144 / 358
143
しおりを挟む
二人共、顔が判らないんじゃどうしようって思ってたら、護衛の人が、
「要注意人物でしたら、私達が把握してますので、近くに来ましたら、お知らせします」
・・・護衛として、把握しているらしい。
把握できる程、有名な話って事かな。
「どうぞ」
話しが一段落した時、侍従がスッと近付いてきて、月夜と僕に、グラスが二つだけ乗ったトレーを差し出してきた。
乾杯の音頭でもあるのかと、目の前のグラスを手に取った。
綺麗なピンクの液体。
アルコールだったら飲めないんだけど・・・
月夜も、グラスを手にし、眺めると、匂いを嗅ごうと、顔に近付けた僕の手から、さっとグラスを引き抜き、あっという間に侍従を拘束、月夜のグラスと一緒に、衛兵に渡した。
「葵ちゃん、それは口にしないで。衛兵は、その人を牢屋に連れてって。これが、証拠品。毒入りだから。調べれば判るだろうけど、手っ取り早く、渡してきた本人に飲んでもらってもいいよ。そうすれば、調べずとも、毒が入っているかどうか、判断できるからね。ああ、でも、それだと、誰に頼まれて持って来たのかが判らなくなるか・・・任せるから、拷問してでも吐かせて、突き止めて」
「畏まりました。失礼します」
・・・えっ、何?僕、毒殺される所だったの?
でも、状態異常無効と即死無効を持ってるから、口にしても、大丈夫なような・・・
まぁ、毒入りだと知って、あえて口にしようとは思わないけど。
「(葵ちゃん、渡されるものは全て、鑑定をかけて。飲食物は勿論だけど、それ以外の贈り物とかも全部。何が仕込まれてるか分からないからね)」
食べ物以外も安心できないの?
怖いな・・・
「いい?」
「うん、解かった」
それにしても、拷問か~
「・・・ねぇ、月夜。今の人、知ってて協力したのなら、罰してもいいけど、もし、毒入りだと知らずに、持って来ただけなら、許してあげて。可哀相だから」
「知らなくても、相手に害を与えたのなら、罪になるんだよ。自分で管理していない、得体の知れないものを、調べず届けた時点で、問題ありなんだから。まぁ、協力者じゃないのなら、誰に持たされたか、とっとと吐くだろ?そうしたら考えてもいいけど、少なくとも、今の仕事からは、外される事にはなるな」
「・・・そっか、そうだよね」
「そんな、しょぼんとしないで、どういう結果になるか、判らないけど、協力者じゃないなら、服役とかまではいかないから」
「うん、・・・わかった」
陛下は、こういう時、各国の王族と共に、最後に入って来るのが慣例らしく、それ以外の招待客が会場入りするのを、別室で待っているらしい。
後、2組だって。
という事は、披露宴はまだ開始してないって事、なのに、心の疲れが既に、ピークに達してるんだよね、僕。
今夜、初夜だけど、眠ってしまいそう。
「要注意人物でしたら、私達が把握してますので、近くに来ましたら、お知らせします」
・・・護衛として、把握しているらしい。
把握できる程、有名な話って事かな。
「どうぞ」
話しが一段落した時、侍従がスッと近付いてきて、月夜と僕に、グラスが二つだけ乗ったトレーを差し出してきた。
乾杯の音頭でもあるのかと、目の前のグラスを手に取った。
綺麗なピンクの液体。
アルコールだったら飲めないんだけど・・・
月夜も、グラスを手にし、眺めると、匂いを嗅ごうと、顔に近付けた僕の手から、さっとグラスを引き抜き、あっという間に侍従を拘束、月夜のグラスと一緒に、衛兵に渡した。
「葵ちゃん、それは口にしないで。衛兵は、その人を牢屋に連れてって。これが、証拠品。毒入りだから。調べれば判るだろうけど、手っ取り早く、渡してきた本人に飲んでもらってもいいよ。そうすれば、調べずとも、毒が入っているかどうか、判断できるからね。ああ、でも、それだと、誰に頼まれて持って来たのかが判らなくなるか・・・任せるから、拷問してでも吐かせて、突き止めて」
「畏まりました。失礼します」
・・・えっ、何?僕、毒殺される所だったの?
でも、状態異常無効と即死無効を持ってるから、口にしても、大丈夫なような・・・
まぁ、毒入りだと知って、あえて口にしようとは思わないけど。
「(葵ちゃん、渡されるものは全て、鑑定をかけて。飲食物は勿論だけど、それ以外の贈り物とかも全部。何が仕込まれてるか分からないからね)」
食べ物以外も安心できないの?
怖いな・・・
「いい?」
「うん、解かった」
それにしても、拷問か~
「・・・ねぇ、月夜。今の人、知ってて協力したのなら、罰してもいいけど、もし、毒入りだと知らずに、持って来ただけなら、許してあげて。可哀相だから」
「知らなくても、相手に害を与えたのなら、罪になるんだよ。自分で管理していない、得体の知れないものを、調べず届けた時点で、問題ありなんだから。まぁ、協力者じゃないのなら、誰に持たされたか、とっとと吐くだろ?そうしたら考えてもいいけど、少なくとも、今の仕事からは、外される事にはなるな」
「・・・そっか、そうだよね」
「そんな、しょぼんとしないで、どういう結果になるか、判らないけど、協力者じゃないなら、服役とかまではいかないから」
「うん、・・・わかった」
陛下は、こういう時、各国の王族と共に、最後に入って来るのが慣例らしく、それ以外の招待客が会場入りするのを、別室で待っているらしい。
後、2組だって。
という事は、披露宴はまだ開始してないって事、なのに、心の疲れが既に、ピークに達してるんだよね、僕。
今夜、初夜だけど、眠ってしまいそう。
0
お気に入りに追加
1,215
あなたにおすすめの小説
平凡顔のΩですが、何かご用でしょうか。
無糸
BL
Ωなのに顔は平凡、しかも表情の変化が乏しい俺。
そんな俺に番などできるわけ無いとそうそう諦めていたのだが、なんと超絶美系でお優しい旦那様と結婚できる事になった。
でも愛しては貰えて無いようなので、俺はこの気持ちを心に閉じ込めて置こうと思います。
___________________
異世界オメガバース、受け視点では異世界感ほとんど出ません(多分)
わりかし感想お待ちしてます。誰が好きとか
現在体調不良により休止中 2021/9月20日
最新話更新 2022/12月27日
婚約破棄に異議を唱えたら、王子殿下を抱くことになった件
雲丹はち
BL
双子の姉の替え玉として婚約者である王子殿下と1年間付き合ってきたエリック。
念願の婚約破棄を言い渡され、ようやっと自由を謳歌できると思っていたら、実は王子が叔父に体を狙われていることを知り……!?
【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。
天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。
成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。
まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。
黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。
騎士団長の俺が若返ってからみんながおかしい
雫谷 美月
BL
騎士団長である大柄のロイク・ゲッドは、王子の影武者「身代わり」として、魔術により若返り外見が少年に戻る。ロイクはいまでこそ男らしさあふれる大男だが、少年の頃は美少年だった。若返ったことにより、部下達にからかわれるが、副団長で幼馴染のテランス・イヴェールの態度もなんとなく余所余所しかった。
賊たちを返り討ちにした夜、野営地で酒に酔った部下達に裸にされる。そこに酒に酔ったテランスが助けに来たが様子がおかしい……
一途な副団長☓外見だけ少年に若返った団長
※ご都合主義です
※無理矢理な描写があります。
※他サイトからの転載dす
公爵家の五男坊はあきらめない
三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。
生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。
冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。
負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。
「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」
都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。
知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。
生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。
あきらめたら待つのは死のみ。
【本編完結】義弟を愛でていたらみんなの様子がおかしい
ちゃちゃ
BL
幼い頃に馬車の事故で両親が亡くなったレイフォードは父の従兄弟に当たるフィールディング侯爵家に引き取られることになる。
実の子のように愛され育てられたレイフォードに弟(クロード)が出来る。
クロードが産まれたその瞬間からレイフォードは超絶ブラコンへと変貌してしまう。
「クロードは僕が守るからね!」
「うんお兄様、大好き!(はぁ〜今日もオレのお兄様は可愛い)」
ブラコン過ぎて弟の前でだけは様子がおかしくなるレイフォードと、そんなレイフォードを見守るたまに様子のおかしい周りの人たち。
知らぬは主人公のみ。
本編は21話で完結です。
その後の話や番外編を投稿します。
愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる