何で僕を?

大器晩成らしい

文字の大きさ
上 下
18 / 358

17

しおりを挟む
診察は、脈?の部分に指を当てるのと、ワイシャツのボタンを外して、心臓の部分に手を当てただけ。

それぞれ2~3分ずつ。

当てた部分が、やけに温かかった。

・・・以上。

えっ?

これだけ?

これで、何か判ったの?

鑑定的な何かを使ったのかな。

ラピスさんが、手早く、ボタンを留めてくれた。

いやっ、それくらい自分で出来るんだけど。

と思ったけど、そういえば、今、動けないんだった。

まさかこの為だけに、この部屋に残ったのだろうか?


それにしても、魔術師長とジェイドさんを、わざわざ部屋から追い出す程の事は、していないように思ったんだけど。

何か意味があるのかな?

首を傾げていたら、どうしたのか訊かれ、疑問に思った事を訊いてみた。

「ふむふむ、なるほどのぅ。温かく感じたのは、魔力を流し込んでいたからじゃ。魔力の流れから、不具合か所を探っておったのじゃ。最初に手首から全身に魔力を流していたのじゃが、心臓付近で抵抗を感じてのぅ。直接心臓を調べてみたのじゃ。ちなみに、二人を追い出したのは、未婚の者は、他人にやたらと肌を見せるものではないからじゃよ」

えっ、男同士でも?

「ラピスさんは?」

「世話係だから問題ないのじゃ。お風呂の世話や、着替えさせたりするのも、仕事の内じゃからのぅ。自分の手足の延長として思っていればいいのじゃ。他人の括りに入れないのじゃよ」

いえっ、お風呂と着替えは、一人で出来ます。

今直ぐは無理だけど。

その仕事はさぼって欲しい・・・切にお願い。

「それは、出来ません」

言ってみたら、バッサリ断わられた。

仕事にかなりのプライドがあるようだ。


「そろそろ隣の二人を、呼んで来てくれんかのぅ」

「はいっ」

カチャ

「診察が終わりましたので、お入り下さい」

二人が部屋の中に戻ってきた。

「どうでした?」

「そうじゃのぅ。召喚で、随分と心臓に負荷がかかったようじゃ。魔力の流れに抵抗があってのぅ、ついでに、治しておいたから、もう問題はない筈じゃ。動けないのは、元から酔い易い体質なんじゃろ。アルコールや乗り物でも酔うと思うがのぅ。初めてなのに、強力な召喚魔法の魔力に晒されたせいで、ここまで、酷くなっているのじゃな。2~3日もすれば、治るじゃろ」

そう言って、安心させる為だろうか、優しい手つきで頭を撫でてくれた。

診断を聴いて、皆も、ホッとした顔をしていた。

心配してくれたのかな?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄に異議を唱えたら、王子殿下を抱くことになった件

雲丹はち
BL
双子の姉の替え玉として婚約者である王子殿下と1年間付き合ってきたエリック。 念願の婚約破棄を言い渡され、ようやっと自由を謳歌できると思っていたら、実は王子が叔父に体を狙われていることを知り……!?

【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。

天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。 成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。 まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。 黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。

表情筋が死んでいる

白鳩 唯斗
BL
無表情な主人公

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

俺の彼氏は俺の親友の事が好きらしい

15
BL
「だから、もういいよ」 俺とお前の約束。

愛などもう求めない

白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。 「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」 「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」 目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。 本当に自分を愛してくれる人と生きたい。 ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。  ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。 最後まで読んでいただけると嬉しいです。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

貧乏貴族の末っ子は、取り巻きのひとりをやめようと思う

まと
BL
色々と煩わしい為、そろそろ公爵家跡取りエルの取り巻きをこっそりやめようかなと一人立ちを決心するファヌ。 新たな出逢いやモテ道に期待を胸に膨らませ、ファヌは輝く学園生活をおくれるのか??!! ⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。

処理中です...