上 下
14 / 189

報道

しおりを挟む
家族が百合愛の捜索願を出してから何故か大騒ぎになった


たかが家出で報道されるとは思わなかった

1年間で どれだけの人が失踪しているのか 知らないけど いちいち全員 報道されていないよね

私なんて 丁寧に 家出しますって書いて 電車でのんきに移動しているのを 見せているのに・・・

工作がきいたのか 周囲の人は疑われていないけど 何故こんなに騒ぐ?


SIDE 家族

いつもと同じ変わりない一日でした 前日 学校を無断欠席した件は 通学途中 立ち眩みして お店で休憩させてもらっていた と言っていて 大丈夫なのか心配で 病院へ行った方がいいのではと 聞いたのですが もう全然 平気だからと言われてしまって・・・

誕生日だったので 夜は家族全員で外食をしてお祝いをしたんです

普通に ありがとうと この家族の一員になれて幸せ と言って微笑んでいて・・・

ウッ これ以上はごめんなさい 混乱していて 家を出て行く理由が ぜんぜん 思い当たらなくて すみません・・・

(涙がツーと静かに流れ出た)

インタビューをしている人も それ以上は聞けなかったみたい

でも ちょうどその時の事を その店のウエイターが見ていて 話に入ってきた

とても美しい少女が 幸せそうに 微笑みながら言っていた言葉を 近くで皿を片付けている時に聞いて 思わず 魅入ってしまった

と インタビューしている人に話していた


SIDE 銀行員

ええ 覚えています とっても綺麗な子で 両親に 世界一周旅行をプレゼントしたいから 貯金を解約したいと仰るので 小切手にしたらとお勧めしたら 今日 申し込みの支払いをしに行くからって仰って とても親孝行ないい子だなって 驚きました


SIDE 駅員

もちろん 覚えています ものすごい美少女でしたから

○×県の△◎駅までの乗り換えは どうしたらいいかとか 何時のどの列車に乗ったら 早く着くかとか聞かれました

初めて電車に乗るから 切符の買い方等 教えて欲しいと言われて 他 一人旅だと 仰られていたので 大丈夫なのか心配していたのですよ


SIDE クラスメイト

午前中 無断欠席していたけど 昼休みにふらっと来て 友達とお昼ご飯を食べた後 二人でどこかに行ってしまって あまり話せませんでした

百合愛さんは いつの間にか 帰ってしまって それっきりです

もう一人の お友達は下校時間に先生に捕まって 説教されたらしいです

百合愛さんですか? ええ とても美人ですよ 儚げな色白美人で 深窓のご令嬢って感じです

主席で入学したくらいだから 頭も良いですし 才色兼備って感じ 家出なんて 一番しなさそうですよ 家族仲もいいと有名ですから


SIDE 担任

とても 優秀な生徒です 天才ですね 満点しかとらなかったですからね・・・

いなくなる前日に 何故か 無断欠席をして 家に連絡を入れてみれば 普通にいつもと同じように 学校へ走って出て行きました と言われました

まだ学校に来ていないので どうしようか 話し合っていたのですが 親御さんが連絡をとってみる との事だったので様子をみていました

午後になって 百合愛さんと仲の良い生徒が 授業に出ていなかったので 他の生徒に聞いてみたら 百合愛さんが昼に来て 友達と一緒に教室を出て行ったきり 戻ってこないと言われました

そのまま 帰りのホームルームにも現われないので 下駄箱に見に行ったのですが 百合愛さんの靴はなく 一緒に出て行ったという 友達の靴のみが残っていました

ですので 靴を履きにくるのを 待っていました

下校時間を過ぎて その生徒が現われたので 職員室に来てもらい 話を聞いたのですが 誕生日を祝っていて 授業をサボってしまったという事で 家出につながるような内容ではなかったですね

みんな 心配しているので はやく 無事に 帰ってきて欲しいですね


SIDE 麻友結

百合愛の誕生日だったんです

プレゼントを用意して待っていたのに 朝 来なくて 心配していたのですが 昼 普通に「おはよー」って言いながら現れて・・・

お昼ごはんを食べた後 遅れた理由を話すけど 場所を移したいと言われて 茶室の前庭の中にある東屋で話し合いました

大した理由はなくて ちょっと立ち眩みしたから 通学途中にある 朝からやっている食堂に入って 飲み物とケーキを頼んで 端の方の席にいさせて貰っていたんだけど 座ったままいつの間にか うとうとしてたみたい で こんな時間に・・・

心配かけてごめんねって 言われて・・・

ちょっとの間 沈黙した後に いつも右手首にはめていた パワーストーンのブレスレットを外して 私の右手首にそっとはめてくれたんです

おそろいのピアスのお返しって言って いつも いろいろありがとうって言って 私の方こそ いつも お世話になっていたのに・・・

彼女の誕生石 エメラルドのピアスを両耳に付けています

彼女 とても 美少女でスタイルもいいから 変な事件に巻き込まれていないか とても心配です グスッ

(この時 こんな質問されている間に 百合愛がいなくなっていたらどうしよう と考えていたら 涙が出てしまったらしい 結果 信憑性がましたようだ)

家を出ていく理由も 何も 聞いていませんし そんな そぶりもなかったです

家族仲もいいですし わけがわかりません はやく百合愛に 逢いたいです


SIDE 百合愛

一応 話の内容に 私が方々でちょっとした 嘘をついていたという点以外 変に思われるような おかしな所はないかな

・・・ でも ・・・

なにこれ!? いたたまない!! 罪悪感 半端ない!!

なによ美少女って!!無駄に ハードルあげないで欲しい!!

とりあえず 父母と弟に渡したお金を それぞれ箱に入れて 家族にしか見えないように 隠蔽魔法をかけて 渡し直した

(疑われないように少しずつ 節約して使ってるように見えるよう なるべく このお金から上手く使って と言っておいた・・・派手な使い方をしなければ 大丈夫でしょう 例えば いきなり高級車を 何台も乗り回したり?)
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

大好きな母と縁を切りました。

むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。 領地争いで父が戦死。 それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。 けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。 毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。 けれどこの婚約はとても酷いものだった。 そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。 そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……

元カレの今カノは聖女様

abang
恋愛
「イブリア……私と別れて欲しい」 公爵令嬢 イブリア・バロウズは聖女と王太子の愛を妨げる悪女で社交界の嫌われ者。 婚約者である王太子 ルシアン・ランベールの関心は、品行方正、心優しく美人で慈悲深い聖女、セリエ・ジェスランに奪われ王太子ルシアンはついにイブリアに別れを切り出す。 極め付けには、王妃から嫉妬に狂うただの公爵令嬢よりも、聖女が婚約者に適任だと「ルシアンと別れて頂戴」と多額の手切れ金。 社交会では嫉妬に狂った憐れな令嬢に"仕立てあげられ"周りの人間はどんどんと距離を取っていくばかり。 けれども当の本人は… 「悲しいけれど、過ぎればもう過去のことよ」 と、噂とは違いあっさりとした様子のイブリア。 それどころか自由を謳歌する彼女はとても楽しげな様子。 そんなイブリアの態度がルシアンは何故か気に入らない様子で… 更には婚約破棄されたイブリアの婚約者の座を狙う王太子の側近達。 「私をあんなにも嫌っていた、聖女様の取り巻き達が一体私に何の用事があって絡むの!?嫌がらせかしら……!」

【完結】結婚して12年一度も会った事ありませんけど? それでも旦那様は全てが欲しいそうです

との
恋愛
結婚して12年目のシエナは白い結婚継続中。 白い結婚を理由に離婚したら、全てを失うシエナは漸く離婚に向けて動けるチャンスを見つけ・・  沈黙を続けていたルカが、 「新しく商会を作って、その先は?」 ーーーーーー 題名 少し改変しました

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

【完結】どうぞお気遣いなく。婚約破棄はこちらから致しますので。婚約者の従姉妹がポンコツすぎて泣けてきます

との
恋愛
「一体何があったのかしら」  あったかって? ええ、ありましたとも。 婚約者のギルバートは従姉妹のサンドラと大の仲良し。 サンドラは乙女ゲームのヒロインとして、悪役令嬢の私にせっせと罪を着せようと日夜努力を重ねてる。 (えーっ、あれが噂の階段落ち?) (マジか・・超期待してたのに) 想像以上のポンコツぶりに、なんだか気分が盛り下がってきそうですわ。 最後のお楽しみは、卒業パーティーの断罪&婚約破棄。 思いっきりやらせて頂きます。 ーーーーーー

【第一部完結】忘れられた王妃様は真実の愛?いいえ幸せを探すのです

Hinaki
ファンタジー
敗戦国の王女エヴァは僅か8歳にして14歳年上のルガート王の許へと国を輿入れする。 だがそれはぶっちゃけ人質同然。 住まいも城内ではあるものの少し離れた寂れた離宮。 おまけに侍女 一人のみ。 離宮の入口には常に彼女達を監視する為衛兵が交代で見張っている。 おまけに夫となったルガート王には来国した際の一度切しか顔を合わせてはいない。 それから約十年……誰もが彼女達の存在を忘れていた? 王宮の情報通である侍女達の噂にも上らないくらいに……。 しかし彼女達は離宮で実にひっそりと、然も逞しく生きてきた。 何と王女は侍女と交代しながら生きぬく為に城下で昼間は働き、仕事のない時は主婦として離宮内を切り盛りしていたのである。 全ては彼女達が誰にも知られず無事この国から脱出し、第二の人生を謳歌する為。 だが王妃は知らない。 忘れられた様に思い込まされている隠された真実を……。 陰謀と執着に苛まれる王女の心と命を 護る為に仕組まれた『白い結婚』。 そしてまだ王女自身知らない隠された秘密が幾度も彼女を襲う。 果たして波乱万丈な王妃様は無事生き抜き真実の愛を見つけられるでしょうか。 因みに王妃様はかなり天然な性格です。 そしてお付きの侍女はかなりの脳筋です。 また主役はあくまで王妃様ですが、同時に腹心の侍女であるアナベルの幸せも極めていく予定……あくまで予定です。 脱線覚悟で進めていくラブファンタジーならぬラブコメ?脳筋万歳なお話になりそうです。 偶にシリアスやドロドロ、胸糞警報もありです。

処理中です...