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三章・長い夜へ
開幕(2)
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クラリオの民、旧帝国市民が次々に魔獣と化す。そして、その手で親しかった家族や隣人を手にかける。傷付け、殺し合い、情が恐怖と敵意で塗り潰され、街を染め上げていく。
対処する天士達とて無傷ではいられない。どの魔獣も彼等の能力を知り尽くしているかのように的確に弱点を突いて来る。
「くっ、クソッ!」
弓の力を持つ天士ハイランサーは遠距離攻撃においてこそ本領を発揮する。そんな彼に何もさせまいと見事な連携で肉薄する俊敏な魔獣達。突撃槍と盾を巧みに使って凌いではいるものの全てを捌き切ることはできず、見る間に顔や手足、白い甲冑の表面に傷が増えていく。
天士スタンロープも同じだ。雷の力を持つ彼に襲いかかるのは強力な感電耐性を備えた魔獣のみ。人間なら瞬時に黒焦げになってしまうほどの雷撃を受けても全く怯まない。
「駄目だ! 俺の力じゃ倒せん!」
「だったら、弾き飛ばす!」
スタンロープと魔獣達の間に光の帯を出現させるグレイトボウ。勢いのまま突っ込んだ敵は強い張力を有するそれに跳ね返され、遥か彼方まで吹き飛んだ。
だがそれは囮だった。体勢を立て直すべく足を止めたスタンロープとグレイトボウに、地中から飛び出した無数の棘が刺さる。
「ぐっ!?」
「地面の下、に……っ」
それは植物のように根を伸ばした魔獣の攻撃。本体はすぐ近くの建物に隠れているため二人には予測しようも無かった。
動きが止まった途端、さらに襲いかかる耐電魔獣の群れと赤い棘。
一人の天士が割り込み、凄まじい熱量でまとめて焼き払う。
「フューリー!」
「すまん、助かった!」
今度こそ体勢を立て直し、駆け付けた仲間と共に背中合わせで陣形を組む二人。熱を操る寡黙な天士フューリーは、すぐさまハイランサーの方を目線で示した。
「次だ、行くぞ」
「ああ!」
フューリーを先頭に突き進む三人。ハイランサーを含めればこの場に四人の天士が集ったことになる。逆転の目が見えて来た。
なのに、表情は揃って暗い。当然だ、今殺めているのはついさっきまで人間だった者達。感情を有してしまったせいで天士達もまた苦渋の決断を迫られる。まだ魔獣化していない人間を守るため、魔獣と化した者達を殺さなければならない。だが、そうして守り抜いた命でさえ結局は異形となる。自分達の敵に変わる。
全員死ぬまで、終わりは無いのかもしれない。
――アリスもまた、髪を使って自らを持ち上げ、城の上でブレイブと戦い続けていた。この世の地獄と化した都市の中心で高らかに笑う。
「あはは! あははははははははははははははははははははは!」
「やめろ! やめろ!!」
アイズの剣術は彼から教わったものだと聞いた。たしかにその剣筋は彼女のものと遜色無く鋭い。超視力無しで同等だと考えると、技量の面では上かもしれない。なのにどれだけ斬ってもアリスには傷一つ付かなかった。刃が素通りしてしまう。
アリス曰く『深度』が足りないからだ。彼女の存在、その核とでも呼ぶべき何かが存在する領域まで届かなければダメージにならない。
「無駄無駄無駄! 貴方に私は殺せない! 他の天士達も同じ! でもいいわ、せいぜい足掻けばいい! さっきのように奇跡が起きるかもしれない!」
今のところ無意味な行為。けれどアリスは期待を寄せる。
(天士の可能性、見せてもらうわ)
ブレイブには焦りがあり、罪の意識もある。この地獄が生み出されるのを防げず、元凶を目の前にしていながら倒すこともできない。だからこそ負の感情に追い込まれ『深化』を果たすかもしれない。事実として彼は、アリスが市民を魔獣化させた瞬間、封印されているはずの能力を発揮して拘束を逃れた。しかも、もしかしたらと考えていたこちらの予想を遥かに上回る力の発露。余波によって尖塔は砕け、先端部分は辛うじて原型を留めたまま城の中庭に落下している。
そう、もう一度あれをやればいい。封印を強引にこじ開け、最強の天士の力を余さず自分にぶつけてみることだ。それなら通じる可能性もゼロではない。
(破壊力だけは私と互角)
なのに弱い。最初の奇襲の方がまだ良かった。今はどれだけ斬られても痛みすら感じない。期待外れにも程がある。
(この顔? 見慣れた姿形が殺意を鈍らせているの?)
じゃあこうしよう、一方的ではつまらない。次の瞬間アリスは本来の容姿に戻った。つまり帝国の皇女として生まれた自分に。
リリティアとは対照的に目尻の鋭い切れ長の瞳。愛らしい丸みを帯びていた鼻も尖った高い造形に変わり、背丈が若干伸びて体型はいっそう細身になった。年齢は同じくらい。けれどリリティアよりずいぶん大人びて見える。そして美しい。
髪と瞳の色は変わらない。彼女も元々そうだったからだ、リリティアと同じ桜色。雰囲気は全く異なるのに、その共通点のせいで面影は感じられる。
「どう? この姿に見覚えは無い?」
「!」
目を見張るブレイブ。たしかに見覚えがある。戦中戦後、市民をクラリオまで連行していた時に様々な場所で見かけた。皇帝ジニヤは一人娘を溺愛しており、自分と娘を共に描かせた絵を方々へばら撒いていたのだ。
だから顔は知っていた。当然、実物を見るのは初めてだが。
「本当に……アリス皇女なんだな!」
「そう、私はアリス。そして最後のアイリス」
抱擁するかの如く両手を広げ、ブレイブの攻撃を待つ彼女。期待に応えて斬りつける彼。やはり躊躇無くめった斬りにする。
しかし傷付かない。さっきまでのそれに比べ、ほんの少しむず痒さが増した程度。これが天士の限界だとでも?
「もっと頑張りなさい」
「クソッ!」
今度は顔が真っ二つ。それでもアリスは嘲笑し続けた。
ブレイブとアリス、一対一の攻防はしばらく続いた。刻一刻と時が進むにつれブレイブは確信を深めていく。
(こいつ、やはり待っている……!)
自分一人、倒そうと思えばいつでも倒せるはず。なのにそうしない。おそらく他の面々にも加勢させたいのだ。一方的な殺戮では退屈だからか、圧倒的な力を示して心を折りたいのか、あるいはシエナ達のように死を望んでいるためか。目的は未だ判然としない。だが、何かを期待されていることは確かだろう。
次の瞬間、そんな期待に応えて投げ放たれる一撃。迫り来る気配を察し、軽く身を捻って避ける彼女。凄まじい速度で飛来したのは一本の突撃槍。通過直後に突風が吹き抜け、彼女の髪をそよがせる。
「あ、必要無かったわね」
馬鹿なことをしたと自嘲するアリス。反射的に回避したものの、どんな攻撃を受けても問題無いのだった。
「まあ、元は人間だもの。危険は無いとわかっていてもついつい避けたり防いだりしてしまうのは仕方の無いことよね」
「俺の槍なぞ避けるまでも無いってのか……!」
槍が飛んで来た時点でわかっていたが、城の屋根に上がって睨みつけて来たのは案の定『弓』の力を持つ天士ハイランサー。その隣には彼の武器である突撃槍を複製して次射の準備を進めている『鏡』の天士サウザンド。
「もう全員片付けたの? 流石の手際ね」
一応は彼等を警戒しつつ周囲にも目を配るアリス。一瞥する間にも次々と複数の影が城の屋根に上がって来た。どうやら全員集合らしい。
ハイランサー、スタンロープ、グレイトボウ、フューリー。
サウザンド、ロックハンマー、アルバトロス、ハイドアウト。
ライジングサン、ミストムーン、ハウルバード、ウッドペッカー。
そしてスカルプターとクラッシュ。
ブレイブを含め十五名の天士に包囲されている。まだ十数分しか経っていないはずだが魔獣達は一掃されてしまった。さっきまでの阿鼻叫喚から一転、静まり返ったクラリオ。ここにいる自分達以外、もう何者もこの地には存在しない。
地獄を赤々と照らしていた夕日が山の稜線の向こう側へ沈む。一気に暗くなる視界。彼女の桜色の髪と瞳、そして彼等の白い甲冑が薄闇の中でぼんやりと浮かび上がる。
幽鬼が集ったかのようだ。実際それに近い。大半は自覚していないが。
「哀れな人達。守ると誓ったものを守り切れず、その手ですり潰すことになった。貴方達の悲嘆と苦悩は想像しがたいほど深く、大きい」
この場所で散った友を想い、芝居がかった口調で演じてみせる。彼等に愛された少女も、やはりいなくなった。今ここにいるのは憎まれるに値する悪役。そうでなければならない。
「けれど、それはこちらも同じ。私も全てを奪われた。人生、未来、祖国。さあ、だからこそ始めましょう。何もかも奪われた者同士、今こそ激しい怒りと憎悪をぶつけ合うのよ。心ゆくまで」
幕は上がり、前座は袖に消えた。彼等とて主役ではないが見せ場は残っている。
華々しく散ればいい。主役の心を切り刻むために。
「かかって来なさい、怪物はここよ」
対処する天士達とて無傷ではいられない。どの魔獣も彼等の能力を知り尽くしているかのように的確に弱点を突いて来る。
「くっ、クソッ!」
弓の力を持つ天士ハイランサーは遠距離攻撃においてこそ本領を発揮する。そんな彼に何もさせまいと見事な連携で肉薄する俊敏な魔獣達。突撃槍と盾を巧みに使って凌いではいるものの全てを捌き切ることはできず、見る間に顔や手足、白い甲冑の表面に傷が増えていく。
天士スタンロープも同じだ。雷の力を持つ彼に襲いかかるのは強力な感電耐性を備えた魔獣のみ。人間なら瞬時に黒焦げになってしまうほどの雷撃を受けても全く怯まない。
「駄目だ! 俺の力じゃ倒せん!」
「だったら、弾き飛ばす!」
スタンロープと魔獣達の間に光の帯を出現させるグレイトボウ。勢いのまま突っ込んだ敵は強い張力を有するそれに跳ね返され、遥か彼方まで吹き飛んだ。
だがそれは囮だった。体勢を立て直すべく足を止めたスタンロープとグレイトボウに、地中から飛び出した無数の棘が刺さる。
「ぐっ!?」
「地面の下、に……っ」
それは植物のように根を伸ばした魔獣の攻撃。本体はすぐ近くの建物に隠れているため二人には予測しようも無かった。
動きが止まった途端、さらに襲いかかる耐電魔獣の群れと赤い棘。
一人の天士が割り込み、凄まじい熱量でまとめて焼き払う。
「フューリー!」
「すまん、助かった!」
今度こそ体勢を立て直し、駆け付けた仲間と共に背中合わせで陣形を組む二人。熱を操る寡黙な天士フューリーは、すぐさまハイランサーの方を目線で示した。
「次だ、行くぞ」
「ああ!」
フューリーを先頭に突き進む三人。ハイランサーを含めればこの場に四人の天士が集ったことになる。逆転の目が見えて来た。
なのに、表情は揃って暗い。当然だ、今殺めているのはついさっきまで人間だった者達。感情を有してしまったせいで天士達もまた苦渋の決断を迫られる。まだ魔獣化していない人間を守るため、魔獣と化した者達を殺さなければならない。だが、そうして守り抜いた命でさえ結局は異形となる。自分達の敵に変わる。
全員死ぬまで、終わりは無いのかもしれない。
――アリスもまた、髪を使って自らを持ち上げ、城の上でブレイブと戦い続けていた。この世の地獄と化した都市の中心で高らかに笑う。
「あはは! あははははははははははははははははははははは!」
「やめろ! やめろ!!」
アイズの剣術は彼から教わったものだと聞いた。たしかにその剣筋は彼女のものと遜色無く鋭い。超視力無しで同等だと考えると、技量の面では上かもしれない。なのにどれだけ斬ってもアリスには傷一つ付かなかった。刃が素通りしてしまう。
アリス曰く『深度』が足りないからだ。彼女の存在、その核とでも呼ぶべき何かが存在する領域まで届かなければダメージにならない。
「無駄無駄無駄! 貴方に私は殺せない! 他の天士達も同じ! でもいいわ、せいぜい足掻けばいい! さっきのように奇跡が起きるかもしれない!」
今のところ無意味な行為。けれどアリスは期待を寄せる。
(天士の可能性、見せてもらうわ)
ブレイブには焦りがあり、罪の意識もある。この地獄が生み出されるのを防げず、元凶を目の前にしていながら倒すこともできない。だからこそ負の感情に追い込まれ『深化』を果たすかもしれない。事実として彼は、アリスが市民を魔獣化させた瞬間、封印されているはずの能力を発揮して拘束を逃れた。しかも、もしかしたらと考えていたこちらの予想を遥かに上回る力の発露。余波によって尖塔は砕け、先端部分は辛うじて原型を留めたまま城の中庭に落下している。
そう、もう一度あれをやればいい。封印を強引にこじ開け、最強の天士の力を余さず自分にぶつけてみることだ。それなら通じる可能性もゼロではない。
(破壊力だけは私と互角)
なのに弱い。最初の奇襲の方がまだ良かった。今はどれだけ斬られても痛みすら感じない。期待外れにも程がある。
(この顔? 見慣れた姿形が殺意を鈍らせているの?)
じゃあこうしよう、一方的ではつまらない。次の瞬間アリスは本来の容姿に戻った。つまり帝国の皇女として生まれた自分に。
リリティアとは対照的に目尻の鋭い切れ長の瞳。愛らしい丸みを帯びていた鼻も尖った高い造形に変わり、背丈が若干伸びて体型はいっそう細身になった。年齢は同じくらい。けれどリリティアよりずいぶん大人びて見える。そして美しい。
髪と瞳の色は変わらない。彼女も元々そうだったからだ、リリティアと同じ桜色。雰囲気は全く異なるのに、その共通点のせいで面影は感じられる。
「どう? この姿に見覚えは無い?」
「!」
目を見張るブレイブ。たしかに見覚えがある。戦中戦後、市民をクラリオまで連行していた時に様々な場所で見かけた。皇帝ジニヤは一人娘を溺愛しており、自分と娘を共に描かせた絵を方々へばら撒いていたのだ。
だから顔は知っていた。当然、実物を見るのは初めてだが。
「本当に……アリス皇女なんだな!」
「そう、私はアリス。そして最後のアイリス」
抱擁するかの如く両手を広げ、ブレイブの攻撃を待つ彼女。期待に応えて斬りつける彼。やはり躊躇無くめった斬りにする。
しかし傷付かない。さっきまでのそれに比べ、ほんの少しむず痒さが増した程度。これが天士の限界だとでも?
「もっと頑張りなさい」
「クソッ!」
今度は顔が真っ二つ。それでもアリスは嘲笑し続けた。
ブレイブとアリス、一対一の攻防はしばらく続いた。刻一刻と時が進むにつれブレイブは確信を深めていく。
(こいつ、やはり待っている……!)
自分一人、倒そうと思えばいつでも倒せるはず。なのにそうしない。おそらく他の面々にも加勢させたいのだ。一方的な殺戮では退屈だからか、圧倒的な力を示して心を折りたいのか、あるいはシエナ達のように死を望んでいるためか。目的は未だ判然としない。だが、何かを期待されていることは確かだろう。
次の瞬間、そんな期待に応えて投げ放たれる一撃。迫り来る気配を察し、軽く身を捻って避ける彼女。凄まじい速度で飛来したのは一本の突撃槍。通過直後に突風が吹き抜け、彼女の髪をそよがせる。
「あ、必要無かったわね」
馬鹿なことをしたと自嘲するアリス。反射的に回避したものの、どんな攻撃を受けても問題無いのだった。
「まあ、元は人間だもの。危険は無いとわかっていてもついつい避けたり防いだりしてしまうのは仕方の無いことよね」
「俺の槍なぞ避けるまでも無いってのか……!」
槍が飛んで来た時点でわかっていたが、城の屋根に上がって睨みつけて来たのは案の定『弓』の力を持つ天士ハイランサー。その隣には彼の武器である突撃槍を複製して次射の準備を進めている『鏡』の天士サウザンド。
「もう全員片付けたの? 流石の手際ね」
一応は彼等を警戒しつつ周囲にも目を配るアリス。一瞥する間にも次々と複数の影が城の屋根に上がって来た。どうやら全員集合らしい。
ハイランサー、スタンロープ、グレイトボウ、フューリー。
サウザンド、ロックハンマー、アルバトロス、ハイドアウト。
ライジングサン、ミストムーン、ハウルバード、ウッドペッカー。
そしてスカルプターとクラッシュ。
ブレイブを含め十五名の天士に包囲されている。まだ十数分しか経っていないはずだが魔獣達は一掃されてしまった。さっきまでの阿鼻叫喚から一転、静まり返ったクラリオ。ここにいる自分達以外、もう何者もこの地には存在しない。
地獄を赤々と照らしていた夕日が山の稜線の向こう側へ沈む。一気に暗くなる視界。彼女の桜色の髪と瞳、そして彼等の白い甲冑が薄闇の中でぼんやりと浮かび上がる。
幽鬼が集ったかのようだ。実際それに近い。大半は自覚していないが。
「哀れな人達。守ると誓ったものを守り切れず、その手ですり潰すことになった。貴方達の悲嘆と苦悩は想像しがたいほど深く、大きい」
この場所で散った友を想い、芝居がかった口調で演じてみせる。彼等に愛された少女も、やはりいなくなった。今ここにいるのは憎まれるに値する悪役。そうでなければならない。
「けれど、それはこちらも同じ。私も全てを奪われた。人生、未来、祖国。さあ、だからこそ始めましょう。何もかも奪われた者同士、今こそ激しい怒りと憎悪をぶつけ合うのよ。心ゆくまで」
幕は上がり、前座は袖に消えた。彼等とて主役ではないが見せ場は残っている。
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