何で僕を?

大器晩成らしい

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国王達と話をした時、カーネリアン宰相が、至急、教師を手配してくれると言ってくれたけど、正直、相手の都合もあるだろうから、それなりに日数がかかると思っていた。

まさか、次の日の夕刻に、引き合わせて貰えるとは、思わなかった。

「お二方に常識・社会情勢・マナー・魔術等を教えさせて戴く事になりました。ロードライト・コオ・ガーネットと申します。つい最近、爵位を長男に譲り、スローライフを始めておりましたが、宰相に、隠居は早い、もう一働きしてくれとお願いされ、こちらへ出てまいりました。宜しくお願いします」

爵位?を譲ったって事は、貴族の当主だったって事だよね!

宰相、何でそんな人に頼んだの?

「急なお願いをしてしまい、申し訳ございませんでした。教師を引き受けて下さり、ありがとうございます。神永葵と申します。宜しくお願い致します。神永が家名ですので、葵と気軽にお呼び下さい」

「・・・」

・・・月夜を見る、何で挨拶しないの?

まぁ、知らない人はいないのかもしれないけど、それでも、ちゃんとしなきゃ。

わき腹を肘で突いて、続いて挨拶するよう促がす。

「海原月夜です。宜しくお願いします」

短っ!そして、棒読み。

それでも微笑みながら、うんうんと頷いてくれていた。

やさしそうな人が先生で、ちょっと肩の力が抜けたかも。

あまり厳しくされると、心がポッキリ折れちゃうから、ソフトに教えて欲しい。

マナーの授業とか、話を良く聴いて、細かく注意されないように頑張ろう・・・


「明日は、様子見で、半刻ずつお教えします。明後日はそれぞれ四半時を加え、明々後日は1刻ずつという感じに増やしていきます。宜しいでしょうか?」

「はい、それでお願いします」

・・・月夜の足に、とんって足で合図。

「はい」


人見知り?

とかじゃないよね?

何となくだけど、違う気がする。

意図して、一定の距離内に入って来ない様、突き放している感じ・・・

こっちの世界の人と、必要最低限しか、関わるつもりがないように感じる。


でも、これからお世話になる人への、挨拶や返事ぐらいは、自分からできるようにしないとね。






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