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ルーレシア魔国 魔王 シャルドネード

森の結界

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突撃訪問作戦は あわただしく始まった

近衛達の面通しが終わってすぐ 宰相と合流し城を出た

エルフの里がどこにあるのかは 知らないけれど 中途半端な時間に出発した

何刻につくのかわからないが 暗くなると 見落としがあるように 思うのだけれど・・・

聞く所によると 馬で エルフの管理する森の外側まで行き 野営を1回挟み 日が昇ると共に 森の結界に入り込み 里まで進むとの事だった

 ”夜に ドッキリ きちゃった♪” 作戦ではないようだ

私もメイド達も全員 騎乗して 馬を早駆けさせた

ちょっと 騎士達が引いているような気がする

被害妄想じゃないよねこれ

なんと恐ろしい事に 乗馬の早駆けも 専属メイドの必須項目として 猛特訓させられたらしい

私設軍隊を作ろうとしているのだろうか マリーナさん

車も楽でいいのだけれど たまには乗馬もしないと 感覚が鈍るからという事で 馬を借りて LET'S GO

おしり痛くなるけどね 回復かけるから大丈夫


600m程先に森が見える ここまで来るまで 荒野だったのに違和感ばりばり


先頭を走っていたシャルドネードが 急に止まれの合図を出した

どうやら 20m行った所に 結界が張られているらしい

本来なら エルフの管轄の境界である 森ぎりぎりを囲うように 張られているはずのものなのだが 森より500m以上離れた場所に張ってある

という事は 森が縮小していってるという事だ

その様な報告は受けていないと 宰相が 今すぐ殴り込みに行きそうな程 カンカンに怒っていて まわりの騎士達が 必死に宥めて止めている

思っていたより 宰相は アツい男の様だ

・・・巻き込まれないように 遠巻きに見ている 私

よし フルーツヨーグルトを夕食に付けてあげよう

カルシウム 大事だよね


ここで野営をする事に 決まった

急に出るといわれて皆 テントとか持ってきたのだろうか?

ガッレシニア勢は いざという時 生き延びる 各自収納に アウトドア用品と 最低一ヶ月分の 水と食料を入れて置くように 言ってあるので 問題ないけど そこの所どうなんだろう と思っていたら シャルドネードが ある程度の兵糧を 常に収納しているそうだ

戦に限らず 災害時や飢饉等に備えてのようだ まぁ 急な討伐や 今回のような時にも役立つよね

一軍に 一人 大容量収納持ちがいると こういう時便利 戦だと長期戦になりそうで嫌だけど 災害時や飢饉とかにはその人が 現地に行く事さえできれば 物資を必要な時 必要な量 供給してあげられるからね

まぁ 私の方で 賄う事もできるのだけれど シャルドネードと話した結果 食事の方はシャルドネードが担当して 私が寝る場所と食事をする場所を整える事になった

・・・初めての共同作業

キャッ

な~んてね

ただ単に その方が片づけして出発するのに 時間短縮できるってだけ

野営にお馴染 寝台列車をコピーして 全員が使えるようにし テーブルやパイプ椅子を並べ「結界」を張り巡らせた

今回は寝台列車一両を 女性専用車両にして眠る事にした キャンピングカーを何台も出すのが 面倒だからとかじゃないよ 本当だよ

食事は 野菜がごろごろ入ったスープと ステーキ肉とパン&私からの差し入れ フルーツヨーグルト

ステーキ肉が大きすぎたから 半分にカットして シャルドネードに食べて貰った


朝 まだ暗いうちから 行動を開始した

食事をとった後 寝台列車 テーブル 椅子 食器等を全部収納してから 食器だけ取り出して シャルドネードに渡した

シャルドネードの収納には自動清浄の機能がついてないから 一度私の収納の中にしまって 自動清浄をしてから 出す事にした

結界を通り抜けた事を知られないように 全員に 気配遮断 消音 消臭をかける

徐々に空が白み始めた頃 森の外縁部にたどり着いた

森の外縁部から 里の方へ向かってゆくが 魔獣は結界で入れないにしても 動物の数が異様に少ないように感じた そして何より 空気が澱んでいる感じがする

朝の爽やかな感じがしない

・・・エルフの森のイメージって 清浄な場所って感じだったんだけど 私の中では

道なき道を シャルドネードを先頭に 里まで黙々と歩いてゆく

ただ 時々 振り向いて 私の状態を確認してくるので ちょっと早歩きで横に並んで 私の方から そっと手をつないでみたら そっと握り返してくれた
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