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再召喚 SIDE王子

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SIDE 第1王子 アイゼン

あれから12日経過し やっと再召喚の手はずが整った

前回 力が足りず中断してしまったが 今回は持てる力全てを使って 全力で引き寄せる

識別済だから 今回は探索に力は必要としていない

引き寄せるだけに集中できる 空に向かって 光が伸びていたのだから この私達のいる世界とは 違う所で生きているのだろう だが召喚の陣は繋げてある 今度こそは必ず 手繰り寄せてみせる


今回は 魔方陣の周りを 魔術師と神官 交互に30人配置した

その他 魔力が高い 私 と 私の補佐ツヴァイ 神力の高い神官長 クレメンテ と 龍王 ギルデガルドが交互に立つ

魔王 シャルドネードは 両方の力が使えるので 一人で力を練りあわせ 全体の様子を見ながら 加減して 補佐する事にした

そして その外側に 30人の介助者を配置し 必要時 すぐに回復剤を飲ませられるよう用意させた

 「後 半刻ほどで日が昇り始める 魔力と神力を練り始めろ」

空の色が徐々に変わり始め 力もちょうど練りあがった

 「今だ 注ぎ込め」

号令と共に 皆のもてる力を全て いっきに魔方陣へと 叩き込んだ

膨大な光がものすごい速さで 1点に向かって伸びていく

その光は 1刻程続いた後 スーと消えていった

魔方陣の上には 真っ赤で大きい 花の蕾のような物が 静かに浮かんでいた

魔方陣に大量の力を注いだ為 皆膝をついていたが すぐに回復剤を渡され 飲みながら それを眺めていた


 「これはいったい?」

思わず 手を伸ばし 神官長に止められた

 「触れるのは お待ちください 今 他の者に分析させますので」

 「ああ すまない 頼む」


急遽 分析のできる魔術師を呼び出し 分析させ 結論が出るのを待った

 「これは 凄いですぞ!!」

魔術師は 興奮しながら分析結果を告げてきた

 「この赤い蕾のようなものは 結界ですぞ それも 環境適応化の魔法が 上手く組み込まれておる しかも それが幾重にも重ねられておるな 恐らくだが 自分のいる場所と 違う環境に召喚された時の 危険性を回避する為でしょうな・・・ 環境が体に馴染むごとに 結界が開くようになっておる 浮遊しているのも 同じような理由からじゃろう 辿り着く先が解からないなら 浮いていれば安心だと 考えたんじゃろう 危険性の回避ですな!!」

いっきに 話しきったな かなりご高齢のはずだが 肺活量 すごいな

 「なるほど・・・触れても大丈夫か?」

 「いや やめておいた方がいいじゃろう 自然に開いてくるじゃろうから 少し離れて待った方が 良いじゃろう」


皆で 少し離れて 見守っていると 徐々に蕾が開き始めた

一枚 また一枚とゆっくりと おりていき 花のように広がっていく

その光景が あまりにも美しすぎて 溜息が出る

赤い結界が開ききると 黄色い結界に変わった 何か意味があるのだろうか?

リーン リーン リーンと涼やかな音色が響きわたる

黄色い結界が ふんわりと開いていった

全て開ききった中央に 女の子が横たわっていた

クッションを敷き詰めた上で 身体を丸め 眠っているようだ

そっと近づき 顔を覗き込んだ

思わず 「可愛い・・・」 口からもれてしまった

驚くほどの美少女だった 瞳は何色か まだわからないが 全体的に 儚げな感じで 庇護欲を刺激してくる

寝衣だろうか? 可愛らしいものを纏っているが ちょっと 露出が多くて 眼のやり場に困る

マントを外し そっと包んで 抱き上げた
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