何で僕を?

大器晩成らしい

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「うわ~、見逃した~」

景色を楽しもうと、思っていたのに~。

「ほら、また連れてきてあげるから。元気出して」

「・・・うん、そうだね。時間を作って、また行こうね。もちろん、モカも一緒だよ。ねっ」

クキュ♪

フフッ、可愛い。

モカも慰めてくれようとしたのか、僕の顔に両手をつき、スリスリと頭を擦り付けていた。


「今、どの辺?」

「そうだな・・・進んだのは、三分の一ってとこかな」

「僕、どのくらい寝てた?」

「2時間くらいじゃないかな?」

って事は、次の街まで、後、4時間。

お昼や休憩を挟んだら、約5時間か。

見渡す限り、草原・・・

退屈じゃない?

って思ってたら、この平原、結構、魔物が出るらしい。

「20頭近く、倒したかな」

一々止まらないらしい。

馬は走らせたまま、馬車の天窓から、魔法で狙い撃ちだって。

で、倒した魔物は、自動回収。

「葵ちゃんもやってみる?」

流鏑馬?

でも、的も動くよね?

「両方が動いてると、難しくない?」

「外れたら、フォローするから。これができるようになれば、安全に敵を倒せるからね。魔物はもちろんの事、盗賊を倒す時にも有効だから」

「うん、フォローしてくれるなら・・・頑張ってみる」

月夜に支えてもらいながら、前の座席に上り、天窓から顔を出してみた。

う~ん、結構、草が長く伸びてるから、先ず、見つけられるかが心配。

「草の動きとかよく見て。氷の矢や槍なら、間違って撃ちこんでも、何の問題もないから、ばんばん撃ってごらん」

「分かった」

こういう時、魔力無限で良かったって思うよね。

残量とか気にしないで、魔法をどんどん撃てるから。

「馬車から15m内に魔物が入ったら、俺が倒すから、安心して」

「うん。あっ、アイスランス」

「外れた。続けて撃って」

攻撃を避けて、狼みたいのが、こっちに向かって来た。

「アイスランス・アイスランス」

「よしっ、3発目でクリーンヒットだね」

「うん、焦って撃ったから、2回も外れちゃった。次はもっと狙って撃つね」

「ライトニング」

「うわっ!」

10m右斜め前方に、月夜がいきなり魔法を放った。

「じっと動かず、獲物が通るのを、待ち伏せてたみたいだね」

「僕、全然気付けなかった」

「大丈夫。数をこなしていけば、徐々に、気配が読めるようになるから」

どれだけの数をこなせば、分かるようになるのか・・・

でも絶対に、気配を読めるようになりたい。

だから僕、頑張る!






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