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セカンドハウスに、初めて行く時、万が一、迷子になったら困ると思って、道とか、目印になるような建物を、必死に覚えようと頑張っていたけど、はっきり言って、無駄な努力だった。
マッピング機能の解説をちょこちょこ読みながら、街並みを眺める。
・・・便利だな~。
折角あるのに、スキルを使いこなせていないんだよね、僕。
すぐ、ある事を忘れちゃう。
跳ね橋を渡り、城門を潜る。
正面玄関のまん前に馬車が止まり、月夜に手を引かれながら降りると、カーネリアン宰相がお出迎えをしてくれていた。
「お帰りなさい」
「いえ、ただいま帰りました。・・・よく戻ってくる時間が、分かりましたね?」
「フフッ、王都の門を月夜様方の馬車が通過したら、私の緊急玉を使うよう、渡しておいたので、あのように」
宰相が指差す方を見ると、オレンジ色の煙りが、空高く昇っていた。・・・なるほど。
「新婚旅行中に、申し訳なかったですね。ありがとうございました。これで安心していられます。長旅の後の討伐で、お疲れでしょうから、今日はゆっくりと身体を休めて下さい。それで、申し訳ないのですが、明日の午後、迎えを出しますので、討伐の報告をお願いしても宜しいですか」
新婚旅行中って言っても、あの後、真っ直ぐ、お城に帰る予定だったんだけどね。
逆に、3日も休みをもぎ取って、すみませんでしたって感じなんだけど。
「はい、お伺いします。ねっ、月夜」
だんまりを決め込んでいるから、肘で、月夜の脇腹をつついて、返事をするよう促がした。
「葵ちゃんが言うなら・・・」
どうやら、報告に行く気が無かった模様。
宰相さんも、それを解かっていたんじゃないかな。
討伐の中心は、月夜なのに、ずっと、僕に向かって、話していたからね。
マッピング機能の解説をちょこちょこ読みながら、街並みを眺める。
・・・便利だな~。
折角あるのに、スキルを使いこなせていないんだよね、僕。
すぐ、ある事を忘れちゃう。
跳ね橋を渡り、城門を潜る。
正面玄関のまん前に馬車が止まり、月夜に手を引かれながら降りると、カーネリアン宰相がお出迎えをしてくれていた。
「お帰りなさい」
「いえ、ただいま帰りました。・・・よく戻ってくる時間が、分かりましたね?」
「フフッ、王都の門を月夜様方の馬車が通過したら、私の緊急玉を使うよう、渡しておいたので、あのように」
宰相が指差す方を見ると、オレンジ色の煙りが、空高く昇っていた。・・・なるほど。
「新婚旅行中に、申し訳なかったですね。ありがとうございました。これで安心していられます。長旅の後の討伐で、お疲れでしょうから、今日はゆっくりと身体を休めて下さい。それで、申し訳ないのですが、明日の午後、迎えを出しますので、討伐の報告をお願いしても宜しいですか」
新婚旅行中って言っても、あの後、真っ直ぐ、お城に帰る予定だったんだけどね。
逆に、3日も休みをもぎ取って、すみませんでしたって感じなんだけど。
「はい、お伺いします。ねっ、月夜」
だんまりを決め込んでいるから、肘で、月夜の脇腹をつついて、返事をするよう促がした。
「葵ちゃんが言うなら・・・」
どうやら、報告に行く気が無かった模様。
宰相さんも、それを解かっていたんじゃないかな。
討伐の中心は、月夜なのに、ずっと、僕に向かって、話していたからね。
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