50 / 358
49
しおりを挟む
「(やっぱり起きたんじゃないか?)」
「(確かに、内容は分かりませんが、話し声が聞こえますね)」
「(訊いて来い)」
「(ダメですよ。御二人の時間を邪魔しないように、言われているのですから)」
「(月夜殿から、了承が出るまで、入れないって事か?)」
「(そうですよ。お解りになっているのでしたら、こちらからお呼びするまで、部屋へお戻りになって、待っていて下さい)」
「(カルサイトに捕まったら、執務室から出づらくなる)」
「(良いんじゃないですか?補佐官ばかりに仕事を押し付けてないで、ご自分でお仕事なさったらどうです?)」
「(自分しか出来ない分は、ちゃんとやって来たぞ )」
「(当たり前です!)」
ビクッ
隣の部屋から、話し声が聞こえてきて、折角起ち上がっていたモノが、萎えてしまった。
「(帰ってもらえって言ったのに、何でいるんだ?)葵ちゃん、こっちに集中して?」
「・・・でも・・隣の部屋、誰かいる」
「(チッ)気にしなくても大丈夫。だから、チュッ・チュッ」
「いやいやいや、大丈夫じゃない。大丈夫じゃないから」
「何喋ってるかなんて、分からないよ」
「だっダメ・・・お願いぃ・・声・聞かれたら・・恥ずかしい・・から~・・んっ・ん・・いやっ・・いやっ・・・グスッ」
「えっ、泣かないで、チュッ、チュッ、ねっ、止めるから、ねっ、ほらっ」
瞼に口付けをしながら、体を起こし、葵ちゃんを膝の上に乗せ、抱き締めた。
目から涙がポロポロ零れて、うわ~泣き顔もか・わ・い・い~。
などと、あまり言ってられないくらい、動揺して、おろおろしてしまう。
「二人っきりの時間を大切にしたいから、隣の部屋にいないように言ってあったんだよ。ちゃんと。なのに・・・ごめんね。そんなに恥ずかしかった?(あいつら、良いとこだったのに、ギリッ、覚えてろよ!)」
「グスッ・・それだけじゃないもん。僕、こっち来て、まだ何も聞いてない。グスッ、何も知らない。何で召喚されたのかも、今後の事も。月夜の事だって、あんまりよく解からないのに、なのに、いきなり、こんな事ばっか、してくるし、止めてって言っても、止めてくれないんだもん。ヒックヒック」
「うんうん、そうか、ごめんね。俺、焦っちゃったね。葵ちゃんがあまりにも、綺麗で可愛いから。誰かに盗られちゃうって思って。だから、そうならないように、早く、全部を手に入れなくちゃって・・・ごめん。泣かないで。お願い。チュッチュッ。どうしたらいい?」
「えっ!(全部を手に入れるって、何?どういう意味?えっ、僕、掘られちゃうの?そっち側なの?訊くの怖いんだけど?)」
「(確かに、内容は分かりませんが、話し声が聞こえますね)」
「(訊いて来い)」
「(ダメですよ。御二人の時間を邪魔しないように、言われているのですから)」
「(月夜殿から、了承が出るまで、入れないって事か?)」
「(そうですよ。お解りになっているのでしたら、こちらからお呼びするまで、部屋へお戻りになって、待っていて下さい)」
「(カルサイトに捕まったら、執務室から出づらくなる)」
「(良いんじゃないですか?補佐官ばかりに仕事を押し付けてないで、ご自分でお仕事なさったらどうです?)」
「(自分しか出来ない分は、ちゃんとやって来たぞ )」
「(当たり前です!)」
ビクッ
隣の部屋から、話し声が聞こえてきて、折角起ち上がっていたモノが、萎えてしまった。
「(帰ってもらえって言ったのに、何でいるんだ?)葵ちゃん、こっちに集中して?」
「・・・でも・・隣の部屋、誰かいる」
「(チッ)気にしなくても大丈夫。だから、チュッ・チュッ」
「いやいやいや、大丈夫じゃない。大丈夫じゃないから」
「何喋ってるかなんて、分からないよ」
「だっダメ・・・お願いぃ・・声・聞かれたら・・恥ずかしい・・から~・・んっ・ん・・いやっ・・いやっ・・・グスッ」
「えっ、泣かないで、チュッ、チュッ、ねっ、止めるから、ねっ、ほらっ」
瞼に口付けをしながら、体を起こし、葵ちゃんを膝の上に乗せ、抱き締めた。
目から涙がポロポロ零れて、うわ~泣き顔もか・わ・い・い~。
などと、あまり言ってられないくらい、動揺して、おろおろしてしまう。
「二人っきりの時間を大切にしたいから、隣の部屋にいないように言ってあったんだよ。ちゃんと。なのに・・・ごめんね。そんなに恥ずかしかった?(あいつら、良いとこだったのに、ギリッ、覚えてろよ!)」
「グスッ・・それだけじゃないもん。僕、こっち来て、まだ何も聞いてない。グスッ、何も知らない。何で召喚されたのかも、今後の事も。月夜の事だって、あんまりよく解からないのに、なのに、いきなり、こんな事ばっか、してくるし、止めてって言っても、止めてくれないんだもん。ヒックヒック」
「うんうん、そうか、ごめんね。俺、焦っちゃったね。葵ちゃんがあまりにも、綺麗で可愛いから。誰かに盗られちゃうって思って。だから、そうならないように、早く、全部を手に入れなくちゃって・・・ごめん。泣かないで。お願い。チュッチュッ。どうしたらいい?」
「えっ!(全部を手に入れるって、何?どういう意味?えっ、僕、掘られちゃうの?そっち側なの?訊くの怖いんだけど?)」
0
お気に入りに追加
1,215
あなたにおすすめの小説
発情期がはじまったらαの兄に子作りセッされた話
よしゆき
BL
αの兄と二人で生活を送っているΩの弟。密かに兄に恋心を抱く弟が兄の留守中に発情期を迎え、一人で乗り切ろうとしていたら兄が帰ってきてめちゃくちゃにされる話。
【完】ゲームの世界で美人すぎる兄が狙われているが
咲
BL
俺には大好きな兄がいる。3つ年上の高校生の兄。美人で優しいけどおっちょこちょいな可愛い兄だ。
ある日、そんな兄に話題のゲームを進めるとありえない事が起こった。
「あれ?ここってまさか……ゲームの中!?」
モンスターが闊歩する森の中で出会った警備隊に保護されたが、そいつは兄を狙っていたようで………?
重度のブラコン弟が兄を守ろうとしたり、壊れたブラコンの兄が一線越えちゃったりします。高確率でえろです。
※近親相姦です。バッチリ血の繋がった兄弟です。
※第三者×兄(弟)描写があります。
※ヤンデレの闇属性でビッチです。
※兄の方が優位です。
※男性向けの表現を含みます。
※左右非固定なのでコロコロ変わります。固定厨の方は推奨しません。
お気に入り登録、感想などはお気軽にしていただけると嬉しいです!
【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。
天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。
成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。
まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。
黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。
「陛下を誑かしたのはこの身体か!」って言われてエッチなポーズを沢山とらされました。もうお婿にいけないから責任を取って下さい!
うずみどり
BL
突発的に異世界転移をした男子高校生がバスローブ姿で縛られて近衛隊長にあちこち弄られていいようにされちゃう話です。
ほぼ全編エロで言葉責め。
無理矢理だけど痛くはないです。
神獣の僕、ついに人化できることがバレました。
猫いちご
BL
神獣フェンリルのハクです!
片思いの皇子に人化できるとバレました!
突然思いついた作品なので軽い気持ちで読んでくださると幸いです。
好評だった場合、番外編やエロエロを書こうかなと考えています!
本編二話完結。以降番外編。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる