何で僕を?

大器晩成らしい

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月夜って、もてるんだな~。

そりゃそうか、こんだけイケメンなんだから当たり前か。

それに、最強だし~、お金持ちだし~、爵位はないけど、称号が勇者だし~、国王陛下が後見人だし~、こうやって並べてみると、超優良物件。

急に僕と結婚ってなって、驚いただろうな~。

月夜から聞いた限りでは、まるっきり相手にしてなかったみたいだし、触れる事さえ許さなかったって言うのに、それでも・・・いや?あ~、だからか。

僕との対応が明らかに違うから、悔しい、とか?

でも、結婚披露宴なんだから、問題を起こしそうな人が判ってるのなら、この会場には入れないようにしておいて欲しかった。

逮捕されたり、抓み出されたりする人続出って、異世界ではよくある事なのかな?・・・



まず、僕にぶつかって来る人多すぎ、所々に円形のテーブルが置かれ、その上に料理が並んでるんだけど、立食形式だから、食べるのはテーブルの傍だけど、飲み物を持ちながら、ふらふらと自由に移動して、いろんな人と会話とかを楽しんでいる人がいっぱいいて、僕達は、その隙間を縫って進んでいたんだけど、わざとらしく来るんだよ。

「うわっ」

って声が聞こえて、何?って思って周りを見ると、尻餅ついて、赤ワインを被ってる人が足元に・・・

白ワインだったら良かったのにね。

僕が声をかけようとしたら、月夜に制止され、目配せされて寄ってきた衛兵によって、その人は立たされ、会場から連れ出された。

お着替えという名の、強制退場らしい。

でっ、これが1回で終わらないんだよ。

人がいっぱいで、この騒ぎを見てないっていうか、見えなかったみたいで、壇上に着くまでに、8人もアタックしてきて、皆、同じ状態に。

見てれば、やっても無駄だって解かったのにね。

初めの内は、わざとじゃないかもって思ってたけど、何回も繰り返すと、流石に解かるよ。

周りを見ても、そんなにぶつかられる人、いないからね。

月夜に結界を張っておいてもらって良かった。

ワイン被ってお色直しなんて嫌だしね。

それに、そんな何枚もドレスなんて、用意してないだろうから。

ププッ、皆、面白いぐらいに、赤ワインをチョイスして持ってくるんだよ。

汚してやろうって気、満々だよね。


やっと、壇上にある僕達の席に着いて、もう嫌がらせとかは終わりかなって月夜に聞いたら、要注意人物はさっきの8人の中には入ってなかったって、護衛の人がサッと答えてくれた。

え~、来るなら一遍に来て欲しい。

その要注意人物の顔、僕、知らないし。

ずっと、びくびくしなきゃいけないのは嫌だな。

「その人が来たら、そっと教えてくれる?」

「ごめん、覚える気が無かったから、名前を聞いても、顔を見ても判らないと思う。葵ちゃん以外に、何の興味も湧いてこない」

・・・うん、徹底してたんだね。

だから、さっき護衛の人が、月夜の代わりに答えてくれたのか。

納得。



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