何で僕を?

大器晩成らしい

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「(どうせ、式の中では、もっと長くKISSするんだから、予行練習になったでしょ?)」

「(えっ、そうなの?軽くチュッって程度じゃないの?)」

「(政略結婚じゃなく、愛ある結婚だって証明する為に、長くするのが、普通だよ)」

月夜の言う普通って・・・怪しい。

「ラピスさん、こっちの結婚式の時のKISSって、どのくらいの長さですか?」

真実は、現地人に訊くのが一番だと思う。

「KISS?ですか?」

KISSが通じない?

「えっと~。口付け?接吻?ベーゼ?」

他に何か、言い方あったかな?

「あっ、いいえ、意味は通じてます。ただ、挙式の時にKISSしてるのは、見た事ないなと思いまして、魔術師長はどうです」

「ないですね。ただ、今回の挙式では、日本式を取り入れて、口付けをするとお聴きしています。指輪の交換もするそうですが、こちらの世界ではしませんので、面白いですね」

「そうなんですか?こっちの挙式って何するんですか?」

「そうですね。神父より、祝福の詞を賜り、皆の前で、婚姻証明書に署名し、お互いの腰に魔術紋を刻むくらいですね」

魔術紋?何それ。

「魔術紋って何ですか?刻む時、痛いですか?」

「私はまだ、結婚しておりませんので、経験してませんが、紋を刻むと言っても、実際に彫る訳ではないので、痛くはないそうです。魔術紋は神に婚姻を認められた証とされています。夫婦揃いの紋が浮かぶのですが、夫婦毎に紋様は違うので、挙式後、紋様台帳に記録し、保管するようです。ですから、紋様から、どこの誰かを割り出す事も、可能になります。既婚者限定で、ですが」

「僕達も、その魔術紋を刻むの?」

「もちろん、だから、日本式っていうよりか、和洋折衷?いや、異世界だから・・和異折衷?で、いいとこ取りってとこかな」

「郷に入れば郷に従えっていうじゃん。僕、折衷なしの、異世界式の挙式だけで充分なんだけど」

「まぁまぁ、日本の心も忘れないようにね」

月夜の言う日本の心って、現代人風なものなんだと思う。

僕的日本の心って、奥ゆかしさとか、侘び寂びとかで、けして派手婚の中には見出せないものなんだけど?

白無垢を着て、神前式結婚で、祈祷して貰ったり、三三九度とかして、厳かで、静かなイメージかな。

「えっ、もしかして葵ちゃん。ウェディングドレスより、白無垢派?」

「どっちの派閥にも、入るつもりはなかったから安心して」

タキシードか袴の予定だったからね。

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