何で僕を?

大器晩成らしい

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ラピスさんの言いたい事は、多分、お城にある、侍従専用の部屋と同じ様な部屋でいいって事なんだと思う。

でも、部屋を小さくしてって案は却下だもんねぇ。

「ですが、「ですがは、禁止ね」」

「プププッ、雇い主に恵まれて、良かったじゃないですか。甘えておけばよろしいのではないですか?なかなかない事ですよ?こんな好待遇。羨ましい限りです」

「ですよね。という訳で、ラピスさんは他の案を出して下さいね?」

その後、ラピスさんが珍しく、眉間に皺を刻みながら、うんうん考え込んでいる間に、ボールサムさんが、僕や月夜が言った内容を元に、簡易的にだけど数枚、別荘の間取り図を書いてくれた。

「ラピスさん、何か思いついた?」

「はい、パーゴラ付きのウッドデッキはどうでしょう」

「パーゴラですか?」

「はい、棚に、つる性の植物をからませ、葉を茂らせることで、屋根代わりにします。冬場に落葉するような植物を選べば、季節によって日差しの量も調節できますので、良いと思います。いろんな種類がありますので、葵様のお好きな花を這わせませんか?花が咲けば、建物も華やかになりますし、香りも楽しめていいですよ。他、葵様がお好きな、果物が生るものを植えてもいいかもしれないですね。収穫する楽しみができますから」

思い浮かぶのは、薔薇とか、藤とか、葡萄とかかな。

「虫とか出ない?」

「結界で覆えば、大丈夫ですよ?」

「ん~、でも、全くいないってなると、受粉とかできなくて、実が生らなかったりするんじゃ・・・」

「では、ハニーバードを2~3匹、捕まえて、放っておくというのはどうでしょう」

「ハニーバード?」

「花の蜜を好んで舐める、小さな鳥です。お庭に、一年中咲いているような花を植えておけば、パーゴラの花が散ってしまっても、飢えて死ぬ事にならないと思いますよ」

「じゃあ、いいかも。その小鳥って、どうやって手に入れればいいかな?」

「本当に小さいので、捕まえるのは大変ですが、お花がたくさん咲いている様な所に行けば、必ずいますので、罠を設置するか、網で地道に捕まえるかですね」

「よし、時間のある時にでも、お花畑に行って捕まえておこう。餌は、お花でいいんでしょ?別荘が出来るまで、専用の籠を作って入れておけば、大丈夫だよね。月夜、いいかな?」

「いいと思うよ」

「やったぁ、じゃあ、そうしよう。ボールサムさん、間取り図に、パーゴラ付きウッドデッキも書き加えて下さい」











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