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空が白み始めた。
夜なべをしてヴォルフに付ける二人乗り用の鞍を、試行錯誤しながら蔦で作っておいた。
背凭れと、ベルト付きの安全設計だ。
それを、ヴォルフに装着しながら、皆に声をかけた。
おはようございます。起きてください。
昨日のうちに、お猿さん達に伝えておいたので、すでに大量の果物が届けられていた。
起きてきた順に、一人3個ずつ渡していく。
一個は今食べ、残りは、帰る途中お腹が空いたら食べられるようにだ。
食べながら、聞いて下さい。
食べ終わったらすぐに、ヴォルフの鞍にアレキサンドとステフを乗せるので、一緒に来た時と逆側の方から出て下さい。
あちら側に残った人達は、あなた方が神殿に着く頃に、ここの結界から追い出しますので、途中でかち合う事は絶対にありません。
安心して下さい。
昨日伝えた手続きは、必ず行ってくださいね。
アレキサンドの為にも、カルバニール公爵家の為にも、判断を間違えないよう。
今、貴女の傍にいない事が、答えなんです。
まだ、若くて綺麗なんですから、すっぱり忘れて、より良い方を見つけなさい。
ただ、後継者はアレキサンドで決定とし、新たな旦那との間に子供が出来たとしても、同じ様に愛情を持って接するように。
お家騒動を繰り返さないよう、十分気を配るようにして下さい。
周りを見まわす。
どうやら、話している間に食べ終わったみたい。
ヴォルフがすっと近寄ってきたから、蔦でステフ持ち上げ、鞍の後部へ乗せ、ベルトで固定。
次に、アレキサンドを同じ様に蔦で持ち上げ、ステフの前の部分に乗せ、ベルトで固定した。
「ありがとうございます。このご恩は一生忘れません」
「傷を跡形もなく消して頂き、これからもアレキサンド様をお守りする事ができます。感謝しております。ありがとうございました」
瞳を僅かに潤ませながらアレキサンドが言えば、続けてステフからも感謝の気持ちを伝えられた。
どういたしまして、これから大変だろうけど、頑張って!!
じゃあ、ヴォルフ頼んだよ。
気を付けて、いってらっしゃい。
「お任せ下さい。行って参ります♪」
夜なべをしてヴォルフに付ける二人乗り用の鞍を、試行錯誤しながら蔦で作っておいた。
背凭れと、ベルト付きの安全設計だ。
それを、ヴォルフに装着しながら、皆に声をかけた。
おはようございます。起きてください。
昨日のうちに、お猿さん達に伝えておいたので、すでに大量の果物が届けられていた。
起きてきた順に、一人3個ずつ渡していく。
一個は今食べ、残りは、帰る途中お腹が空いたら食べられるようにだ。
食べながら、聞いて下さい。
食べ終わったらすぐに、ヴォルフの鞍にアレキサンドとステフを乗せるので、一緒に来た時と逆側の方から出て下さい。
あちら側に残った人達は、あなた方が神殿に着く頃に、ここの結界から追い出しますので、途中でかち合う事は絶対にありません。
安心して下さい。
昨日伝えた手続きは、必ず行ってくださいね。
アレキサンドの為にも、カルバニール公爵家の為にも、判断を間違えないよう。
今、貴女の傍にいない事が、答えなんです。
まだ、若くて綺麗なんですから、すっぱり忘れて、より良い方を見つけなさい。
ただ、後継者はアレキサンドで決定とし、新たな旦那との間に子供が出来たとしても、同じ様に愛情を持って接するように。
お家騒動を繰り返さないよう、十分気を配るようにして下さい。
周りを見まわす。
どうやら、話している間に食べ終わったみたい。
ヴォルフがすっと近寄ってきたから、蔦でステフ持ち上げ、鞍の後部へ乗せ、ベルトで固定。
次に、アレキサンドを同じ様に蔦で持ち上げ、ステフの前の部分に乗せ、ベルトで固定した。
「ありがとうございます。このご恩は一生忘れません」
「傷を跡形もなく消して頂き、これからもアレキサンド様をお守りする事ができます。感謝しております。ありがとうございました」
瞳を僅かに潤ませながらアレキサンドが言えば、続けてステフからも感謝の気持ちを伝えられた。
どういたしまして、これから大変だろうけど、頑張って!!
じゃあ、ヴォルフ頼んだよ。
気を付けて、いってらっしゃい。
「お任せ下さい。行って参ります♪」
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