ワールド・スイーパー

秋谷イル

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外伝・英雄懐古

女神の育児

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 頭や手足の先端、そして大きな翼が鳥。残りの部分が人という半人半鳥の星獣イカロスは複雑な軌道で宙を舞い、羽を飛ばして牽制を繰り出し、追いかけて来る黒狼を翻弄した。黒狼アイム・ユニティは必死に前脚を振り回すものの、触れることさえできずにいる。
 両者は兄弟のような関係で、年長のイカロスは問題点を指摘する。
「遅い、遅いですよアイム。その程度の動きでは私に届きません。相手の動く方向を予測しなさい。君の優れた五感を総動員すればできる」
 そう言った直後、ギリギリのところを巨大な前脚が掠めた。初めての惜しい攻撃にイカロスは感心する。
「そうです。今のはいい。やはり君は私より優秀な星獣だ」
 だが、まだまだとさらに飛行速度を上げる。もっと上を、限界を目指して鍛え上げねばならない。これはじゃれ合いでなく訓練なのだ。アイムは見た目こそ大きくとも中身は子供。強くならねば、この先の戦いを生き抜くことはできない。


(――とはいえ、時間が無いのもまた確かだ)
 二人の様子を見守っている女神、オクノケセラは考えた。彼女はここ、太陽の中心部にいても地上の様子を把握できる。現地人がズワルタと呼ぶあの惑星は今、とても大変な状況だ。
 一言で言えば阿鼻叫喚。
 新たな星獣アイム・ユニティの活躍により、赤い凶星、すなわち宇宙の免疫システムが放った『抗体』は打ち砕かれた。しかし、今度はその残滓がズワルタ全域で人類を脅かしている。
 拡散した赤い塵が獣の脳にとりついて狂わせ、時には集合して人間の恐怖を具現化した怪物と化す。あれから数ヶ月で地上の国家の大半は壊滅し、人口も大幅に減少。子が親に喰らわれ、あるいは親が子らに喰われるような凄惨な光景もそこかしこで生じている。
 それでも、流石というかなんというか人間は逞しく、まだ絶滅には到っていない。正気を保っている者たちは寄り添い、助け合いながら少しずつ活路を見出し始めている。大したものだ。
(精霊たちも良く働いてくれておる)
 あの星の人々を生かすためオクノケセラは裏技を使った。直接的に手を貸せばルール違反。彼女自身が裁かれる立場に陥る。
 だから人類にではなく、この宇宙に偏在する『精霊』に力の一部を与え、その代わり彼らにズワルタの生命を助けよと命じた。もちろん、これもあまりやりすぎるとルールに抵触する恐れがある。だから一種の精霊につき一人だけを選んで加護を授けるようにとも厳命しておいた。
 現在あの精霊たちは彼女の『天使』になっている。守界七柱は一柱につき四十九体まで天使を増やせる権限を持つ。ならば精霊との契約者も最大で四十九人。この数なら神々のルールの裁定者は小さな誤差と判断する。
 そんな四十九人の頑張りもあり、人類は今なお生存しているわけだ。
 とはいえ、状況はなお絶望的。一部の人間は怪物の発生を抑止する方法を見つけ対抗策を打ち立て始めているものの、間に合うまい。早ければあと数ヶ月、頑張っても二年以内に滅亡してしまう。創造神より与えられた優れた演算能力がそんな予測を導き出した。

『あやつが育つより先になるかもしれん……』

 だとしても、それはそれでしかたない。彼女は試練を与える『嵐』の神として、これ以上の手助けは控える意向である。あまりルールから逸脱した行為に走ると、自分自身の存在にも関わるのだから慎重にならざるをえない。
 二年。人類には、現時点で予測できる最長の期間をどうにか自力で生き延びてもらいたい。こちらはその間にあの子犬を立派な狼に仕立ててみせる。

『さて、間に合うかな』

 これは自分自身に課された試練。どのようにしてこの短期間で事を成すか、彼女は忙しなく頭脳を回転させて考え続けるのだった。


 ――そしてまあ、結局のところ最も単純な結論に落ち着いた。
 時間が無いのなら、その短い時間で徹底的に詰め込み教育を行えばいい。幸いにも星獣は人間より遥かに強靭な生き物だ。その分だけ無茶もさせられる。
 ならばと、彼女の『教育』は苛烈を極めた。

 たとえば言語教育。
『ほれ、さっさと覚えよ。たかが五十単語だぞ。それっぽっちを覚えれば飯が食える。それまでは水一滴も与えん。死にたくなくば頭を働かせよ』

 必要最低限の知識。
『歴史じゃ歴史、歴史を学べ。とりあえずここ百年分だけで許してやるわい。人々がどのように暮らし、どのように文化を紡ぎ、どんな選択をした結果で今の状況があるか知っておけば対話には困るまいよ。覚えろ覚えろ。十時間後にテストをしてやる。全問正解するまで寝られんものと思え』

 サバイバル技術。
『塔内部にワシの権能を用いて様々な環境を再現してやった。いっぺん地上に叩き落としてやるから、もう一度ここまで登って来い。ああ、言っておくが自由落下から生き残るのも自力でやらねばならんぞ? そこから修行は始まっておる』
『いやじゃいやじゃいやじゃ!』
 往生際悪くアイムは床に開けた穴の縁にしがみついた。オクノケセラは念動力で強引に引き剥がしていく。
 さらに呵々大笑した。
『死んだら墓くらいは作ってやる。ハッハッハッ、そう睨むな我が子よ。獅子も千尋の谷に子を突き落とすと言うではないか。試練の神のワシがそれより甘い子育てなどしては示しがつかん。ほら、死ぬ気で頑張れ。本当に死ぬんじゃないぞ』
『おぼえとれクソババア! ぜったい、もどってきてくびをかみちぎってやる! ワシのもどったときがキサマのめーにちじゃ! かならず』
『さっさと行け』
『ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……』
 ――蹴り落とされたアイムは、泣きそうな顔でこちらを見上げつつ落ちて行った。

 もちろん、戦闘訓練も必須。
「へぶっ!?」
 為す術も無く投げ飛ばされ、床に叩きつけられるアイム。その体はだいぶ縮んだ。
 投げた方のオクノケセラは呆れ顔。
『弱い、弱いのう。イカロス、特訓の成果が出ておらぬではないか?』
「それはあなたの提案で人の姿になったからだと思います。まだ不慣れなのです」
「いかろす! いかろす! た、たてん! どうやっておきあがるんじゃ!? このからだ、うまくうごかせん!」
『星獣ともあろうものが情けない。人も獣じゃ、基本構造は大差あるまいに』
「四足歩行からいきなり二足歩行になるのは大きな変化です」
『しかたない、ならまずは慣らすところから始めよう。というわけでほれ、行くぞ子犬。いや、今は人間の姿だから小僧か』
「は、はなせ! なにをするきじゃ!? わしをどこへつれてゆく!」
『知れたこと、もう一度最下層まで叩き落とす。登ってくる間にその体の扱いにも十分慣れるだろうよ。元の姿にはなれんよう封印しておくからな』
「い、いやだ! こんなからだでまたあれをなんて、むりにきまって――たすけて! たすけていかろす!」
「……あの、私もついて行くわけには……」
『ならん。お主は一から十まで手助けしてしまいそうだ』
 ぽいっ。
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……――」
 再び塔の最下層へ投げ落とされるアイム。今度は不慣れな人間の姿でここまで登って来なくてはならない。
 嫌だと思っても体は勝手に動くだろう。腐っても星獣である。母星が危機に陥っているこの状況でじっと待つことはできない。
 こやつもそうだと、オクノケセラはイカロスの方へ振り返った。
『こっそりついてって見守るくらいは許してやる。本当に死にそうなら助けても良い。お主がやるなら、まあギリギリでルールの範囲内じゃ』
「畏まりました。ありがとうございます」
『うむ、行け』
 指示に従い、アイムを追いかけて行くイカロス。弟想いなことである。
 そしてオクノケセラは、また地上を見た。
 凶星の破壊から一年が経過し、人口はかつての五百分の一以下になった。思ったよりは頑張っている。とはいえ、やはりあと一年もしたらあの星の人類は絶滅するだろう。

 そうなってから戻しても意味は無い。
 たった今、叩き落とした子犬に目を向ける

『半年だな……繰り上げるしかない。半年以内にここを巣立て、アイム。そうしなければ、お主の守るべき者たちは消えてしまう』
 あと半年。その間に、できる限りのことはしてやろう。
 すでに買っている恨みがさらに深くなるだろうが、しかたない。子のために憎まれ役を引き受けるのも親の務め。
『……それが、ワシの使命でもある。試練の神とは、全く損な役回りよ』



 ――半年後。ついにアイムの旅立ちの日がやって来た。育て親の女神と兄代わりの星獣に見送られ、黄金時計の塔の下層へと通じる扉の前に立つ。つまり何度も叩き落とされたあの穴の縁に。
 姿は人間。オクノケセラに向ける眼差しは壮絶な殺意に満ちていた。
「あかいチリをそーじできたら、つぎはキサマのばんじゃ……」
『おう、楽しみにしておるぞ』
 予想通りものすごく恨まれてしまったが、おかげで満足の行く仕上がりにはなった。もちろんまだまだ未熟ではあるものの、あとは地上での旅と戦いがこの子犬を鍛え、磨き上げてくれるだろう。彼女としては大満足である。
 一方、イカロスへの態度は殊勝なもの。
「ありがとう。イカロスにも、またあいにくる」
「ええ、楽しみにしています。困ったことがあれば頼ってください。私はあなたの兄のようなもの。いくらでも力を貸しましょう」
「うん」
『ワシへの態度と違いすぎるぞ』
「あたりまえじゃ」
「当然でしょう」
 二頭揃って反論してくる。やれやれと肩を竦めるオクノケセラ。
 まあいいだろう。これが最後の対面とはなるまい。
 手を振って見送る。
『達者で過ごせ。いつになるかはわからんが、待ち人は必ず来る。それまではお主が歴史を繋ぐのじゃ。地上の人々と共にな』
「わかっておる」
 唇を尖らせて穴の縁を覗き込むアイム。
 それから、少し躊躇ったような間を置いて、ぼそりと一言付け加えた。
「……せわになった」
「アイム」
 イカロスが驚いた表情で彼とオクノケセラを交互に見た直後、自ら飛び降りてしまう。人の姿になったことで小さくなった体が、遠ざかったことでますます小さく見え、やがては完全に視界の外へ消えた。
『安心せい』
 心配そうなイカロスの肩を叩く。
『あやつは予想以上に成長した。これからもなお強くなる。なにせ、とてつもない因子を持っておるからな』
 いったい何者があの『神殺し』の因子を手に入れ、新たな星獣の核に使ったのか、彼女にもやはりわからない。それでも一つだけ確信している。
 アイム・ユニティは使命から逃げない。星獣として生まれた以上、全力で母星とそこに生きる人々を守り続ける。
 なにせ、この嵐神オクノケセラの薫陶を受けているのだ。我が子が道を外れるわけがない。
『頑張れよ、アイム』
「どうして去ってから言うのですか?」
『調子付かせんためじゃ。ワシは試練の神ぞ? 試練とは乗り越えるためにある。乗り越えてもらわねば困るのよ。なあ……友よ』
 そう言って見上げた彼女の目は、かつていた宇宙の中心を見ている。それを知るイカロスは小さく頷いた後、同じように宇宙を見上げた。
「そうですね……」
 それが彼女なりの親心なのだろうと、納得できた。



 数日後、惑星ズワルタの地表にて。
 荒れ果てた荒野。一組の母子が怪塵の集合体に襲われていた。他にもいた仲間たちはすでに飲み込まれ、分解されて死亡。残った彼女たちも風前の灯。
 そんな状況で、いきなり怪物が踏み潰された。人を遥かに上回る巨体を、さらに巨大な黒い前脚が何度も叩いて拡散させる。
 直後、頭上から響く忌々しげな唸り声。
『やはり、ちらばるだけか……どうしてもかんぜんにけしきれん』
「あ、あ、あ……」
「お、おかあさん……」
 突如として現れた巨大な黒狼を見上げる、薄い桃色の髪の母と娘。ここ第六大陸ではさほど珍しくない特徴。
 痩せ細っていて不健康な顔色のその二人に黒狼アイムは顔を寄せた。彼にはまだ人間の表情が上手く判別できない。しかし匂いを嗅げば怖がらせていることは理解できた。
 やれやれとため息をついた次の瞬間、爆風が発生してその姿が消える。
 土埃と共に叩き潰された怪物の残骸、つまり怪塵も風に流されていった。
 そして目の前に現れた十代半ばの黒髪碧眼の少年の姿を見て目を丸くする母子。巨大な狼が人間の少年になった。そうとしか思えない。
 実際その通りなのでアイムは右手を差し出す。彼に敵意は無い。人間は庇護の対象なのだから。
「さあ、たて。あんぜんなばしょまでつれていってやる。そこでワシのなをみなにおしえてやれ」
「あ、あなた様は、いったい……?」
「ワシはアイム・ユニティ。このほしをまもるためにうまれたけもの、せいじゅうアイム・ユニティじゃ」
「せいじゅう……」
 母に抱かれながら、自分より少し年上に見える少年をキラキラと輝く目で見上げる少女。
 彼女の遠い子孫がこの少年と再会を果たすのは、これから千年後のことである。
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