何で僕を?

大器晩成らしい

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暫らく、草原を走り続け、途中何ヶ所か、町や村があったけど、素通りして行った。


「城が見えてきました」

御者席からの声に、

「えっ、ほんと?月夜、見たい」

月夜に抱き上げて貰い、天窓から顔を出し、前方を見た。

・・・う~ん、微かに見えるような、見えないような。

「まだ、よく見えないね?」

「そうだね。この距離だと~、後、30分ってとこかな?」

「はい、そのくらいで着きます」

「お昼まで、まだまだだよね?」

「そうですね。かなり時間がありますね」

「じゃあ、お買い物も行けるね」

「教会の用事が終わったら、パンケーキを食べに行く前に、少し回る?後は、別荘の話が早く纏まれば、その後も、いろいろと見て回れるかもね」

「やった!僕、ふわもこのラグが欲しい。暖炉の前に置くやつ。どこに売ってるかな?この前行った家具屋さんに、あるかな?」

「あ~、どうだろう。ラピス、どう思う?」

「そうですね。その家具屋にも置いてあるとは思いますが、ラグやカーペット等の敷物専門店の方が、いいのではないでしょうか。そちらの方が、色も形も、豊富に取り扱っておりますので」

「じゃあ、そこで。連れて行って貰って、いいですか?」

「もちろん、いいですよ。パンケーキのお店も、任せて頂ければ、美味しい所にご案内致しますよ」

「お任せで!」

「畏まりました」

さっき、ラピスさんに連れて行って貰おうって話していたから、丁度いいね。

「葵ちゃん、さっきより、ハッキリ見えるようになってきたよ」

ラピスさんとの会話に夢中になってて、前を見てなかった。

あっ、本当だ。

さっきよりは、くっきりしてる。

でも、凄く小さい。

「そろそろ中に戻る?」

「うん、まだ、着かないみたいだし、ずっと抱えあげてたら、月夜も疲れちゃうでしょ?」

「葵ちゃんは子猫のように軽いから、全然、平気だよ?」

「ん~、でもいいや。座ろう」

太ってる訳じゃないから、重くはないだろうけど、それなりに育ってるから、子猫のように軽いは、無いからね。






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