何で僕を?

大器晩成らしい

文字の大きさ
上 下
187 / 358

186

しおりを挟む
僕は今、月夜と一緒に、絨毯の上に横になり、星空を眺めている。

ラピスさんとモカは、離れた場所で、イスに座って星空を見上げている。

一緒にって言ったんだけど〝私達は少しだけ見たら、先に休ませてもらいますので〟だって。

ずっと馬車を操ってくれていたから、疲れたのかな?

それとも、僕達に遠慮したのかな?

一応、新婚旅行だから。


「降るような星空って、こういうのをいうんだよね?キラキラと瞬いて、とても綺麗」

「葵ちゃんと一緒に見たいって、ずっと思っていたから、見れて良かった」

「ありがと、こんなに素敵な場所を見つけてくれて。僕も、月夜と一緒に星を見れて、凄く嬉しい」


周囲が真っ暗だから、星がとてもよく見える。

「流れ星、見れるかな?ペルセウス座流星群とか、しし座流星群みたいのって、こっちにもあるのかな?」

「さあ、どうだろう。こっちには、天体観測をするような人がいないから、あるとも無いとも言えないかな」

「そうか・・・」


当たり前だけど、知ってる星座は、一つも無い。

解かってはいるんだけど、ついつい似たものがないか、捜してしまうよね。

「葵ちゃん、寒くない?」

「うん、ローブを羽織ってるから大丈夫。月夜は?」

「平気。葵ちゃんにくっついていれば」

チュッ

いきなり口付けてきたから、指でバッテンを作って、月夜の唇に押し当てた。

「(こら、ラピスさんがいるんだから、ダメ。しないで)」

「(いないよ。テントの中に入ったから)」

えっ、いつの間に?

さっきまで、イスに座って夜空を見上げてたよね?

足音とか・・・した?

全然、気付かなかったんだけど。

「(ねっ。だからいいでしょ?)」

「・・・(キスだけだよ)」

「もちろん」

チュッ・チュッ・チュッ・ヂュッ

「(んっ・あっ・んっ・んぅ・ちょっと待って、口じゃないの?)」

口に耳の裏、首筋、鎖骨と、どんどん下に口付けが下りて行く。

「(えっ、口だけって言ってないよ?)」

確かに。

「(ここにも、キスしていい?)」

「(いいわけない)」

「(ケチ)」

「(ケチで結構。外で下半身むき出しはしないから。指もどかしてね)」

人の股間をつんつんするんじゃない!








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

婚約破棄に異議を唱えたら、王子殿下を抱くことになった件

雲丹はち
BL
双子の姉の替え玉として婚約者である王子殿下と1年間付き合ってきたエリック。 念願の婚約破棄を言い渡され、ようやっと自由を謳歌できると思っていたら、実は王子が叔父に体を狙われていることを知り……!?

【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。

天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。 成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。 まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。 黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。

表情筋が死んでいる

白鳩 唯斗
BL
無表情な主人公

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

俺の彼氏は俺の親友の事が好きらしい

15
BL
「だから、もういいよ」 俺とお前の約束。

愛などもう求めない

白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。 「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」 「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」 目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。 本当に自分を愛してくれる人と生きたい。 ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。  ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。 最後まで読んでいただけると嬉しいです。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

処理中です...