何で僕を?

大器晩成らしい

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「うわ~♪」

職人ギルドの中に入って、先ず目に映ったのは、展示会を思わせるような陳列。

壁際に、ガラスケースがいくつも設置され、その中に様々な作品が飾られている。

多分、このケース毎で、出展者を変えているんじゃないかな?

欲しかったら買えるのかな?

それとも、作った職人を紹介してくれるのかな?

僕が興味を持ったのが判ったからか、僕を抱えたまま、一周回ってくれた。

夢中で眺め、本来の目的を忘れてしまいそうになる。

「クスッ、葵ちゃん、また後でじっくり見よう」

「あっ、そうだね。先にやる事をやらなくちゃね」

「月夜様、こちらへ」

どうやら、うちのできる侍従は、僕達が見学をしている間に、受付を済ませてくれていた模様。

凄く、いいタイミングで呼ばれ、別室へ。

一番奥にある、かなり豪華な部屋に通された。

貴族用らしい。

足元の毛皮、これ、土足で踏んでいいのかな?

受付をする際に、ラピスさんが、スクリューネ漁港から、馬車で15分の距離にある高台に、別荘を建てたいって話をしたからだと思う。

一般の人は別荘なんて建てないもんね。

いつものように、抱えたまま座ろうとするから、

「月夜、僕、一人で座りたい」

って主張。

打ち合わせするのに、横抱きにされたままじゃ、話し合いとかし辛いもんね。

渋々ソファーに下ろされたけど、失敗かも。

だって、柔らか過ぎて、身体が沈む。

これ、僕1人で起き上がれないやつだ。

包み込まれる感じで、気持ちいいけど、疲れる。

もう少し、硬めの方が、座り易いと思う。


「今、担当職員を決めております。少々お時間がかかるかと思いますので、お待ちの間、どうぞ」

って、座ってすぐ、フルーツジュースと、ケーキを出してくれたけど・・・うぷっ。

さっきパンケーキを食べたばかりで、入りそうにない。

職員さんが出て行ったから、今の内にって思って、収納の中からお皿を取り出し、月夜に頼んで、移しかえて貰い、収納の中へ。

月夜達も、食べられないって言うから、同じ様に収納。

全然手をつけないのは、申し訳ないもんね。







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