40 / 358
39
しおりを挟む
ザシュッ
ふぅ、こんなもんか。
もうそろそろ日も暮れる。
帰るか。
魔物を倒すのも随分と慣れた。
始めのころは、魔物とはいえ、生き物を殺すという、感触に罪悪感、解体する際の、血の臭いや皮を剥いだり、内臓を取り出す行為への嫌悪感に苦しんだ。
無限収納があるから、解体は、自分でやらなくてもいいのだけれど、戦闘訓練の際に、一通り教えられたのだ。
あの召喚の後、この世界の常識を教えてもらい、損失補償金をごっそり遠慮なく頂いた。
国王陛下が後見人となり、冒険者ギルドにも登録、病気や怪我の際は、王室医薬師長が見てくれ、城で面倒を見るという契約も交わした。
俺の部屋も城の中にあって、食事や衣装の用意、洗濯等も、任せっきりだ。
めっちゃ高待遇。
月々の手当は、騎士団長の5倍の給料+魔物を倒し、ギルドで売った代金。
騎士団総当りで倒せないような魔物を、一人で倒しているのだから、これくらいは貰って当然だろう。
屋敷も別荘も、余裕で建てられるだけのお金を手に入れ、土地はすでに、何箇所か購入済みだ。
葵ちゃんが来たら、場所を選んでもらって、一緒に考えながら、別荘を建てようと思って。
余った土地は、一つ二つ残して転売すればいいかな。
城での生活は楽でいいんだけど、四六時中人の目があるのが嫌だ。
だから、たまにでいいから、二人っきりで、ゆっくりと過ごせる場所も、欲しかったんだよね。
俺ももう16、あの時の葵ちゃんと同じ歳になった。
身長がグングンと伸び、葵ちゃんの背を追い越し、筋肉もいい感じについている。
細マッチョってやつだ。
これでもう、弟には見えないだろう。
召喚されてから、4年、それだけの、永い時が過ぎていた。
明後日、召喚魔法を展開するとの連絡があった。
やっとだ。
寂しくて、寂しくて、辛いこの日々から抜けられると思うと、自然と口角が上がっていくのを感じた。
ふぅ、こんなもんか。
もうそろそろ日も暮れる。
帰るか。
魔物を倒すのも随分と慣れた。
始めのころは、魔物とはいえ、生き物を殺すという、感触に罪悪感、解体する際の、血の臭いや皮を剥いだり、内臓を取り出す行為への嫌悪感に苦しんだ。
無限収納があるから、解体は、自分でやらなくてもいいのだけれど、戦闘訓練の際に、一通り教えられたのだ。
あの召喚の後、この世界の常識を教えてもらい、損失補償金をごっそり遠慮なく頂いた。
国王陛下が後見人となり、冒険者ギルドにも登録、病気や怪我の際は、王室医薬師長が見てくれ、城で面倒を見るという契約も交わした。
俺の部屋も城の中にあって、食事や衣装の用意、洗濯等も、任せっきりだ。
めっちゃ高待遇。
月々の手当は、騎士団長の5倍の給料+魔物を倒し、ギルドで売った代金。
騎士団総当りで倒せないような魔物を、一人で倒しているのだから、これくらいは貰って当然だろう。
屋敷も別荘も、余裕で建てられるだけのお金を手に入れ、土地はすでに、何箇所か購入済みだ。
葵ちゃんが来たら、場所を選んでもらって、一緒に考えながら、別荘を建てようと思って。
余った土地は、一つ二つ残して転売すればいいかな。
城での生活は楽でいいんだけど、四六時中人の目があるのが嫌だ。
だから、たまにでいいから、二人っきりで、ゆっくりと過ごせる場所も、欲しかったんだよね。
俺ももう16、あの時の葵ちゃんと同じ歳になった。
身長がグングンと伸び、葵ちゃんの背を追い越し、筋肉もいい感じについている。
細マッチョってやつだ。
これでもう、弟には見えないだろう。
召喚されてから、4年、それだけの、永い時が過ぎていた。
明後日、召喚魔法を展開するとの連絡があった。
やっとだ。
寂しくて、寂しくて、辛いこの日々から抜けられると思うと、自然と口角が上がっていくのを感じた。
0
お気に入りに追加
1,215
あなたにおすすめの小説
発情期がはじまったらαの兄に子作りセッされた話
よしゆき
BL
αの兄と二人で生活を送っているΩの弟。密かに兄に恋心を抱く弟が兄の留守中に発情期を迎え、一人で乗り切ろうとしていたら兄が帰ってきてめちゃくちゃにされる話。
【完】ゲームの世界で美人すぎる兄が狙われているが
咲
BL
俺には大好きな兄がいる。3つ年上の高校生の兄。美人で優しいけどおっちょこちょいな可愛い兄だ。
ある日、そんな兄に話題のゲームを進めるとありえない事が起こった。
「あれ?ここってまさか……ゲームの中!?」
モンスターが闊歩する森の中で出会った警備隊に保護されたが、そいつは兄を狙っていたようで………?
重度のブラコン弟が兄を守ろうとしたり、壊れたブラコンの兄が一線越えちゃったりします。高確率でえろです。
※近親相姦です。バッチリ血の繋がった兄弟です。
※第三者×兄(弟)描写があります。
※ヤンデレの闇属性でビッチです。
※兄の方が優位です。
※男性向けの表現を含みます。
※左右非固定なのでコロコロ変わります。固定厨の方は推奨しません。
お気に入り登録、感想などはお気軽にしていただけると嬉しいです!
【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。
天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。
成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。
まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。
黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。
「陛下を誑かしたのはこの身体か!」って言われてエッチなポーズを沢山とらされました。もうお婿にいけないから責任を取って下さい!
うずみどり
BL
突発的に異世界転移をした男子高校生がバスローブ姿で縛られて近衛隊長にあちこち弄られていいようにされちゃう話です。
ほぼ全編エロで言葉責め。
無理矢理だけど痛くはないです。
神獣の僕、ついに人化できることがバレました。
猫いちご
BL
神獣フェンリルのハクです!
片思いの皇子に人化できるとバレました!
突然思いついた作品なので軽い気持ちで読んでくださると幸いです。
好評だった場合、番外編やエロエロを書こうかなと考えています!
本編二話完結。以降番外編。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる