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ラピスさんの仕事は早い。
その日の内に、部屋に続々と調味料やら食材やらが届けられ、また、それらを業務用かって思うほど大きい冷蔵庫の中に、チェックをしながら、どんどんと仕舞われていった。
調味料とかも、冷蔵庫の中、棚の中、作業台の上等、それぞれ、使い勝手や、保存方法別に置かれていくのを、ただ眺めていた。
だって、手伝おうか?って訊いたら、私の仕事ですので、寛いでいて下さいって、紅茶を差し出されたから。
・・・この世界の食材とかの、適切な収納の場所が分からないから、仕方ないか。
「後は、果物類が明日の朝、届けられれば、一通り揃った事になりますね」
「ありがとう。それにしても、凄い量だったね」
「そうですね。一応、旅行の日数を考え、それよりは少し多めに、持ってこさせたので。果物は、城下街で手に入る全ての品種を、一つずつ届けさせますので、少しずつ味をみながら、気に入ったものを、追加で注文させて戴きますので、ご安心下さい」
「全部?一口ずつ食べるとしても、全品種、味見できるかな?途中で、お腹いっぱいにならないかな?」
「そうですね。・・・朝食を控えて戴けば、可能かと」
「じゃあ、朝食は用意しなくていいよ。僕、頑張って試食するね」
「畏まりました。月夜様は、いかが致しますか?」
「俺も、葵ちゃんと一緒に試食するから、朝食の用意はいいや。葵ちゃんの好みを知っておきたいからね」
「では、チェックしやすい様に、果物のリストを用意しておきますね」
「うん、ありがとう。忙しいのにごめんね」
「大丈夫です。お気になさらないで下さい」
次の日の朝、作業台の上に並べられた果物の量を見て、少し引いたのは、言うまでもない。
こんなにあるんじゃ、お昼ご飯もいらないかも・・・
「葵ちゃん、果物はやっぱり、冷えてた方がいいよね?」
「うっん、そうだね」
「ラピスに、皮を剝いて種を取ってもらったら、試食分は、魔法で少し冷やしてから食べよう。余った分は、凍らせて収納に仕舞っておくね。暑い時とか、カキ氷みたいに削って食べよう」
「・・・でも、僕、カキ氷を削るのも、ミキサーみたいな物も、持ってないよ?」
「大丈夫。結界の中に入れて、風魔法を放てば完璧。カキ氷もできるし、シェイクみたいにドロドロになるまで削る事もできるよ。飲みたくなったら、いつでも言ってね」
「わぁ~、本当?嬉しい。僕でも作れるかな?やり方、教えてくれる?」
こっちの世界でシェイクが飲めるとは思わなかったから、作れるって分かって、テンションが上がっちゃうよ。
魔法の組み合わせ次第では、いろんな事ができそうだよね。
その日の内に、部屋に続々と調味料やら食材やらが届けられ、また、それらを業務用かって思うほど大きい冷蔵庫の中に、チェックをしながら、どんどんと仕舞われていった。
調味料とかも、冷蔵庫の中、棚の中、作業台の上等、それぞれ、使い勝手や、保存方法別に置かれていくのを、ただ眺めていた。
だって、手伝おうか?って訊いたら、私の仕事ですので、寛いでいて下さいって、紅茶を差し出されたから。
・・・この世界の食材とかの、適切な収納の場所が分からないから、仕方ないか。
「後は、果物類が明日の朝、届けられれば、一通り揃った事になりますね」
「ありがとう。それにしても、凄い量だったね」
「そうですね。一応、旅行の日数を考え、それよりは少し多めに、持ってこさせたので。果物は、城下街で手に入る全ての品種を、一つずつ届けさせますので、少しずつ味をみながら、気に入ったものを、追加で注文させて戴きますので、ご安心下さい」
「全部?一口ずつ食べるとしても、全品種、味見できるかな?途中で、お腹いっぱいにならないかな?」
「そうですね。・・・朝食を控えて戴けば、可能かと」
「じゃあ、朝食は用意しなくていいよ。僕、頑張って試食するね」
「畏まりました。月夜様は、いかが致しますか?」
「俺も、葵ちゃんと一緒に試食するから、朝食の用意はいいや。葵ちゃんの好みを知っておきたいからね」
「では、チェックしやすい様に、果物のリストを用意しておきますね」
「うん、ありがとう。忙しいのにごめんね」
「大丈夫です。お気になさらないで下さい」
次の日の朝、作業台の上に並べられた果物の量を見て、少し引いたのは、言うまでもない。
こんなにあるんじゃ、お昼ご飯もいらないかも・・・
「葵ちゃん、果物はやっぱり、冷えてた方がいいよね?」
「うっん、そうだね」
「ラピスに、皮を剝いて種を取ってもらったら、試食分は、魔法で少し冷やしてから食べよう。余った分は、凍らせて収納に仕舞っておくね。暑い時とか、カキ氷みたいに削って食べよう」
「・・・でも、僕、カキ氷を削るのも、ミキサーみたいな物も、持ってないよ?」
「大丈夫。結界の中に入れて、風魔法を放てば完璧。カキ氷もできるし、シェイクみたいにドロドロになるまで削る事もできるよ。飲みたくなったら、いつでも言ってね」
「わぁ~、本当?嬉しい。僕でも作れるかな?やり方、教えてくれる?」
こっちの世界でシェイクが飲めるとは思わなかったから、作れるって分かって、テンションが上がっちゃうよ。
魔法の組み合わせ次第では、いろんな事ができそうだよね。
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