋が凍りつくような声。今にも謎のおじいさん達に殴りかかろうとしていた時雨さんまで足を止める。
リリーさんを縛っていた光の帯も簡単に割れた。さらに髪と瞳が輝き、七色の光を放ち始める。
【なんだ……!?】
【この力、まさか……!】
動揺するおじいさん達。リリーさんはパチリと指を鳴らす。
「流石に死んでからかなり経っているだけあって、私が何者かくらいはわかるのですね」
【!?】
さっきのお返しとばかりに青い光がおじいさん達を縛り付けた。必死にもがいてるけど、こっちは全く抜け出せそうにない。
【お、お許しを!】
【我々はただ迷える人々のために……!】
「ええ、そうでしょうとも。貴方達は聖人ですもの。集合的無意識と一体化してなお衆生の救済を願うほど優しく高潔な方々です。雨道さんと同じ。そこは重々承知の上」
だから、とリリーさんは続ける。
「苦痛は与えません。ただし、私は友人に危害を加えられて黙っていられるほど寛容ではないのです。人々の安寧を願い必死にこの世へしがみついて来たのでしょうが、強制的に先へ進んでいただきます」
パチン。
彼女が指を鳴らすと、おじいさん達は青い蝶になった。何度か羽ばたき、ふっと消えてしまう。あっさり完全決着。
何者なの、この人……。
「彼等をどうなさったんです?」
時雨さんの質問に、彼女は「次の人生へ進ませただけです」と答えた。
「除霊したってこと……?」
「その解釈でおおむね正解。時雨さん、彼を下ろしてさしあげて」
「あ、はい!」
一瞬、私とパパとどちらに駆け寄ろうか迷った末、リリーさんの言葉でパパの方へ走り出す時雨さん。
逆にリリーさんはこっちに近付いてきて、私がどれだけ頑張ってもビクともしなかったカプセルを簡単に開けてくれた。
「災難だったわね」
「あ、ありがとうございます……あの、これって結局どういうことなんですか?」
ここはどこで、どうしてパパがいて、さっきのおじいさん達はなんだったの? リリーさんがここにいる理由もわからない。時雨さんはともかくとして。
「う~ん、そうね、こんなことになってしまった以上、色々と教えておいた方がいいかな。貴女は鏡矢の血も濃いことだし」
「鈴蘭様!?」
「安心して時雨さん、対策はきちんと考えてある。私に任せて」
「……わかりました」
この人に言われると時雨さんも素直に従うしかないらしい。表情はまだ納得できてない感じだけど、十字架から下ろしたパパに肩を貸しつつ口を閉じた。
鈴蘭? もしかして、それが本名?
「さて、長々と話してもなんだし、去年の出来事からにしましょうか」
そう言ってリリー、いや、鈴蘭さんは私の知らなかった事実を教えてくれた。
「パパが超能力者!?」
「そう。ちなみに時雨さんも私も同じ≪有色者≫よ」
髪と瞳を元に戻した鈴蘭さん。そのうち瞳の方だけが、今度はオレンジ色になって指先から同色の光を発する。
時雨さんを見ると、やっぱり橙の光を瞳に灯し、手の平から放射したそれを磔にされていたパパの手足の傷にかざしていた。するとゲームの中の回復魔法みたいにあっという間に傷が塞がっていく。
「すごい……」
「そうね、凄い力。だからこれは悪用しそうな人には宿らないことになっているの」
普通の超能力とは、また少し違うものなのだと説明してくれた。始原七柱とかいう神様の力を借りたものなのだそうだ。
それから去年の春の出来事が語られる。鈴蘭さんは単なる旅行目的で友達と一緒に日本へ来て、そこで時雨さんや雫さんと出会ったらしい。
詳しくは教えてもらえなかったけど、その時に色々あってパパが死に際に超能力に覚醒したことや、その影響が今でも残っていること。さらに力の影響を受けた月の中にパパのコピーが生み出されたことを知った。今、私の目の前にいるのは本物のパパではなくそのコピーの方。
「雨道さんの力は月光に宿り、地球に常に降り注いでいる」
ほんの少しだけ他人に優しくなれる。それがパパの願いが生み出した奇跡。
そして私が狙われた理由。
「彼等は神の子の再来を願っていたの。今日この日に実行したのも民間で信じられている伝承になぞらえたかったから。明日は彼の誕生日ということになっているものね。だから日付が変わったら帰すつもりではいたんでしょう。雨道さんと同化させた状態で」
遠い昔、神様の子供と名乗り多くの人々を導いたイエス・キリスト。キリスト教の聖人の魂だというあのおじいさん達はパパのコピーをパパに最も近い存在の私に宿らせて彼のような“救世主”を生み出そうとした。
「しかし、それなら何故歩美ちゃんだったのですか? 双子の姉の私ではなく」
「肉体的な近似も大切ですが、この場合は精神的に似ていることの方が重要。彼等は貴女より彼女を雨道さんに近い存在と判定したのでしょう」
「なるほど……」
「あの、いまいちわからないんですけど、パパ……のコピーさんって普通にそこにいますよね? なのに私に乗り移らせる? それをしないと駄目なんですか?」
「ふふ、ここでは肉体を持っているように見えるけれど、それはこの空間が実際には精神世界だから。彼は本来情報だけの存在。だから現実世界で活動させるには受肉、つまり体を与える必要があったのよ。彼が思う存分能力を行使できる特別な器をね」
精神世界?
「ここって心の中なの?」
「正しくは境界線といったところ。あまり長居すると二人には悪影響が出るかもしれない。早目に出ましょう。ただ、その前に──」
鈴蘭さんはパパのコピーに近付いて額に指を当てた。すると、気を失っていた彼が目を覚ます。
「うっ……あなたは……鈴蘭さん?」
「お久しぶりです」
「雨道君! 大丈夫なの?」
「姉さん……それに……」
気配に気がついて振り返るパパ。
瞬間、鈴蘭さんの言いたいことがわかった。
コピーでもなんでもいい。ここでなら触れ合える。
きっともう、この瞬間しか無いんだ。
「パパ!」
「ああ……やっと、この手で抱けた」
飛び込んでいった私を、パパの両手は力強く抱きしめてくれた。
翌朝、自分の部屋で目を覚ます私。
「おはよう歩美」
「おはよう。冬休みなんだし、もう少し長く寝ていても良かったんだぞ」
「今日は、さおちゃん達と出かけるから」
「なるほど、そうか。気を付けるのだぞ」
頷きつつ新聞に目を戻す父さん。ママは朝ごはんの支度中。いつも通り、普段と代わらない風景。聞いていたとおりだね。
皆、昨日のことは忘れた。
『今日のこの出来事は無かったことにします』
鈴蘭さんは、あの世界から脱出する直前にそう言った。
魂の重力。過酷な運命を引き寄せる力があって、今の私はそれがすごく強くなっている状態らしい。その力を一時的にでも弱めるための措置だって。
そんなことできるのかなと思ったけど、本当に我が家は私以外全員昨日のことを忘れている。さおちゃんにもZINEでそれとなく話を振ってみたけど、なんのことよって訊き返された。
柔と正道の初めてのクリスマス・イブは祝えなかったなあ。でも、皆の中ではちゃんとお祝いしたことになってるはずだし、クリスマスの本番は今日だもんね。今夜めいっぱい楽しめばいいか。
一応、木村にも「メリークリスマス」って送っておく。あいつ、私が消えたって騒ぎになった後、必死で探してくれてたらしい。やっぱり忘れてるんだろうけど。
朝ごはんを食べ、顔を洗って、服を着替え、身支度を整えた私はカバンを肩から提げて玄関に向かった。
「じゃあ、行ってくるね」
「あまり遅くならないでよ」
「大丈夫」
もう、あんなことは起こらない。忘れてるはずなのにいつもより心配そうなママにそう答え、さおちゃん達との約束より一時間以上も早く家を出た。
「ふざけるな!」
赤い光が全身から放射され、縛り付けていた白い光を打ち砕く。
前に鏡矢家は退魔師をしてるって言ってた。半分くらい冗談だと思ってたけど、まさか本当に?
「ええ、少しばかりおいたが過ぎます」
ぞくっ。背筋が凍りつくような声。今にも謎のおじいさん達に殴りかかろうとしていた時雨さんまで足を止める。
リリーさんを縛っていた光の帯も簡単に割れた。さらに髪と瞳が輝き、七色の光を放ち始める。
【なんだ……!?】
【この力、まさか……!】
動揺するおじいさん達。リリーさんはパチリと指を鳴らす。
「流石に死んでからかなり経っているだけあって、私が何者かくらいはわかるのですね」
【!?】
さっきのお返しとばかりに青い光がおじいさん達を縛り付けた。必死にもがいてるけど、こっちは全く抜け出せそうにない。
【お、お許しを!】
【我々はただ迷える人々のために……!】
「ええ、そうでしょうとも。貴方達は聖人ですもの。集合的無意識と一体化してなお衆生の救済を願うほど優しく高潔な方々です。雨道さんと同じ。そこは重々承知の上」
だから、とリリーさんは続ける。
「苦痛は与えません。ただし、私は友人に危害を加えられて黙っていられるほど寛容ではないのです。人々の安寧を願い必死にこの世へしがみついて来たのでしょうが、強制的に先へ進んでいただきます」
パチン。
彼女が指を鳴らすと、おじいさん達は青い蝶になった。何度か羽ばたき、ふっと消えてしまう。あっさり完全決着。
何者なの、この人……。
「彼等をどうなさったんです?」
時雨さんの質問に、彼女は「次の人生へ進ませただけです」と答えた。
「除霊したってこと……?」
「その解釈でおおむね正解。時雨さん、彼を下ろしてさしあげて」
「あ、はい!」
一瞬、私とパパとどちらに駆け寄ろうか迷った末、リリーさんの言葉でパパの方へ走り出す時雨さん。
逆にリリーさんはこっちに近付いてきて、私がどれだけ頑張ってもビクともしなかったカプセルを簡単に開けてくれた。
「災難だったわね」
「あ、ありがとうございます……あの、これって結局どういうことなんですか?」
ここはどこで、どうしてパパがいて、さっきのおじいさん達はなんだったの? リリーさんがここにいる理由もわからない。時雨さんはともかくとして。
「う~ん、そうね、こんなことになってしまった以上、色々と教えておいた方がいいかな。貴女は鏡矢の血も濃いことだし」
「鈴蘭様!?」
「安心して時雨さん、対策はきちんと考えてある。私に任せて」
「……わかりました」
この人に言われると時雨さんも素直に従うしかないらしい。表情はまだ納得できてない感じだけど、十字架から下ろしたパパに肩を貸しつつ口を閉じた。
鈴蘭? もしかして、それが本名?
「さて、長々と話してもなんだし、去年の出来事からにしましょうか」
そう言ってリリー、いや、鈴蘭さんは私の知らなかった事実を教えてくれた。
「パパが超能力者!?」
「そう。ちなみに時雨さんも私も同じ≪有色者≫よ」
髪と瞳を元に戻した鈴蘭さん。そのうち瞳の方だけが、今度はオレンジ色になって指先から同色の光を発する。
時雨さんを見ると、やっぱり橙の光を瞳に灯し、手の平から放射したそれを磔にされていたパパの手足の傷にかざしていた。するとゲームの中の回復魔法みたいにあっという間に傷が塞がっていく。
「すごい……」
「そうね、凄い力。だからこれは悪用しそうな人には宿らないことになっているの」
普通の超能力とは、また少し違うものなのだと説明してくれた。始原七柱とかいう神様の力を借りたものなのだそうだ。
それから去年の春の出来事が語られる。鈴蘭さんは単なる旅行目的で友達と一緒に日本へ来て、そこで時雨さんや雫さんと出会ったらしい。
詳しくは教えてもらえなかったけど、その時に色々あってパパが死に際に超能力に覚醒したことや、その影響が今でも残っていること。さらに力の影響を受けた月の中にパパのコピーが生み出されたことを知った。今、私の目の前にいるのは本物のパパではなくそのコピーの方。
「雨道さんの力は月光に宿り、地球に常に降り注いでいる」
ほんの少しだけ他人に優しくなれる。それがパパの願いが生み出した奇跡。
そして私が狙われた理由。
「彼等は神の子の再来を願っていたの。今日この日に実行したのも民間で信じられている伝承になぞらえたかったから。明日は彼の誕生日ということになっているものね。だから日付が変わったら帰すつもりではいたんでしょう。雨道さんと同化させた状態で」
遠い昔、神様の子供と名乗り多くの人々を導いたイエス・キリスト。キリスト教の聖人の魂だというあのおじいさん達はパパのコピーをパパに最も近い存在の私に宿らせて彼のような“救世主”を生み出そうとした。
「しかし、それなら何故歩美ちゃんだったのですか? 双子の姉の私ではなく」
「肉体的な近似も大切ですが、この場合は精神的に似ていることの方が重要。彼等は貴女より彼女を雨道さんに近い存在と判定したのでしょう」
「なるほど……」
「あの、いまいちわからないんですけど、パパ……のコピーさんって普通にそこにいますよね? なのに私に乗り移らせる? それをしないと駄目なんですか?」
「ふふ、ここでは肉体を持っているように見えるけれど、それはこの空間が実際には精神世界だから。彼は本来情報だけの存在。だから現実世界で活動させるには受肉、つまり体を与える必要があったのよ。彼が思う存分能力を行使できる特別な器をね」
精神世界?
「ここって心の中なの?」
「正しくは境界線といったところ。あまり長居すると二人には悪影響が出るかもしれない。早目に出ましょう。ただ、その前に──」
鈴蘭さんはパパのコピーに近付いて額に指を当てた。すると、気を失っていた彼が目を覚ます。
「うっ……あなたは……鈴蘭さん?」
「お久しぶりです」
「雨道君! 大丈夫なの?」
「姉さん……それに……」
気配に気がついて振り返るパパ。
瞬間、鈴蘭さんの言いたいことがわかった。
コピーでもなんでもいい。ここでなら触れ合える。
きっともう、この瞬間しか無いんだ。
「パパ!」
「ああ……やっと、この手で抱けた」
飛び込んでいった私を、パパの両手は力強く抱きしめてくれた。
翌朝、自分の部屋で目を覚ます私。
「おはよう歩美」
「おはよう。冬休みなんだし、もう少し長く寝ていても良かったんだぞ」
「今日は、さおちゃん達と出かけるから」
「なるほど、そうか。気を付けるのだぞ」
頷きつつ新聞に目を戻す父さん。ママは朝ごはんの支度中。いつも通り、普段と代わらない風景。聞いていたとおりだね。
皆、昨日のことは忘れた。
『今日のこの出来事は無かったことにします』
鈴蘭さんは、あの世界から脱出する直前にそう言った。
魂の重力。過酷な運命を引き寄せる力があって、今の私はそれがすごく強くなっている状態らしい。その力を一時的にでも弱めるための措置だって。
そんなことできるのかなと思ったけど、本当に我が家は私以外全員昨日のことを忘れている。さおちゃんにもZINEでそれとなく話を振ってみたけど、なんのことよって訊き返された。
柔と正道の初めてのクリスマス・イブは祝えなかったなあ。でも、皆の中ではちゃんとお祝いしたことになってるはずだし、クリスマスの本番は今日だもんね。今夜めいっぱい楽しめばいいか。
一応、木村にも「メリークリスマス」って送っておく。あいつ、私が消えたって騒ぎになった後、必死で探してくれてたらしい。やっぱり忘れてるんだろうけど。
朝ごはんを食べ、顔を洗って、服を着替え、身支度を整えた私はカバンを肩から提げて玄関に向かった。
「じゃあ、行ってくるね」
「あまり遅くならないでよ」
「大丈夫」
もう、あんなことは起こらない。忘れてるはずなのにいつもより心配そうなママにそう答え、さおちゃん達との約束より一時間以上も早く家を出た。
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