何で僕を?

大器晩成らしい

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夕食後、ラピスさんに入れて貰った、ココアの様な飲み物を飲みながら、ふと、指に目がいって、思い出した。

初めてのエッチで、心身共にいっぱいいっぱいだったし、その後も、いろいろ、本当にいろいろとあったから、訊きそびれていたんだけど・・・

そもそも、嵌めた前後に何か言わない?

普通。

寝ている間に嵌まっていた、この指輪。

外れないし。

月夜の薬指にも、同じデザインのものが嵌まってるから、結婚指輪、若しくは、婚約指輪かな?って思ったんだけど・・・

一応、鑑定してみたら、物理防御力、魔法防御力3割アップって付いていたから、ただ単に、安全性向上の為っていう可能性も捨てきれないんだよね。

何で何も言ってこないんだろう?

「いつの間にか嵌まってたこれ、何かな?外れないんだけど」

「プロポーズしてから、渡そうと思って買っておいたんだけど、その前に、我慢できないで手を出しちゃたでしょ?断わられるかもって思ったら、怖くて仕方がなかった・・・俺以外の誰かのものになるなんて、想像すらしたくなかった。俺以外が手を出さない様に、俺の物だって主張する為、了承も得ないで、一度嵌めたら外す事ができない指輪を葵ちゃんにつけた。そして、結婚話を強引に進めた。ごめん。いろいろ後ろめたくて、自分からは言い出せなかった」

「ハァ~。今更言っても遅いんだけど、こういう外れないものをつけるなら、絶対、僕の了承をとってからにして」

「・・・お揃いのイヤーカフ。つけていい?」

「・・・それも、外れなくなるの?」

コクリ

何、そのしおしおな感じ。

断わり辛い。

「この指輪みたいに、何か効果が付いてるの?それとも、何か特別な意味でもあるの?」

「通信機能と、どんなに遠く離れても、互いに相手の居場所が分かるようになる」

「どうやって?」

「通信機能は、思考するだけでOK、話したいって思うだけで、繋がる筈。つけたら、一回、試してみようね。で、もう一つの、居場所が分かるってやつだけど、普通マッピングの範囲って、最大で半径5kmなんだよね。でもこれがあれば、他の街、他の国と離ればなれになっても、そこまでの最短の地図がマッピング上に表示されるようになるって訳」

「へっ、へぇ~、凄いね。それって一般的な物なの?」

「いや、特注の一点もの。そもそもマッピングのスキルがないと機能しない」

だよね。

こんなのがあったら、王侯貴族なんて真っ先に装着してるよね。

身代金目的の誘拐とかありそうだし。

でも、会った人達の誰一人として、イヤーカフなんてしてなかったと思うんだよね。

してたら、絶対に気付くもん。

「ねぇ、駄目?つけていい?」

う~ん。

ちょっとだけ、考える時間を頂戴。




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