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運命とは

神の祝福

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「そうか ではお前達5人に祝福を与える 幸せになれ」

「「「「「ありがとう ございます」」」」」

目の端に宰相が 驚きに目を瞠ったまま突っ立っているのを見た

どうやらこの時 私達の周りに天から 光の粉が降り注いでいたらしい

私達は光に包まれていたから 追加の光には気づかないでいた

だからこれは 後から聞いた話

「百合愛 お前は一人で頑張りすぎて 頼る事をあまりしないようだが いつでもここに 私がいるから いざという時には相談においで 待っているよ」

そして 光が治まると 歓声が巻き起こった


「神の祝福がなされた これにより神への報告を終了し 誓約書への記入に移らせていただきます」

宰相は全員を立ち上がらせると 神父が説教をする時の台のような机の方へ来るよう 促がした

台の上には羊皮紙とペンとインク壺が置かれていて 書かれている事を読んでみたら 結婚について 離婚できないとか 死亡した時の財産分与の話とか 浮気した時の罰則とかがそれには書かれていた

・・・ファンタジーな世界だと思っていたけど わりとシビアなところも有ったんだと認識した

「内容を確認の上 同意したのなら こちらにサインをしお願いします」

一人ずつ順番にサインを入れていき 最後に妻の欄に私が記入すると 宰相がその羊皮紙を額に貼り付け それを覆うように結界を張った

「では こちらは王家所有の誓約書の為の保存室に 後程入れさせていただきます」

宰相が隣の神官に目配せをすると 神官が後ろの方に下がって行き 小さい座布団のような物を 両手で大切そうに掲げて戻ってきた

・・・あっ そうだ 確かリングピロー?っていうやつだ

思い出せてよかった 名前 もやもやしたんだよね~

上には同じ模様のリングが8つ載せられていた

「これには お互いの危機を知らせ 居場所へ導くという術が掛けられております 百合愛様はこちら側の4つを それぞれ夫となる者の左手薬指に嵌め 魔王様 龍王様 アイゼン王子 クレメンテ様はこちらの それぞれの髪の色の指輪を 百合愛様の薬指に嵌めていって下さい」

私が嵌めていく指輪は全部同じで ピンクゴールドの1cmは無いと思うけど わりと幅広なタイプ

それぞれ嵌めていくと 皆の指の太さに合わせて 縮んでいき ぴったりとフィットした

次に私の指に嵌められていったのは それぞれの色の 2mm幅の細身の指輪

それでも4つも嵌めていくと 丁度 シャルドネード達と同じ位の幅になった

もちろん私の指にも ぴったりフィット済み

・・・カラフルだな~

まぁ もしもの時の為の物だから 誰に繋がっているか 判り易くていいのかな

指輪を嵌め 神殿でする事は これで全部終わったらしい

人前での誓いのキスが無いようで ほっとする


思った以上にあっけなく済んで 再び馬車に乗せられ 行きと同じ歩き方で城へと戻っていった

馬車から降りると 国王夫妻が先に到着しており 出迎えてくれた

2人に手をとられ シャルドネード達は 私達の後ろに付いて 披露宴会場へと向かっていった

招待客達もすでに会場に着いていて 手にドリンクを持って私達が来るのを待っていてくれたようだ

一番奥の壇上に私達の席が設けられている そこまで真っ直ぐ 真ん中の通路を 国王夫妻に手を引かれたまま進んで行き 中央の席まで連れて行かれ 椅子を引いて貰ったのでそこに着席した

国王 アイゼン シャルドネード 私 ギルデガルド クレメンテ 王妃 の並びで座った

宰相が前に進み出てきて 祝いの口上を述べたのを合図に 高位貴族から順にお祝いを述べていった

皆 似たり寄ったりの事を言っていくので 正直 だんだんと厭きてくる&眠くなる

でも こんな所で寝るわけにはいかない

意地でも耐えるしかない

必至に 日本にいた時に聞いていた曲を 頭の中で流しながら 収納からストロングタイプのミント味タブレットを 3粒程口に放り込み 眠気に抗った
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