何で僕を?

大器晩成らしい

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湯船に浸かり、身体が温まるまで手を出してこないから、このまま上がって、ベッドに行くのかなって・・・油断した。

のぼせる。

身体中を弄られ、高ぶらされ、なのに、もうすぐって時になると、クールダウンさせられ、・・・もう、泣きそう。

もう、恥ずかしいなんて言ってられなくて、のどまで出かかったからね。

〝最後までイかせて〟って。

ぐったりした僕を抱きかかえ、魔法で簡単に水分を飛ばしただけで、寝室へ。

ベッドボードにクッションを並べ、そこに僕を寄りかからせた。

「のど渇いたでしょ?」

コクンッ

いっぱい喘がされたし、お風呂場でそんな事したから、のどがカラカラ。

もう、ひと声も出したくない。

カラン、カラン

涼しげな音がしたから、薄目を開けて見てみたら、月夜が、魔法で氷を作り出し、グラスの中に入れていた。

半分くらいまでに氷が達すると、ラピスさんが置いておいてくれた水差しを持ち上げ、そこに注いでいった。

さっとグラスの表面が曇る。

キンキンに冷えて、美味しそう。

「葵ちゃん、口開いて」

手を持ち上げるのもだるかったから、飲むのを手伝ってくれると思い、薄く唇を開いて、グラスを当てられるのを待っていたのを、月夜の唇によって塞がれた。

?!

月夜を介して、少しずつ水が流れ込んでくる。

キンキンではないが、冷えてる水が・・・

口の端から、溢れて零れないよう、流されるまま飲み込んでいった。

徐々に渇きも癒え、熱を持っていたのども、身体も、少しずつ冷えていった。

「んっく、んっく、・・・・・・んっ、はぁ」

僕が満足するまで、何度も何度も、繰り返し、もう大丈夫という所で、顔を僅かに横に振り、流し込むのを止めて貰った。

「もう、いらない?」

コクンッ

僕が頷くと、もう一杯グラスに水を注ぎ、自分で飲み干していた。

月夜ものどが渇いていたのに、僕に飲ませるのを優先してくれていて・・・凄く、愛を感じた。



自分の手でグラスを持てない程、ぐったりしてしまったのは、月夜の所為、だけどね。








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