何で僕を?

大器晩成らしい

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「葵ちゃん。起きて」

「んっ、・・・・」

「わぁ、そのまま寝ないで。おはよう」

「あふ、眠いよ・・・」

「うん。葵ちゃん、さっき寝たばかりだからね。眠いのは解かるけど、起きて。早く出発するのに、支度して、ご飯を食べちゃわないと。食事は、もう隣の部屋に届いてるから。眠るのは、馬車に乗ってからにしよう。ねっ?」

昨日の夜、葵ちゃんから欲しがって貰えたのが、あまりにも嬉し過ぎて、我慢なんて言葉、空の彼方に飛んで行ってしまったんだよな。

気付いたら、夜が明けていて焦った。

葵ちゃんも、かろうじて起きていたけど、夢の中に片足を突っ込んでいる状態っていうのかな。

呆っとしていた。

可愛過ぎて、愛し過ぎて、そうなるまで、ずっと離せなかったのだから、仕方ない。

時間が許すのなら、葵ちゃんに回復をかけ、2ラウンドはいってたな。

おっといけない。

もう服は着せてしまおう。

枕と仲良くし始めた葵ちゃんから、枕を抜き取り、下着や服を着せていった。

葵ちゃんに似合うだろうとデザインした、渾身の一枚を穿かせ、シンプルなのを好んで着て、なかなか自分からは袖を通してくれない可愛い服を着せた。

完璧。

妖精がいる。

部屋の荷物を片付け、収納し、可憐な妖精さんを逃がさないよう抱き上げると、寝室を後にした。

「おはようございます」

クキュ

「ああ、おはよう」

ラピスが引いてくれた椅子に、葵ちゃんを抱えたまま腰を下ろし、テーブルの上に載っていた、クリームシチューの様なスープに、小さく千切ったパンを浸し、葵ちゃんの口に持って行った。

指でつんつんつつくと、目を瞑ったまま、小さく口を開けたから、その中に入れてあげた。

モニュモニュと口を動かし、無くなるとまた、小さな口が開いた。

う~わ~、堪らない。

どうしよう。

今夜も欲しいんだけど。

葵ちゃんから誘ってくれないかな?

どうだろう、無理かな?




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