234 / 358
233
しおりを挟む
朝食を摂り、今日の夕食も、〝戻ったらすぐ、部屋の方に運んで来て下さい〟ってお願いしてから、宿を出た。
高台から、キラキラ光る海を、思う存分眺めている。
魚の鱗が光を反射してるのだろうか?
「漁港から凄く近いね。」
馬車で15分もかからないで来れた。
しかも、爆走させずに、景色を楽しみながら。
これ、大事。
だって、爆走させたら、もっと早く着くんだよ。
お買い物にも、気軽に行ける距離だし、いいよ、ここ。
もちろん、大漁旗の〈大将の気紛れ海鮮丼〉も食べに行き易い。
「高台にあるから、高波が来ても大丈夫だね」
広い土地だから、崖から離れた位置に別荘を建てておけば、崖崩れで、どうのこうのも起こらない。
「葵ちゃん、ここからちょっと、下を覗いてごらん」
柵がないから、少し怖いかも。
月夜に抱きつき、しっかり支えててって、念を押してから、そっと下を覗いてみた。
「・・・あっ、砂浜!うわぁ、綺麗!ここも湖と同じ、三日月形なんだね?」
両端を岸壁で塞がれた、三日月形の砂浜。
ここから覗かなければ、その存在を知られる事もないだろう。
「土魔法で、下までの階段を造れば、ちょっとしたプライベートビーチができて、いいんじゃないかなって。誰にも邪魔されず、葵ちゃんと楽しめるかなって思って。まぁ、湖にしても、ここにしても、魔物が出るからね。その対策は必要になってくるけど、それを差し引いても、十分に魅力的な場所だと思って、買っておいたんだよね」
素敵。
最高。
「うん、凄くいい。ありがとう、月夜。チュッ」
もう、嬉し過ぎて、僕から飛びついてキスしちゃったし。
「んっ、チュッ。葵ちゃんがこんなに喜んでくれるなんて、俺も嬉しい。・・・ここを買っておいて、良かった」
月夜は難なく僕を受け止めて、キスを返しながら、僕が喜んでくれて嬉しいって、頬を摺り寄せながらしみじみと、ここを買っておいて良かったって・・・
何か、月夜からの愛情が、ひしひしと伝わって来て・・・
これ以上に無い程の幸せを感じて、泣きそうになった。
高台から、キラキラ光る海を、思う存分眺めている。
魚の鱗が光を反射してるのだろうか?
「漁港から凄く近いね。」
馬車で15分もかからないで来れた。
しかも、爆走させずに、景色を楽しみながら。
これ、大事。
だって、爆走させたら、もっと早く着くんだよ。
お買い物にも、気軽に行ける距離だし、いいよ、ここ。
もちろん、大漁旗の〈大将の気紛れ海鮮丼〉も食べに行き易い。
「高台にあるから、高波が来ても大丈夫だね」
広い土地だから、崖から離れた位置に別荘を建てておけば、崖崩れで、どうのこうのも起こらない。
「葵ちゃん、ここからちょっと、下を覗いてごらん」
柵がないから、少し怖いかも。
月夜に抱きつき、しっかり支えててって、念を押してから、そっと下を覗いてみた。
「・・・あっ、砂浜!うわぁ、綺麗!ここも湖と同じ、三日月形なんだね?」
両端を岸壁で塞がれた、三日月形の砂浜。
ここから覗かなければ、その存在を知られる事もないだろう。
「土魔法で、下までの階段を造れば、ちょっとしたプライベートビーチができて、いいんじゃないかなって。誰にも邪魔されず、葵ちゃんと楽しめるかなって思って。まぁ、湖にしても、ここにしても、魔物が出るからね。その対策は必要になってくるけど、それを差し引いても、十分に魅力的な場所だと思って、買っておいたんだよね」
素敵。
最高。
「うん、凄くいい。ありがとう、月夜。チュッ」
もう、嬉し過ぎて、僕から飛びついてキスしちゃったし。
「んっ、チュッ。葵ちゃんがこんなに喜んでくれるなんて、俺も嬉しい。・・・ここを買っておいて、良かった」
月夜は難なく僕を受け止めて、キスを返しながら、僕が喜んでくれて嬉しいって、頬を摺り寄せながらしみじみと、ここを買っておいて良かったって・・・
何か、月夜からの愛情が、ひしひしと伝わって来て・・・
これ以上に無い程の幸せを感じて、泣きそうになった。
0
お気に入りに追加
1,216
あなたにおすすめの小説
からっぽを満たせ
ゆきうさぎ
BL
両親を失ってから、叔父に引き取られていた柳要は、邪魔者として虐げられていた。
そんな要は大学に入るタイミングを機に叔父の家から出て一人暮らしを始めることで虐げられる日々から逃れることに成功する。
しかし、長く叔父一族から非人間的扱いを受けていたことで感情や感覚が鈍り、ただただ、生きるだけの日々を送る要……。
そんな時、バイト先のオーナーの友人、風間幸久に出会いーー
出戻り聖女はもう泣かない
たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。
男だけど元聖女。
一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。
「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」
出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。
ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。
表紙絵:CK2さま
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
子悪党令息の息子として生まれました
菟圃(うさぎはたけ)
BL
悪役に好かれていますがどうやって逃げられますか!?
ネヴィレントとラグザンドの間に生まれたホロとイディのお話。
「お父様とお母様本当に仲がいいね」
「良すぎて目の毒だ」
ーーーーーーーーーーー
「僕達の子ども達本当に可愛い!!」
「ゆっくりと見守って上げよう」
偶にネヴィレントとラグザンドも出てきます。
【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。
天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。
成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。
まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。
黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。
陵辱クラブ♣️
るーな
BL
R-18要素を多分に含みます。
陵辱短編ものでエロ要素満載です。
救いなんて一切ありません。
苦手な方はご注意下さい。
非合法な【陵辱クラブ♣️】にて、
月一で開かれるショー。
そこには、欲望を滾せた男たちの秘密のショーが繰り広げられる。
今宵も、哀れな生け贄が捧げられた。
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる