何で僕を?

大器晩成らしい

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「温まったね。じゃっ、そろそろあがって、マッサージしようか」

はいとも、いいえとも言えない内に、抱き上げて湯船から出された。

「あれっ?ここに、バスローブや毛布、放ったままにしてたよね?」

マッサージ台の上に載せられたけど、台の上の物が消えてる。

収納してなかったよね?

「途中、ラピスが来て片付けてたぞ」

「えっ、全然気付かなかった」

「オークの話をしていた辺りだったかな?そういえば、葵ちゃんは、マッピングのスキルって持ってるの?」

「うん、あるよ」

「初期のままじゃない?それだと、自分が移動した場所の表示しかしないんだよね。葵ちゃんは今、この状態だと思うから、後で、機能の追加の仕方とか、教えてあげるね」

「うん、何もしてない。ありがと」

「で、ラピスの事は、マッピングに表示されるようにしてあったから、実際に見ていなくても、来たのが分かったんだよね。彼、何気に凄いからね。気配と音を完全に消す事が出来るみたい。あれをされたら、スキルなしで、気付くのは難しいと思う。隠密に向いているんじゃないか?」

「そうかもね。でも、侍従にも必要なスキルなんじゃない?部屋に他の人の気配があると、落ち着かなかったりするもん。客が寛げる様に、気配とかを消せるようになったのかもね。まあでも、黙って、スーと後ろに立たれたら、吃驚するけどね」

「そうだね。でも、吃驚させないように、ちゃんとON/OFF、切り替えてるみたいだね。よしっ、ちょっといい?ごめんね。うつ伏せにするよ」

話しながら、丁度いい力加減で、肩から掌まで、真面目にマッサージをしてくれていた。

散々悪戯されてきたから、またされるんじゃないかって、警戒していたけど、この感じだと、大丈夫かな。

僕の為を思って、マッサージをしてくれるって言ったのに、疑ってかかって、悪かったかも。




~~~1時間後~~~


と思った自分を叱ってやりたい。

・・・寝てる場合じゃないぞ。orz

そういえば、悪戯しないでねって言った時、答えが<善処します>だったね・・・




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