何で僕を?

大器晩成らしい

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どのくらい寝ていたのか。

手の下でモカが、もぞもぞと動き出した事で、目が覚めた。

・・・いつの間にか、月夜に凭れ、寝てたみたい。

そのままの体勢で、よしよしとモカの背中を撫でた。

だって、動きたくても、僕の頭に頬を寄せ、寝ているんだもん。

ス~ス~と、寝息が耳にかかって、擽ったい。

でも我慢。

だって、月夜。

一晩中起きてたって言うんだもん。

僕を抱き締めながら、2時間近くも、幸せに浸っていたって・・・

馬鹿だな~って思ったよ。

でも、同時に、とても深く愛されてるんだって分かって・・・何て言ったらいいのか・・僕も幸せだなって。

まぁ、過剰過ぎて、抑えてって思う時も、多々あるんだけどね。

月夜が自然に目覚めるまで、僕もこのままで、いようかな。



ビィービィービィー

んっ・・ふぁ~・・・ふむ、この動きは、盗賊かな?

葵ちゃんは、俺の肩に凭れ、いまだ夢の中。

このまま、自然に目覚めるまで、寝かせておいてあげたい。

葵ちゃんの耳を、そっと手で塞ぎ、ラピスに声をかけた。

「盗賊らしき者に狙われてる。このまま行くと、この先の林付近で、前後を挟まれると思う。だが、そこだと、魔法を放ち辛い。ここで、迎え撃つ。結界を強化するから、停まってくれ」

返事の代わりに、徐々にスピードを落とし、滑らかに馬車は、停車した。

<魔法防御UP><物理防御UP><結界>

守りはこれで充分だろ。

そろそろ、目視できる距離に来るか?

「(月夜様)」

来たみたいだな。

「向こうが仕掛けてきたら、攻撃する。このまま待機」

敵は全員、既にマッピングで捕捉してある。

弓矢1本、魔法攻撃1つでも放ってきたら、即、雷撃を落とす予定だ。

まぁ、死ぬ一歩手前?位には、抑えるつもりではいる。

ん?

スピードを落としたか?

こっちが停まってるから、警戒したのか?

時間がもったいないな。

とっとと来い。

もしくは、とっとと去れ。






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