何で僕を?

大器晩成らしい

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どんどん持ってこられる書類を前に、種類別に選り分け、代理で出来る書類だけでもと処理をしながら、部屋の主が戻ってくるのを待っていた。

・・・ちょっと行ってくるのちょっとって、あの方にとって、何刻以内なのでしょう?

召喚がどうなったか見てくると出かけられたまま、いつまで経っても、戻ってこられない。

もう、帰ってしまおうかと思った時、騒々しい足音が近付いてきて、扉を壊すのでは?という勢いで扉が開かれた。

足早に入ってきて、椅子に座るや否や、鬼気迫る勢いで政務に取り掛かり、あっという間に仕事を終えられてしまった。

あんなにやる気のある姿を拝見したのは初めてです。

いつも、こうでしたなら、早く帰れますのに・・・(by 王太子補佐官)


「様子を見てくる。緊急の仕事だけ、持ってこい」

「えっ、また行かれるのですか?」

「ああ、行ってくる」

「また、いつまでも、戻ってこられないのは困ります」

「大丈夫だ。お前は出来るやつだ」

「こんな時ばっかり、その様な事を言われる」

「悪い、急いでるから、もう出る。後は頼んだ。」

そう言うと、さっさと部屋を出て行ってしまわれた。

「あっ、お待ちを・・・言い逃げですね。了承してませんのに」


・-・-・-・-・-・


コンコン

「王太子がいらっしゃいましたが、いかが致しますか?」

チッ、もう来てしまいましたか。

出来れば、王太子が来られる前に、確認作業を済ませ、目的の人物なら、早急にあの方に知らせ、引き渡してしまおうと思っていたのに・・・

仕方ないですね。

「入って貰って下さい」

カチャ

「どうだ?目は覚ましたか?」

「いいえ、まだです。随分とお早い様ですが、きちんと、お仕事は終えられたのですか?」

「フフン、もちろんだ。優秀だからな」

「補佐官が、ですか?」

「私もだ!」

王太子の補佐官は、優秀すぎて苦労してそうですね・・・
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