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デート 神官長

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朝 起きると スマホを手に持ったままだった 画面はもう 消えていた

ああ あのまま寝てしまったのか

ぼおっと していると 朝の身支度を整えに マリーナが入ってきた

 「お早うございます 起きてらっしゃいますか」

と言いながら カーテンを開き タッセルで 素早くまとめていった

 「今朝は クレメンテ様と お食事をされるそうですので 昨日とは違う場所に ご案内いたします そろそろ お支度を整えましょう」

と言って 薄い水色のドレスをクローゼットから取り出した

朝から ドレス・・・

マリーナに 「お早う」と返してから 用意してあった濡れタオルで 顔を拭い 着付けてもらった 他人に服を着せてもらうのって 恥ずかしいが これもいつか 慣れるのだろうか

そういえば 一月毎に 各地を巡るのに マリーナは ついてきてくれるのだろうか?

恋人がいたら 申し訳ないと思い 遠慮がちに 聞いてみたら

 「もちろん ご一緒させて頂きます」

と食い気味に言ってくれた

よかった~ 行く先々で 知らない人に 肌を晒さなくてすむ~

・・・心からの安堵

さっきの言葉に続けて

「身を挺してでも お守り致します」

と言われた

・・・えっ メイドだよね

マリーナには 昨日のうちに 印をつけてあるけど 盾代わりにするつもりはない

私も戦えるからね と伝えたら 涙ぐみながら

 「百合愛様が 手を出すまでもなく 完膚なきまでに 敵を駆逐します」

と言ってきた

・・・メイド だよね


支度が整ったので 部屋からでると 扉の横に 護衛が二人立っていたので 挨拶をしてから

「護衛をしてくれてありがとう」

と伝えると 私の前後に就き 一緒に移動をし始めた

少しすると 前から 神官長が歩いてくるのが 見えた

 「嬉しくて 待ちきれず 迎えに来てしまいました ご一緒しても宜しいですか」

と言いながら 流れるような スマートな動きで エスコートしてくれた

・・・ワーォ 日本男児には無理な対応


食事をしながら 神殿の事 神官長の仕事の事 この世界の神様の事 を聞かせてくれた

・・・かなり興味深い とくに神様について 詫び状貰ってるからね 謝罪の 力 貰ったし

神を見たり 声を聞いたりするのか 聞いてみたら 託宣を受けるのは 国王だけらしい

引継ぎの儀式を する事によって 託宣のスキルが次代へ 引き継がれるそうだ

なので 国王が退位したら 儀式をして アイゼン王子が 託宣を受けられるように なるんだって

じゃあ 神殿は何をするのか といったら

神殿は 信仰を広めたり 祈ったり 神力の使い方を学び 力を高める場だそうだ

又 メインで 儀式等を取り仕切り 文献に記したり 保存したりも 担うらしい

テラスで 食事をしていたのだけれど お茶を飲んで お腹を落ち着かせてから そのまま庭へ出た

クレメンテのエスコートを 受けながら

食事をしている時に 名前で呼んで欲しい と言われたけれど 男の人を呼び捨てって 勇気がいるよね~

ちょっと 照れる

バラのアーチが連なっている遊歩道を 周りの景色を堪能しながら くぐって行き 道々に咲いている 花の名前を聞いたり 神官になろうと思った きっかけとかを 聞いたりした

まさか 公爵家の長男だとは思わなかった

継承とかは しなくていいのか 尋ねたら

 「将来的には 継ぐ事になりますが 今はまだ 親も健在ですから できる限り 頑張って貰うので しばらくの間は大丈夫ですよ」

と返答された

なんでも 10歳の誕生日に必ず 神殿で 神力の検査を 受けさせられ 高い事がわかると 強制的に 神殿預かりとなり 防御と結界の張り方を習う事が 義務となるのだとか

いざという時に 国民を守れるように

習得できれば 後はそのまま 神官となるか 家に戻るか 選択できる

但し 何かあった時には 防御と結界を張る為に 全員 緊急召集されるそうだ

クレメンテは 他の神力の使い方が知りたくて 神官の道に進むことにしたらしい


途中 無言で ただ花を見ているだけの時もあったけど 沈黙も 気になる事はなく どちらかっていうと 穏やかな気持ちでいられた

・・・やっぱり 神官らしいというか 醸し出す雰囲気が とても優しい感じで 居心地がいい


遊歩道を一周して 元のテラスまで戻ると 昼食の時間の ちょっと前だった

とても楽しく過ごせた事を 感謝すると

 「こちらこそ ありがとうございます 名残惜しいですが ここで・・・一月後の 一緒に居られる機会を 楽しみにしております」

と言われたので

 「はい 私も楽しみにしております お仕事 頑張ってください」

と言って 小さく手を振った
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